2017年の大晦日を前に、年越しそば用のかけ汁(甘汁)つくりです。
今年も、札幌市宮の森の昆布卸店、佐吉や昆布から真昆布の料亭用の代物を調達。同時に、お正月のお吸い物用の利尻昆布(平成12年産)の17年物の2等品も調達です。佐吉さんの昆布は、さすがに専門店だけあり、同じ昆布でも全く香りと味が異なります。良い昆布を提供されます。一般の方にはあまり知られていませんが勿体ないことです。道内外の専門店への卸が主で一般小売りはこの店だけなのであまり知られていなくても仕方ないのかもしれません。同店店主は大変話し好きで、昆布のことは本当によくご存じです。最初に訪問した際には、2時間近く話し込んでしまいました。色々と教えていただけるので、大変ありがたい先生です。
今年の甘汁用のだしは、京都の菊乃井の一番だしのひきかたを真似ることにしました。京都菊乃井と瓢亭や築地田村のだしのひきかたの違いは、鮪節を用いるか否かです。菊乃井はあくまで鰹本枯節血合い抜きにこだわりシンプルなだし。瓢亭や田村は鰹に鮪節も使用して一番だしをひいている。今年は、シンプルな旨味に焦点をあてることにして、菊乃井のだしのひきかたでやってみようと思います。
昆布は1時間かけてとります。また、鰹節は本枯節の雄節のうす削りを用いてひきます。残念ながら、札幌では、大熊商店が鰹節の卸さんですが、雄節のうす削りは手に入りません。雄節と雌節を分けて削らないそうです。雄節と雌節の混合節を用いるので、少し血合いが入るため雑味が出そうですがやむを得ないところです。今年は、雄節+雌節でやってみます。築地で雄節の薄削りをゲットしてこないと北海道では入手が難しいのかもしれません。
甘汁はだしにかえしを7%加え、酒とみりんで調整することにします。甘汁にかえしを用いるのは、並木藪蕎麦、高橋さんの翁等です。長野の大西さんはかえしを用いていません。瓢亭の椀物の場合は、だしに塩、酒、醤油を用いて味付けします。椀物であればこれが良いと思われますが、そば汁には味が薄すぎるのと甘みが足りないと感じます。そこで、かえしを使用してみます。ただし、通常より30%抑えて、その分を酒、みりんで調整するという戦術です。だしで食すそばを模索することにします。
今年の大晦日は、この汁と十割そばを数軒にお配りし評価いただこうと思います。
2017年12月30日土曜日
2017年12月24日日曜日
そば紀行(29) 鹿落堂(2回目)仙台市
先日の訪問に続き、鹿落堂に再訪しました。
もう一度そばの状況を確認するためです。
前回訪問時に感じたそばの状況は、超微粉のそばに粗挽き粉を加えたような配合を、石臼引きで作り上げた十割そばという印象でした。「この捉え方が正しいのか?」をもう一度そばから感じてみるためです。
今回も、お昼少しすぎたころに伺いました。前回同様に2階の窓下の広瀬川を見下ろせる席です。吹き抜けなので、階下の受付や1階の席が見え、その上に広瀬川が見えるような設計です。仙台市内を流れる広瀬川は、蛇行が多い川ですが、それが良く分かります。
今回は、そばそのものをいただきたかったのでせいろそばにしようかと思いましたが、メニューの別のところに、期間限定で「鴨せいろ(合鴨です)」という記載を見つけました。鴨は抜きでいただくことにしてそばは辛汁でと思い、辛汁をつけていただき鴨せいろをお願いしました。
鴨は低温調理して、別盛で提供されました。温かい汁に鴨を入れて少し温めてそばをつけていただくという趣向です。私は鴨は抜きでいただきました。鴨は低温調理されているので肉質は柔らかくかつ油は落ちてますので食べやすい鴨に仕上がってます。
レストランでの最近の肉調理方法として、低温調理が多くなってきました。これも、科学的なアプローチを肉料理に導入すると、当然のように低温調理が肉本来の甘みや旨みを引き出す方法だとなるわけです。たんぱく質を壊すほどの熱を加えると肉本来の甘みや旨みが消えます。これを解消するには、たんぱく質が変性しない温度で調理するとなるのです。これは、大変良い方向だと、個人的には感じています。同じものでも、美味しく食す方法が増えたということは良いことです。
そばです。やはり、この透明感と歯ごたえは微粉がもたらすものです。そこに、粗びきの粉が散りばめられています。このそば粉を配合しないで石臼引きで製粉する方法を試行錯誤で求められたのだろうなと思い至ります。やはり、面白くて美味しいそばです。
前回は、そばに目が行き汁には一切触れませんでした。辛汁は、癖と主張が少ない食べやすい辛汁です。甘すぎず、辛すぎず、だしが主張し過ぎることもないです。確かめてはいませんが、汁には透明感があるので淡口醤油を使用されているのではないかと思います。バランスが良い辛汁なので、たいへん食べやすい汁に仕上がっています。個人的には、「少し尖ったところがあっても、このそばには合うかもしれないな?」とも思いました。
街に近いところにある美味しいお蕎麦屋さんなので、これはありがたいです。また、伺います。
もう一度そばの状況を確認するためです。
前回訪問時に感じたそばの状況は、超微粉のそばに粗挽き粉を加えたような配合を、石臼引きで作り上げた十割そばという印象でした。「この捉え方が正しいのか?」をもう一度そばから感じてみるためです。
今回も、お昼少しすぎたころに伺いました。前回同様に2階の窓下の広瀬川を見下ろせる席です。吹き抜けなので、階下の受付や1階の席が見え、その上に広瀬川が見えるような設計です。仙台市内を流れる広瀬川は、蛇行が多い川ですが、それが良く分かります。
今回は、そばそのものをいただきたかったのでせいろそばにしようかと思いましたが、メニューの別のところに、期間限定で「鴨せいろ(合鴨です)」という記載を見つけました。鴨は抜きでいただくことにしてそばは辛汁でと思い、辛汁をつけていただき鴨せいろをお願いしました。
鴨は低温調理して、別盛で提供されました。温かい汁に鴨を入れて少し温めてそばをつけていただくという趣向です。私は鴨は抜きでいただきました。鴨は低温調理されているので肉質は柔らかくかつ油は落ちてますので食べやすい鴨に仕上がってます。
レストランでの最近の肉調理方法として、低温調理が多くなってきました。これも、科学的なアプローチを肉料理に導入すると、当然のように低温調理が肉本来の甘みや旨みを引き出す方法だとなるわけです。たんぱく質を壊すほどの熱を加えると肉本来の甘みや旨みが消えます。これを解消するには、たんぱく質が変性しない温度で調理するとなるのです。これは、大変良い方向だと、個人的には感じています。同じものでも、美味しく食す方法が増えたということは良いことです。
そばです。やはり、この透明感と歯ごたえは微粉がもたらすものです。そこに、粗びきの粉が散りばめられています。このそば粉を配合しないで石臼引きで製粉する方法を試行錯誤で求められたのだろうなと思い至ります。やはり、面白くて美味しいそばです。
前回は、そばに目が行き汁には一切触れませんでした。辛汁は、癖と主張が少ない食べやすい辛汁です。甘すぎず、辛すぎず、だしが主張し過ぎることもないです。確かめてはいませんが、汁には透明感があるので淡口醤油を使用されているのではないかと思います。バランスが良い辛汁なので、たいへん食べやすい汁に仕上がっています。個人的には、「少し尖ったところがあっても、このそばには合うかもしれないな?」とも思いました。
街に近いところにある美味しいお蕎麦屋さんなので、これはありがたいです。また、伺います。
2017年12月18日月曜日
そば食研究(1) Olive oil, Salt, White soy sauce
そば打ち記録(71)(72)で記載した、丸抜きを石臼を手で回して挽いた超粗挽きそばに、これまでの食し方とは異なる方法があるのではないかと考え始めました。
最初に超粗挽きそばを打って食べた際に、そば自体の主張が強いのでそれを活かすには、もっとシンプルでそばの味の邪魔をしない方法で食べるのが良いのではないかと考え始めたのです。辛汁に付けて食すと、汁の味が強いので、どんなそばでも喉を通った後に残るのは、そば汁の味覚です。
よって、あまり美味しく無いそば(語弊があるかもしれませんが)でも、そば汁が良ければそれなりに感じます。ほんの少し付けて食べても汁の味が残るので、そばを汁にドバッと付けて食べると、全てそば汁の味しか感じません。超粗挽きそばを活かすには、辛汁を用いないほうが良いのではないかと感じた次第です。
ドバッとそば汁に付けて食べる食し方を否定しません。そば汁に付けないと食べられないそばもたくさんありますし、そばよりそば汁を楽しむという人がいても、それを楽しんでいるのであれば良いと思います。そもそも、食は個人の感じ方です。好みや習慣で個々が感じる美味しいが、その方には美味しいのです。多くの方がその味を美味しいという場合は、より多くの方が好むので、その味が社会のコミュニティーで美味しいとなります。しかし、少数派の方が好む味はその方にとってはこの上なく美味しいのです。美味しいを求めて、自身以外の多くの方からも賛同されると仲間意識ができ、そのうちコミュニティーができ、輪が広がります。この弱いつながりを意思を持って繋ぐための理論は既に構築されています。アクターネットワークという理論です。食を扱うMarketing担当者は、SNSのこの時代には益々知っておいた方が良い基礎理論です。
話を戻しましょう。
先週、山形県の鶴岡市に伺いました。鶴岡市は山形県の庄内地方の町で、食文化を発信している街です。その中心人物の一人が、イタリアンレストランのアルケッチャーノ(一期匠の別ブログ;一期匠 Many JPN参照ください)のシェフ奥田さんです。彼がまた動き、鶴岡駅前に「ユネスコ食文化創造都市・鶴岡」の情報発信拠点{FOODEVER」ができました。ここには、庄内地区の、日本の、世界の食の一部が紹介されています。その中に、Oil、Salt、Soy-Sauceの代表例が展示販売されています。
この一覧を眺めながら、超粗挽きそばに合いそうだなと思いたちました。普通のそばだとOlive-Oilに負けそうですが、超粗挽きそばの雑穀感には、Olive-Oilと塩が合うのではないかと思います。
ここのアンテナショップでOlive-OilのLaudemioを購入しました。このOlive-Oilはフラントイオ・モライオロ・レッチイノの3種のオリーブを配合して作るようです。試したことが無いので、何が良いのか分かりません。お店の方に伺ったのですが、正確な回答が得られませんでした。そこで、お店の方が実際に使用しているオリーブオイルを教えてもらい、それを購入した次第です。ここで、無理に購入しなくても良かったのですが、事の流れで思わず買ってしまいました。
塩も良いのではと思います。塩にも色々な物があります。岩塩、海水と大きく2種類で、それぞれ様々な製法や工夫がなされています。この中でFeとCaを多く含んだ6億年前の海の化石でできている岩塩(Pahar Rock Salt)を購入しました。また、キプロスの海塩を燻製した塩(Fiocchi di Sale Affumicato)と、同じ塩にミントを加えた塩(Fiocchi di Sale Menta )も購入しました。もう一品は塩ではなく白醤油(ヤマシン, 愛媛県)です。
その他に、BALSAMO DIVINOというバルサミコ酢で、モデナ産のブドウのみで造り6年熟成のものです。最後に、あみ醤油は、庄内産のアミエビと塩でつけられた魚醤です。
何かがヒントになりそうかなと思います。
実はこの後に、前述の鶴岡のイタリアンレストランのアルケチャーノ(奥田シェフの店)に伺うことになっており、そこで、専門家の意見を聞いてからにしようと思ったので、Olive-Oilは取り敢えず1品のみの購入にしました。
アルケッチャーノで色々とOlive-Oilについて教えてもらいました。緑色の野菜に合うもの、黄色い野菜に合うものと使い分けをしているそうです。先ほど私が購入したLaudemioは、黄色系の野菜に合いそうです。
色々とお話しし、このレストランで用いているOlive-Oilを教えてもらい、最終的にこのレストランで使用している高価ですが美味しい2種類のOlive-Oilを分けていただくことにしました。
一つは、「Kiyoe」です。これは、緑色の野菜サラダに用いるより、ほかの料理に用いる場合が多いそうです。アルケッチャーノでは、魚料理や黄色の野菜に使用しているそうです。
Kiyoe HPより引用
もう一品は、緑色の野菜サラダ等、Olive-Oilを感じてほしい時によく使われるMANZELLAのBiancolillaです。イタリア・シチリア島で、栽培法と品質が厳しく管理された有機栽培のオリーブを手摘みで収穫し搾油されています。新鮮なシトラスのようなすっきりとした香りと、苦味の少ないまろやかな味わいが特徴とのことです。
以下引用
Olive-Oilは、Biancolillaの方がOlive-Oil自体を感じます。KiyoeはOlive-Oilをあまり感じさせません。どちらもそばの雑味を弱めるが、そばの邪魔をしません。これは面白いです。
塩の燻製は燻製の美味しさがそばに合います。岩塩はあっさりですがそばが立ちます。白醤油は数滴で塩分だけでなく旨みがあり、そばに合います。
いずれも美味しいと思います。どれが最も良いという結論には至りませんでした。また、Olive-Oilと塩に何かを食えても良いかもしれません。この先の研究の楽しみが増えました。
最初に超粗挽きそばを打って食べた際に、そば自体の主張が強いのでそれを活かすには、もっとシンプルでそばの味の邪魔をしない方法で食べるのが良いのではないかと考え始めたのです。辛汁に付けて食すと、汁の味が強いので、どんなそばでも喉を通った後に残るのは、そば汁の味覚です。
よって、あまり美味しく無いそば(語弊があるかもしれませんが)でも、そば汁が良ければそれなりに感じます。ほんの少し付けて食べても汁の味が残るので、そばを汁にドバッと付けて食べると、全てそば汁の味しか感じません。超粗挽きそばを活かすには、辛汁を用いないほうが良いのではないかと感じた次第です。
ドバッとそば汁に付けて食べる食し方を否定しません。そば汁に付けないと食べられないそばもたくさんありますし、そばよりそば汁を楽しむという人がいても、それを楽しんでいるのであれば良いと思います。そもそも、食は個人の感じ方です。好みや習慣で個々が感じる美味しいが、その方には美味しいのです。多くの方がその味を美味しいという場合は、より多くの方が好むので、その味が社会のコミュニティーで美味しいとなります。しかし、少数派の方が好む味はその方にとってはこの上なく美味しいのです。美味しいを求めて、自身以外の多くの方からも賛同されると仲間意識ができ、そのうちコミュニティーができ、輪が広がります。この弱いつながりを意思を持って繋ぐための理論は既に構築されています。アクターネットワークという理論です。食を扱うMarketing担当者は、SNSのこの時代には益々知っておいた方が良い基礎理論です。
話を戻しましょう。
先週、山形県の鶴岡市に伺いました。鶴岡市は山形県の庄内地方の町で、食文化を発信している街です。その中心人物の一人が、イタリアンレストランのアルケッチャーノ(一期匠の別ブログ;一期匠 Many JPN参照ください)のシェフ奥田さんです。彼がまた動き、鶴岡駅前に「ユネスコ食文化創造都市・鶴岡」の情報発信拠点{FOODEVER」ができました。ここには、庄内地区の、日本の、世界の食の一部が紹介されています。その中に、Oil、Salt、Soy-Sauceの代表例が展示販売されています。
この一覧を眺めながら、超粗挽きそばに合いそうだなと思いたちました。普通のそばだとOlive-Oilに負けそうですが、超粗挽きそばの雑穀感には、Olive-Oilと塩が合うのではないかと思います。
ここのアンテナショップでOlive-OilのLaudemioを購入しました。このOlive-Oilはフラントイオ・モライオロ・レッチイノの3種のオリーブを配合して作るようです。試したことが無いので、何が良いのか分かりません。お店の方に伺ったのですが、正確な回答が得られませんでした。そこで、お店の方が実際に使用しているオリーブオイルを教えてもらい、それを購入した次第です。ここで、無理に購入しなくても良かったのですが、事の流れで思わず買ってしまいました。
塩も良いのではと思います。塩にも色々な物があります。岩塩、海水と大きく2種類で、それぞれ様々な製法や工夫がなされています。この中でFeとCaを多く含んだ6億年前の海の化石でできている岩塩(Pahar Rock Salt)を購入しました。また、キプロスの海塩を燻製した塩(Fiocchi di Sale Affumicato)と、同じ塩にミントを加えた塩(Fiocchi di Sale Menta )も購入しました。もう一品は塩ではなく白醤油(ヤマシン, 愛媛県)です。
その他に、BALSAMO DIVINOというバルサミコ酢で、モデナ産のブドウのみで造り6年熟成のものです。最後に、あみ醤油は、庄内産のアミエビと塩でつけられた魚醤です。
何かがヒントになりそうかなと思います。
実はこの後に、前述の鶴岡のイタリアンレストランのアルケチャーノ(奥田シェフの店)に伺うことになっており、そこで、専門家の意見を聞いてからにしようと思ったので、Olive-Oilは取り敢えず1品のみの購入にしました。
アルケッチャーノで色々とOlive-Oilについて教えてもらいました。緑色の野菜に合うもの、黄色い野菜に合うものと使い分けをしているそうです。先ほど私が購入したLaudemioは、黄色系の野菜に合いそうです。
色々とお話しし、このレストランで用いているOlive-Oilを教えてもらい、最終的にこのレストランで使用している高価ですが美味しい2種類のOlive-Oilを分けていただくことにしました。
一つは、「Kiyoe」です。これは、緑色の野菜サラダに用いるより、ほかの料理に用いる場合が多いそうです。アルケッチャーノでは、魚料理や黄色の野菜に使用しているそうです。
Kiyoe HPより引用
- オリーブオイルは大きく3つに分けられます。オリーブ果実を搾っただけのオリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイル)と精製したオリーブオイル(ピュアオリーブオイル)、そしてオリーブの搾った残りかすを溶剤でさらに精製したオリーブオイル(ポマースオリーブオイル)です。
- オリーブオイルは果肉に含まれる油脂なので、これらのピュアとポーマスオリーブオイルは、弊社ではお勧めしておりません。
- エキストラバージンオリーブオイルですら品質差がある中で、キヨエはシェフ達が納得いく品質をノンフィルター製法&トランス脂肪酸ゼロで作り続けています。
- オリーブ木にはたくさんの品種があり、昔から地域で愛され続けるオリーブオイルの品種もあれば、遺伝子組み換えされたものもあります。オリーブ木の種類は歴史が深いので、その数は千種類以上とも言われますが、定かではありません。
- キヨエのオリーブオイルは、コロネイキ種のオリーブ木を使用しています。ギリシャ地域の昔ながらの在来種で、キヨエのシンプル製法でさらに美味しく仕上げました。
もう一品は、緑色の野菜サラダ等、Olive-Oilを感じてほしい時によく使われるMANZELLAのBiancolillaです。イタリア・シチリア島で、栽培法と品質が厳しく管理された有機栽培のオリーブを手摘みで収穫し搾油されています。新鮮なシトラスのようなすっきりとした香りと、苦味の少ないまろやかな味わいが特徴とのことです。
以下引用
- スペインで前衛的なオリーブ栽培をする名門オリーブ農園カサス・デ・ウアルドから、最高のバランスとハーモニーを追求したエクストラヴァージンオリーブオイル。
- エクストラヴァージンオリーブオイル 酸度 0.1
- 酸度はオリーブオイルの命とも言える鮮度を表す数値。0.1という数値は市場最良です。
- オレイン酸含有量 77.29% ポリフェノール値 637.2 p.p.m.
- フレッシュミントやハーブの爽やかさを感じさせ、柔らかなバナナの甘さも香る極めてフルーティーなオイル。スパイシーさもあり、アーティーチョークやグリーントマトの心地よいフレッシュな味わいが楽しめる。オレイン酸もポリフェノールの含有量も高く、日常生活を健やかに過ごすために理想的と言えるオリーブオイル。高い抗酸化作用が望めます。
Olive-Oilは、Biancolillaの方がOlive-Oil自体を感じます。KiyoeはOlive-Oilをあまり感じさせません。どちらもそばの雑味を弱めるが、そばの邪魔をしません。これは面白いです。
塩の燻製は燻製の美味しさがそばに合います。岩塩はあっさりですがそばが立ちます。白醤油は数滴で塩分だけでなく旨みがあり、そばに合います。
いずれも美味しいと思います。どれが最も良いという結論には至りませんでした。また、Olive-Oilと塩に何かを食えても良いかもしれません。この先の研究の楽しみが増えました。
用いたOlive-Oil2種類 |
左;燻製塩 中;岩塩 右;白醤油 |
2×3で6種にで比較検討 |
2017年12月17日日曜日
そば打ち記録(72)石臼手挽自家製粉の超々粗挽き粉で生粉打ち(2回目)
石臼を左手で回して出てくるそば粉の香りは何ともいえません。製粉作業がそばの香りを最も感じられる時であることを石臼回し2回目の今回に感じました。
前回は、石臼をどこにおいて、粉をどんなふうに集めたらよいのとか、丸抜きをどの臭いの速度で入れればよいのか等考えながらでしたので、そば粉の香りを感じなかったのかもしれません。
淡い緑色の丸抜きを石臼にかけると、粉がジワーと湧いてきます。湧いてくるという表現が合いそうです。今回は、1回挽いた段階で20メッシュの篩にかけて、20メッシュを通らない粒を再度石臼で2度挽きしました。すると、歩留まり100%でした。20メッシュですので、粉の部分と、小さな粒の部分に分けられるような粉になりました。
この粉で生粉打ちです。
そば粉が630gに加水315mlを一気に加水して1分弱で水回し終了。そのままくくり、二つのそば粉の塊にしました。これを一つずつ丸くのして、2枚つくり、重ねて折ってそれを切ります。
茹でても切れません。そば切りです。
水回し1分弱でそばが打てるのです。江戸打ちが7分前後かけている意味がよく分からなくなってきてます。無駄ではないかと。
他のブログにも記載しましたが、論文では3分以内で加水作業は終わっているという報告があります。なぜ、あんなに長く、かつ、粒状になるまでやっているのでしょうか??
そちらは、段位試験用として、やらないといけないのかもしれません??
このそばは、これまでのそばとは別物です。
味、香り、食感、のど越し、舌触り等々、まったく違います。同じ量のそばを食べても、食べた感覚が無いのが「もりそば」です。おなかがいっぱいという感覚を得るには、それ相応のそばを食べることになります。しかし、このそばは、食べたなという感覚を与えます。食べているときに感じる穀物の感触が、そのように感じさせるのだと思います。
雑穀や玄米を好む方が増えてきています。まさに、ソバという穀物をそば切り(そばの麵)にして食す方法です。そばを雑穀として食す文化は、ロシア、ヨーロッパ、中国東部や山間部にあります。国により少し呼び名は変わります。その代表として、ソバのカーシャーという料理がロシアにあります。カーシャというのは、粥のことです。ソバ粥ということです。カーシャ料理は、ソバが有名ですが、他には米、黍、小麦のカーシャなどがあります。
国内では、山形の庄内地域にそばコメというものがあります。これは、そばの丸抜きをそのまま炊くので、コメの代わりにそばのコメという料理です。
その他に、一度ソバをそば粉にして、お湯で溶く「そばがき」がありますね。これは、日本の農村部でそば切り以前の食べ方として普及していた食しかたです。
そばの味や香りが知りたいなら、そばがきが一番良い食し方だと言われてきました。その通りであります。
このそばがきと今日のそばを比較してみます。
今回の超粗挽きのばは、雑穀が苦手の方には向かないそばです。また、そばを啜り、喉越しだけを楽しみたい方にも向かないと思われます。
そばを感じたい方、雑穀としてのそばを求める方、こよなくソバを愛する方にはお勧めです。また、玄米古代米や雑穀が好きな方には一度お勧めしたい物です。
二八そばと生粉打ちそばには、大きな違いがあります。生粉打ちそばと超粗そばには、二八と生粉打ちそばの違いの数十倍もの違いがあります。違いというより、まったく別の食べ物のように思えます。
そばを食べた!! という感触です。
前回は、石臼をどこにおいて、粉をどんなふうに集めたらよいのとか、丸抜きをどの臭いの速度で入れればよいのか等考えながらでしたので、そば粉の香りを感じなかったのかもしれません。
淡い緑色の丸抜きを石臼にかけると、粉がジワーと湧いてきます。湧いてくるという表現が合いそうです。今回は、1回挽いた段階で20メッシュの篩にかけて、20メッシュを通らない粒を再度石臼で2度挽きしました。すると、歩留まり100%でした。20メッシュですので、粉の部分と、小さな粒の部分に分けられるような粉になりました。
この粉で生粉打ちです。
そば粉が630gに加水315mlを一気に加水して1分弱で水回し終了。そのままくくり、二つのそば粉の塊にしました。これを一つずつ丸くのして、2枚つくり、重ねて折ってそれを切ります。
茹でても切れません。そば切りです。
水回し1分弱でそばが打てるのです。江戸打ちが7分前後かけている意味がよく分からなくなってきてます。無駄ではないかと。
他のブログにも記載しましたが、論文では3分以内で加水作業は終わっているという報告があります。なぜ、あんなに長く、かつ、粒状になるまでやっているのでしょうか??
そちらは、段位試験用として、やらないといけないのかもしれません??
このそばは、これまでのそばとは別物です。
味、香り、食感、のど越し、舌触り等々、まったく違います。同じ量のそばを食べても、食べた感覚が無いのが「もりそば」です。おなかがいっぱいという感覚を得るには、それ相応のそばを食べることになります。しかし、このそばは、食べたなという感覚を与えます。食べているときに感じる穀物の感触が、そのように感じさせるのだと思います。
雑穀や玄米を好む方が増えてきています。まさに、ソバという穀物をそば切り(そばの麵)にして食す方法です。そばを雑穀として食す文化は、ロシア、ヨーロッパ、中国東部や山間部にあります。国により少し呼び名は変わります。その代表として、ソバのカーシャーという料理がロシアにあります。カーシャというのは、粥のことです。ソバ粥ということです。カーシャ料理は、ソバが有名ですが、他には米、黍、小麦のカーシャなどがあります。
国内では、山形の庄内地域にそばコメというものがあります。これは、そばの丸抜きをそのまま炊くので、コメの代わりにそばのコメという料理です。
その他に、一度ソバをそば粉にして、お湯で溶く「そばがき」がありますね。これは、日本の農村部でそば切り以前の食べ方として普及していた食しかたです。
そばの味や香りが知りたいなら、そばがきが一番良い食し方だと言われてきました。その通りであります。
このそばがきと今日のそばを比較してみます。
- 香り;そばがき>超粗
- そばの味;そばがき=超粗
- そばの雑穀感;そばがき<超粗
今回の超粗挽きのばは、雑穀が苦手の方には向かないそばです。また、そばを啜り、喉越しだけを楽しみたい方にも向かないと思われます。
そばを感じたい方、雑穀としてのそばを求める方、こよなくソバを愛する方にはお勧めです。また、玄米古代米や雑穀が好きな方には一度お勧めしたい物です。
二八そばと生粉打ちそばには、大きな違いがあります。生粉打ちそばと超粗そばには、二八と生粉打ちそばの違いの数十倍もの違いがあります。違いというより、まったく別の食べ物のように思えます。
そばを食べた!! という感触です。
丸抜きを少しずつ加えて回します |
1回挽いて20メッシュ篩 左は篩を通った粉 右は残った粉 |
もう一度挽いて全て使用 歩留まり100% |
切り終えたそば |
その後に、2回ほど1.5kg生粉打ちで練習をしました。その際に名人にご教授いただいた内容で、忘れてはいけないことです。
1.丸のしの初期:左右の手はできるだけ広げた方が、てこの原理が使えるのでのし速度が速い。
2.丸のしは、手前から真ん中下までを前にのす。これで、麵体が前に滑りながら伸びていくし、のびるので麵体が浮くので回しやすい
3.麵体を動かす際に、ゆがみを補正できる。
4.丸のしは手前→真ん中前まで→麺体の端を通って戻るという手順。戻りは力を入れない。戻る時に、厚みの違いを感じる。
5.四つだし;真ん中を伸ばす(出しすぎない)→外から内に手を置く(力不要)(真ん中には触れない)
6.「回しのし」の力加減の感覚は、遠いところに手を伸ばして麺棒を回している感覚でよい。その感覚で麺棒を回すと、自然に麵体が伸びチジミして伸びていく。圧をかけたいときは手前仕事にする。手前だと手が体に近い分体重がかかるので自然と圧がかる。手で圧をかけない。
7.のしは、形を整えるのを最優先。
8.角は、前から、脇から調整すると整う。
9.真ん中のたるみ解消は、山を作ることで解消する。
と、たくさん抱えている課題の回答が得られました。感謝、感謝。
2017年11月29日水曜日
そば紀行(28)鹿落堂 仙台市
鹿落堂(ししおちどう)
仙台市都心部の南西、広瀬川の蛇行部に挟まれた経ケ峯にある伊達政宗を祀る霊廟である瑞鳳殿の東側に鹿落坂(ししおちざか)があります。霊屋下から太白区向山にまたがる坂道です。この坂の東には広瀬川、西には経が峯があるともいえます。この坂を霊屋下から登り切った右手に今日伺った鹿落堂(ししおちどう)があります。崖に張り付くように建つガラス張りの素敵なお店です。斜め向かいには、中華で有名なKUROMORIがあります。
暖簾もモダンで、店内も素敵なカウンター席があり、眼下には広瀬川の蛇行が良く見えます。店に入ると左手に手作りの日用品が並んでいて、正面はカウンター席とその奥にテーブル席。その左手には大きなそば打ち台があります。日用品の置かれた脇を二階へ上がると、そこにもカウンター席とテーブル席があります。デザイン性の高い店内で、このように洗練したデザインの中に居るのは、大変気持ちが良いです。
わたしは、この二階のテーブル席につきました。
メニューを見ると、十割蕎麦御膳、二八蕎麦御膳、板そば、かも南蛮蕎麦などが並んでいます。自家製粉手打ち十割挽きぐるみ蕎麦御膳は、「鳴子川渡産、鬼首産の信濃1号、キタワセの玄そばを宮城の安山岩の石臼で粗挽きし、一番外の殻だけを取り除き細打ちしております。」とあります。また、手打ち二八蕎麦御膳は、「北海道産ぼたん、山形産常陸秋そば、でわかおり、もがみわせ、宮城県産あやめの品種を外殻を取り除きマル抜きにした物を石臼挽きしたそば粉に、北海道産キタノカオリの小麦粉を二割加えて手打ちしております。」と記載されています。
このメニューを見て、期待が増してきました。このこだわりは、期待できます。そばの産地、品種、管理方法、製粉とこれらが変わるとそばが変わります。色々とソバも探されているのだろうなと思います。原産地がこれだけ広いというのは、探し続けているのだろうと思えます。また、石臼の原石の品種にもこだわりがありそうです。
私は、自家製粉手打ち十割挽きぐるみ蕎麦御膳という最も長いネーミングをお願いしました。待っている間に、店に展示されている手作り日用品を拝見しました。素朴で日々使いの日用品が並んでいます。また、レジの脇には、和菓子のテークアウトが置いてあります。くずもち、変わり種の小さなおはぎなどが。
このお店は、昼から15時まではそばを提供していますが、15時以降は、喫茶と甘味処としてお店を開いています。今日は時間が無いので、甘味処がオープンするまでは待てないので、変わりだねのおはぎ2個(1個は小豆、もう一つはクルミピーカンナッツです)を、テークアウトで予約です。実は、帰る頃には売り切れだったので、この判断は正解でした。後でいただいたのですが、クルミピーカンナッツは美味しかったです。ナッツ好きにはお薦めです??小豆は甘さを抑えた美味しいおはぎです。
そばが来ました。透明感があり、その中に玄ソバ挽きぐるみの黒い小さな点があり、かつ、粗挽きの粒感も兼ね備えています。大変おいしいそばです。
福島県喜多方の山都町宮古地区のそばが、玄そばをドラムで挽きぐるみして、歩留まり60%での製粉ですので、微粉を基礎に外皮が少しだけ入るので、透明感があり、小さな黒点と、コリコリとした食感があります。
これを基に考えてみました。石臼挽きですので歩留まりを下げて微粉を加えて透明感をだしています。また、コリコリ感は抑えているので微粉の量は減らしてします。挽きぐるみなので少々の小さな黒点がありという所は一緒です。ここに粗挽き粉の量を増やすというブレンド配分をしたような粉でできていると感じました。この最後の点が、大変効いていてオリジナルで美味しいそばをつくりあげています。水回しはもしかすると湯ごねかもしれないと感じました。
超お薦めのそばを提供されるお店です。
私がこれまでにこのそばは凄いなと感じた蕎麦は、平泉の地水庵さんの古典(超粗挽きそば)、前述の山都宮古地区大下さんのそばの二つです。この二つのそばは、そば粉の性質として全く反対のそば粉の性質を活かしたもので、全く異なるそばですがどちらも美味しいそばです。クリエーティブなそばという点でも大変興味深いそばです。この二つのそばに類似した美味しいそばはいくつかあります。この二つの両極端のそばに、三番目に新たに、鹿落堂さんの長いネーミングの「自家製粉手打ち十割挽きぐるみ蕎麦」が加わりました。最初の二つのそばとは趣を変えた美味しいそばを提供されます。そうです、今気づきました。「最初の二つのそばの真ん中を行くようなそば。」「二つの良いとこどりをしたそば。」とでもいうのが良いのかな???
食事を終えて階下に降りると、店主の兵頭さんが出てこられてお話することができました。大変お忙しい中厨房から出てこられてお話しさせていただきました。感謝です。
お話によると、やはり石臼はこだわられていて、このそば粉を挽くために作成依頼したものだそうです。また、こちらは私の「カン」が外れましたが、このそばは、水で打っているそうです。凄い方です。
また今度、ゆっくりお話しできそうな時間帯にうかがって、いろいろと教えていただきたいなと思いました。
仙台市都心部の南西、広瀬川の蛇行部に挟まれた経ケ峯にある伊達政宗を祀る霊廟である瑞鳳殿の東側に鹿落坂(ししおちざか)があります。霊屋下から太白区向山にまたがる坂道です。この坂の東には広瀬川、西には経が峯があるともいえます。この坂を霊屋下から登り切った右手に今日伺った鹿落堂(ししおちどう)があります。崖に張り付くように建つガラス張りの素敵なお店です。斜め向かいには、中華で有名なKUROMORIがあります。
暖簾もモダンで、店内も素敵なカウンター席があり、眼下には広瀬川の蛇行が良く見えます。店に入ると左手に手作りの日用品が並んでいて、正面はカウンター席とその奥にテーブル席。その左手には大きなそば打ち台があります。日用品の置かれた脇を二階へ上がると、そこにもカウンター席とテーブル席があります。デザイン性の高い店内で、このように洗練したデザインの中に居るのは、大変気持ちが良いです。
わたしは、この二階のテーブル席につきました。
メニューを見ると、十割蕎麦御膳、二八蕎麦御膳、板そば、かも南蛮蕎麦などが並んでいます。自家製粉手打ち十割挽きぐるみ蕎麦御膳は、「鳴子川渡産、鬼首産の信濃1号、キタワセの玄そばを宮城の安山岩の石臼で粗挽きし、一番外の殻だけを取り除き細打ちしております。」とあります。また、手打ち二八蕎麦御膳は、「北海道産ぼたん、山形産常陸秋そば、でわかおり、もがみわせ、宮城県産あやめの品種を外殻を取り除きマル抜きにした物を石臼挽きしたそば粉に、北海道産キタノカオリの小麦粉を二割加えて手打ちしております。」と記載されています。
このメニューを見て、期待が増してきました。このこだわりは、期待できます。そばの産地、品種、管理方法、製粉とこれらが変わるとそばが変わります。色々とソバも探されているのだろうなと思います。原産地がこれだけ広いというのは、探し続けているのだろうと思えます。また、石臼の原石の品種にもこだわりがありそうです。
私は、自家製粉手打ち十割挽きぐるみ蕎麦御膳という最も長いネーミングをお願いしました。待っている間に、店に展示されている手作り日用品を拝見しました。素朴で日々使いの日用品が並んでいます。また、レジの脇には、和菓子のテークアウトが置いてあります。くずもち、変わり種の小さなおはぎなどが。
このお店は、昼から15時まではそばを提供していますが、15時以降は、喫茶と甘味処としてお店を開いています。今日は時間が無いので、甘味処がオープンするまでは待てないので、変わりだねのおはぎ2個(1個は小豆、もう一つはクルミピーカンナッツです)を、テークアウトで予約です。実は、帰る頃には売り切れだったので、この判断は正解でした。後でいただいたのですが、クルミピーカンナッツは美味しかったです。ナッツ好きにはお薦めです??小豆は甘さを抑えた美味しいおはぎです。
帰宅後いただきました |
福島県喜多方の山都町宮古地区のそばが、玄そばをドラムで挽きぐるみして、歩留まり60%での製粉ですので、微粉を基礎に外皮が少しだけ入るので、透明感があり、小さな黒点と、コリコリとした食感があります。
これを基に考えてみました。石臼挽きですので歩留まりを下げて微粉を加えて透明感をだしています。また、コリコリ感は抑えているので微粉の量は減らしてします。挽きぐるみなので少々の小さな黒点がありという所は一緒です。ここに粗挽き粉の量を増やすというブレンド配分をしたような粉でできていると感じました。この最後の点が、大変効いていてオリジナルで美味しいそばをつくりあげています。水回しはもしかすると湯ごねかもしれないと感じました。
超お薦めのそばを提供されるお店です。
私がこれまでにこのそばは凄いなと感じた蕎麦は、平泉の地水庵さんの古典(超粗挽きそば)、前述の山都宮古地区大下さんのそばの二つです。この二つのそばは、そば粉の性質として全く反対のそば粉の性質を活かしたもので、全く異なるそばですがどちらも美味しいそばです。クリエーティブなそばという点でも大変興味深いそばです。この二つのそばに類似した美味しいそばはいくつかあります。この二つの両極端のそばに、三番目に新たに、鹿落堂さんの長いネーミングの「自家製粉手打ち十割挽きぐるみ蕎麦」が加わりました。最初の二つのそばとは趣を変えた美味しいそばを提供されます。そうです、今気づきました。「最初の二つのそばの真ん中を行くようなそば。」「二つの良いとこどりをしたそば。」とでもいうのが良いのかな???
食事を終えて階下に降りると、店主の兵頭さんが出てこられてお話することができました。大変お忙しい中厨房から出てこられてお話しさせていただきました。感謝です。
お話によると、やはり石臼はこだわられていて、このそば粉を挽くために作成依頼したものだそうです。また、こちらは私の「カン」が外れましたが、このそばは、水で打っているそうです。凄い方です。
また今度、ゆっくりお話しできそうな時間帯にうかがって、いろいろと教えていただきたいなと思いました。
2017年11月28日火曜日
そば打ち記録(71)石臼手挽自家製粉の超々粗挽き粉で生粉打ち
石臼が我が家に届き、2週間以上が経ちました。
掃除をして使い始めるまでに時間がかかってしましましたが、やっときれいに手入れして初使用を試みました。
石臼掃除は、石臼の上のうすと下のうすをつなぐ金具の錆が、石についておりこれを除去するのに苦労しました。洗剤たわしのコンビはあえなく敗退。車の汚れ落としに使われ最近はやりの水のジェット噴射器も敗退。さび落とし専用の洗剤を用いて少し取れました。少し取れる程度ですが、使用できるレベルになりました。
ソバは、音威子府の加藤農産の新そば丸抜き(真空パック詰め)を500gだけ用いて、初めての石臼挽きに挑戦です。上石臼の口から少しずつそばを入れながら、時計の反対回しに回すと少しずつ粉が溢れてきます。上の口からたくさんのソバを入れると、挽かれる前にそばが飛び出てきます。入れるそば量と、回す回転速度で調整してそばの粉砕粒度が変わることが手に取るようにわかります。これは面白いです。500gを挽き終わり、20メッシュで篩うと、全く粉砕されていない丸抜きもありました。これをもう一度挽くという手もあるのでしょうが、このままでそばを打つことにチャレンジです。
この粗さだと、ほとんどが粒状なので水ではつなぐことが不可能と判断し、一番粉に含まれるデンプンのα化の力でつなぐことにしました。
粉500g(全く捨てていないので、無部類状態で全量を使用です)にお湯を250ml加えて、1分弱の撹拌で直ぐにくくり耳たぶの柔らかさに捏ね上げです。前回記載の山都宮古地区の大下さんのそば打ちの手法をより簡潔にした打ち方です。
このそばの塊を2つに分けて、静かにストレスをかけずに、割れないよう、回しのしでおおきな円状にのし上げました。切れることもなく、何とかつながっているという状況です。これを2回繰り返して、2つの円状にのしたものを重ねて二つ折りして切りました。
いっぽん一本は繋がっています。1本の端を持って持ち上げると途中で切れます。しかし、束のままで静かに扱えば切れずに「います」。佇んでいるようで、「います」という表現があいそうです。そのくらい切れやすいです。1本のそばを見ると、所々は白かったり緑だったり、オレンジ色だったりしてます。
これを茹でて切れなければ、蕎麦として食せるわけです。
茹でにも細心の注意を払い、全く触らずに、そのまま鍋に入れ何もせずに25秒。浮き上がり鍋の中で回り始めて9秒であげました。
切れていません。なんとか繋がっています。
これを試してもらった、娘の評価は、断然こちらのそばの方が美味しいという評価でした。そういう娘の隣の家内は、「好みだから、皆が美味しいとは思わないよ!?」と、超冷静なコメントです。でも、確かです。「食」は「嗜好」ですので。
私自身の評価は、すこしだけ粗挽き率を下げたほうが良いかなと思えました。あまりにも粗挽きなので、ソバの粒々(挽けていない塊)を感じすぎです。そばがきより粒々感を感じます。20メッシュで篩った後に残ったまだ粒状のソバをもう一度挽いた方が麺としてのそばを感じながら粗挽きの美味しさを楽しめるのかもしれないと感じています。
次回は、これらを踏まえて、再チャレンジです。
掃除をして使い始めるまでに時間がかかってしましましたが、やっときれいに手入れして初使用を試みました。
石臼掃除は、石臼の上のうすと下のうすをつなぐ金具の錆が、石についておりこれを除去するのに苦労しました。洗剤たわしのコンビはあえなく敗退。車の汚れ落としに使われ最近はやりの水のジェット噴射器も敗退。さび落とし専用の洗剤を用いて少し取れました。少し取れる程度ですが、使用できるレベルになりました。
結構大きな石臼です(直径26cm) |
この粗さだと、ほとんどが粒状なので水ではつなぐことが不可能と判断し、一番粉に含まれるデンプンのα化の力でつなぐことにしました。
粉500g(全く捨てていないので、無部類状態で全量を使用です)にお湯を250ml加えて、1分弱の撹拌で直ぐにくくり耳たぶの柔らかさに捏ね上げです。前回記載の山都宮古地区の大下さんのそば打ちの手法をより簡潔にした打ち方です。
このそばの塊を2つに分けて、静かにストレスをかけずに、割れないよう、回しのしでおおきな円状にのし上げました。切れることもなく、何とかつながっているという状況です。これを2回繰り返して、2つの円状にのしたものを重ねて二つ折りして切りました。
いっぽん一本は繋がっています。1本の端を持って持ち上げると途中で切れます。しかし、束のままで静かに扱えば切れずに「います」。佇んでいるようで、「います」という表現があいそうです。そのくらい切れやすいです。1本のそばを見ると、所々は白かったり緑だったり、オレンジ色だったりしてます。
これを茹でて切れなければ、蕎麦として食せるわけです。
茹でにも細心の注意を払い、全く触らずに、そのまま鍋に入れ何もせずに25秒。浮き上がり鍋の中で回り始めて9秒であげました。
切れていません。なんとか繋がっています。
これを試してもらった、娘の評価は、断然こちらのそばの方が美味しいという評価でした。そういう娘の隣の家内は、「好みだから、皆が美味しいとは思わないよ!?」と、超冷静なコメントです。でも、確かです。「食」は「嗜好」ですので。
私自身の評価は、すこしだけ粗挽き率を下げたほうが良いかなと思えました。あまりにも粗挽きなので、ソバの粒々(挽けていない塊)を感じすぎです。そばがきより粒々感を感じます。20メッシュで篩った後に残ったまだ粒状のソバをもう一度挽いた方が麺としてのそばを感じながら粗挽きの美味しさを楽しめるのかもしれないと感じています。
次回は、これらを踏まえて、再チャレンジです。
2017年11月11日土曜日
そば紀行(28) 想耕庵 山形県上山市
山形市の南側の上山市にある想耕庵さんに伺いました。
このお店も、雑誌が情報源で知りました。非常に趣のある所にあり、そばが美味しいという記事に興味を持ち、一度伺ってみたいと思っていたお店です。
上山市を流れる川とその側を走る電車が交差するところにお店があります。入口がわかりにくいですが、看板がったので曲がってみようと思い、そのまま進むとお店が突然現れます。旅館の隣のそば屋という情景でした。
店の看板がいくつかあり、その看板に誘われるように進むとお店の入り口にたどり着きます。実際には、そんなに長い道ではありませんが、大丈夫なのかな?という不安と一緒に進むので、長く感じます。
店の入り口の上には、写真のような板看板がありました。文字を書き込んだ看板や、書画が置いてあり、その回りにはレトロな家具や雑貨が並んでいます。昭和初期の生活道具に囲まれた席に案内されます。
元々は、旅館を営んでらしたそうですが、温泉が止まり旅館を絶たんでそばを初めて10年になるとのことでした。
メニューは、板そば(山形特有の板に載せたそば)、鴨または鶏せいろ、野菜天ぷら、にんにく揚げがあります。板そば大盛と野菜天ぷらをいただきました。
そばは、デワカオリを二八で打っているそうです。この時点で、えッ!!二八なのですか?という疑問が。そうか、雑誌には十割とは書いていなかったかもしれないと・・・。
出されたそばは、普通の二八の板そばでした。そば切りも結構雑で少し残念でありました。
このお店も、雑誌が情報源で知りました。非常に趣のある所にあり、そばが美味しいという記事に興味を持ち、一度伺ってみたいと思っていたお店です。
上山市を流れる川とその側を走る電車が交差するところにお店があります。入口がわかりにくいですが、看板がったので曲がってみようと思い、そのまま進むとお店が突然現れます。旅館の隣のそば屋という情景でした。
店の看板がいくつかあり、その看板に誘われるように進むとお店の入り口にたどり着きます。実際には、そんなに長い道ではありませんが、大丈夫なのかな?という不安と一緒に進むので、長く感じます。
店の入り口の上には、写真のような板看板がありました。文字を書き込んだ看板や、書画が置いてあり、その回りにはレトロな家具や雑貨が並んでいます。昭和初期の生活道具に囲まれた席に案内されます。
元々は、旅館を営んでらしたそうですが、温泉が止まり旅館を絶たんでそばを初めて10年になるとのことでした。
メニューは、板そば(山形特有の板に載せたそば)、鴨または鶏せいろ、野菜天ぷら、にんにく揚げがあります。板そば大盛と野菜天ぷらをいただきました。
そばは、デワカオリを二八で打っているそうです。この時点で、えッ!!二八なのですか?という疑問が。そうか、雑誌には十割とは書いていなかったかもしれないと・・・。
出されたそばは、普通の二八の板そばでした。そば切りも結構雑で少し残念でありました。
そば紀行(27) くま屋 山形県白鷹町
山形県の最上川沿いの小さな町の白鷹町に「くま屋」がありました。
白鷹町は、山形市の南西部にあり、ベニバナ栽培、アユが有名です。白鷹町で獲れる鮎は、相当長い距離の最上川を遡上することとなります。ここの鮎は「紅葉鮎(もみじあゆ)」と呼ばれ、大きくてお腹に赤い線が入っているのが特徴で、とても珍重されているそうです。
白鷹地区には、昔から各集落に一軒以上「そば屋」があり、たのまれた時や祝いの席などで腕を振るう蕎麦打ち名人がいたそうです。昭和の末から平成にかけて、白鷹地区に新たなそば屋がいくつか開店するようになり、それぞれの店主がそれぞれの味で楽しませてくれ、遠来からのお客様もクチコミで増えてきているそうです。私が伺ったくま屋さんも、雑誌での照会がその情報源でした。
白鷹地区のそばは、生粉打ち、細打ち、濃いタレが特徴ということになるそうです。最近では、「隠れ蕎麦屋の里」と呼ばれるようになったそうで、そば祭りも開催されているようです。
くま屋さんに着いたのが、11時を少し回ったところでした。秋の日差しがきれいな時で、店の前のカエデの紅葉と、緑とのコントラストがきれいです。
お店は、民家を改良しているそうです。店に入ると、左手にそば打ち台があります。今日もそばを打ったという痕跡を残しています。メニューは、モリそばと追加そばのみです。
ソバは、デワカオリを使用し、製粉は依頼しているそうです。そばを拝見すると、その色や麵の状態から、玄そばを挽きぐるみで、ほんの少しだけ粗目のそば粉も加えているように推察されます。
十割そば(生粉打ち)で打って、20年になるとのことでした。元は、リンゴを栽培されていたそうです。リンゴ栽培に関する表彰状が沢山ありました。
そばは、生粉打ちのザラットした喉越しとそばの香りを感じます。玄そば挽きぐるみですので、少しえぐみを感じますが、強力ではありません。少し、キレギレのそばや、切りぞろえに不揃いがあります。美味しいそばでした。
白鷹町は、山形市の南西部にあり、ベニバナ栽培、アユが有名です。白鷹町で獲れる鮎は、相当長い距離の最上川を遡上することとなります。ここの鮎は「紅葉鮎(もみじあゆ)」と呼ばれ、大きくてお腹に赤い線が入っているのが特徴で、とても珍重されているそうです。
白鷹地区には、昔から各集落に一軒以上「そば屋」があり、たのまれた時や祝いの席などで腕を振るう蕎麦打ち名人がいたそうです。昭和の末から平成にかけて、白鷹地区に新たなそば屋がいくつか開店するようになり、それぞれの店主がそれぞれの味で楽しませてくれ、遠来からのお客様もクチコミで増えてきているそうです。私が伺ったくま屋さんも、雑誌での照会がその情報源でした。
白鷹地区のそばは、生粉打ち、細打ち、濃いタレが特徴ということになるそうです。最近では、「隠れ蕎麦屋の里」と呼ばれるようになったそうで、そば祭りも開催されているようです。
くま屋さんに着いたのが、11時を少し回ったところでした。秋の日差しがきれいな時で、店の前のカエデの紅葉と、緑とのコントラストがきれいです。
お店は、民家を改良しているそうです。店に入ると、左手にそば打ち台があります。今日もそばを打ったという痕跡を残しています。メニューは、モリそばと追加そばのみです。
ソバは、デワカオリを使用し、製粉は依頼しているそうです。そばを拝見すると、その色や麵の状態から、玄そばを挽きぐるみで、ほんの少しだけ粗目のそば粉も加えているように推察されます。
十割そば(生粉打ち)で打って、20年になるとのことでした。元は、リンゴを栽培されていたそうです。リンゴ栽培に関する表彰状が沢山ありました。
そばは、生粉打ちのザラットした喉越しとそばの香りを感じます。玄そば挽きぐるみですので、少しえぐみを感じますが、強力ではありません。少し、キレギレのそばや、切りぞろえに不揃いがあります。美味しいそばでした。
2017年11月5日日曜日
そば打ち記録(70)山都町宮古地区大下さんから頂いたそば粉でそば打ち
先週末に伺った山都町宮古地区大下さんから頂戴した宮古地区在来種新そば粉でそばを打ちました。
大下さんから頂戴したそば粉は、超微粉ですので湯捏ねでのそば打ちです。
1kgの粉に対して500mlの沸騰した湯を加えて素早く水回しです。その時間30秒くらいでした。1分はかかっていません。その後すぐに捏ねながら粉を少しずつくくっていきます。段々とそば粉が温かさとともに大きな団子状になってきます。少し水が足りないのでこの段階で少しの水を足しました。その後、耳たぶの柔らかさになるまで捏ねながら硬さを調整します。ここまで、3分程度です。
最初に、固まったそば粉の塊を1つにして江戸流の丸出しにしてみようと始めましたが、回りの部分が割れます。このまま、丸出しを続けてもそばにはストレスになることを再確認しました。そこで、塊を3つに分けて、1つずつを丸にのしました。これを3回繰り返して3つの丸くのされたもの作ります。ここまで、9分です。
これを3枚重ねて、2つにおり半円形になったものをまな板に置き、いつもと同様に切りました。最初は短いそばになりますが、2つ目からは食べに窮しないそばの長さになります。切り終えて、18分ですので、超短い時間で1kgのそばが出来上がります。まだ、切り終えたそばには、最初に加えたお湯の温かさが残っています。
これらの水回しから切るまでの方法は、昨年大下さんを訪問した際に店主と奥様に無理を言って見学させていただいた宮古地区のそば打ちの方法です。これで、美味しいそばになるというお話は、そばに無駄なストレスをかけないで、そば粉をそばにする方法ということでした。長い時間をかけて昔から山奥(失礼な表現ですが、本当に山の中なのです。現在進行形で道路拡張工事をあちら事らでやられています。これが出来上がれば便利になりそうです。)で打たれてきたそば打ちの方法です。もちろん、この地域でのそば打ちの文化は、江戸でのそば打ちが確立する以前から打たれてきた方法ですので、その歴史から学ぶことは多いと改めて感じます。
この地域のそば打ちを知ることで、やはり、江戸流の水回しは時間の無駄をしていると思われますし、丸のしから四つだしという工程は、そばにとっては迷惑千万な方法ではないかと思います。生粉打ち(十割そば打ち)の江戸流でのそば打ちが難しい(難しいというより、商売には不向きという意味合いの方が大きかった。扱いが面倒なのでつなぎを入れて切れにくくし、打つ場所が狭いのでそれを考慮し、加えて、捨てるそばが少なくなるように効率を考えて自然と現在のような打ち方)と言われ、そばがつながり難いのは、無駄な力をそばに与えているのが一因とも考えられます。
札幌新川そばの会では、生粉の江戸流打ちに耐えうるそば粉(平均して歩留まり60%以下のそば粉になるように(粗びきが加わらない)メッシュで篩う)を用いるので、生粉打ちでもつながることは、付け加えておきます。
1分で水はそば粉に回るのです。これは論文にもその記載を見出すことができますので、水が粉に回るには1分もあれば十分なのです。その後に加える水は、塊にするためです。その時間が少しかかる粉(粗挽き等は、水もたくさん必要ですし時間もかかります)や、まったく必要のない粉(通常にそばを挽いて、60メッシュ以上で篩い歩留まり70%以上あるようであれば難しくない)まで色々です。
江戸流のそば打ちの手順でそばをきれいに打つということと、美味しいそばをいつも打つということは、目の前にあるそば粉をどう打てば美味しくできるかという視点で考えると、別物のように思えてきます。
とは言っても、江戸流のそば打ちでしっかりそばを打つということは、段位認定にはその型をしっかりできるようになることを求められている以上は、それも必要ですし、それを否定することもありません。
目の前のそば粉は、それを植え育てて、刈り取り、製粉するという沢山の苦労の上に存在しています。それを頂戴して、そばに製麺する作業だけを受け持っているのですから、よりおいしくして食べてあげたいなと改めて思いました。そのような思いに至ったのは、目の前のそば粉を育てた大下さんから直接頂戴したからかもしれません。感謝・感謝です。
茹でたそばは、数日前に宮古でいただいたそばと同じようなそばになりました。美味しく頂戴しました。
大下さんから頂戴したそば粉は、超微粉ですので湯捏ねでのそば打ちです。
1kgの粉に対して500mlの沸騰した湯を加えて素早く水回しです。その時間30秒くらいでした。1分はかかっていません。その後すぐに捏ねながら粉を少しずつくくっていきます。段々とそば粉が温かさとともに大きな団子状になってきます。少し水が足りないのでこの段階で少しの水を足しました。その後、耳たぶの柔らかさになるまで捏ねながら硬さを調整します。ここまで、3分程度です。
最初に、固まったそば粉の塊を1つにして江戸流の丸出しにしてみようと始めましたが、回りの部分が割れます。このまま、丸出しを続けてもそばにはストレスになることを再確認しました。そこで、塊を3つに分けて、1つずつを丸にのしました。これを3回繰り返して3つの丸くのされたもの作ります。ここまで、9分です。
これを3枚重ねて、2つにおり半円形になったものをまな板に置き、いつもと同様に切りました。最初は短いそばになりますが、2つ目からは食べに窮しないそばの長さになります。切り終えて、18分ですので、超短い時間で1kgのそばが出来上がります。まだ、切り終えたそばには、最初に加えたお湯の温かさが残っています。
これらの水回しから切るまでの方法は、昨年大下さんを訪問した際に店主と奥様に無理を言って見学させていただいた宮古地区のそば打ちの方法です。これで、美味しいそばになるというお話は、そばに無駄なストレスをかけないで、そば粉をそばにする方法ということでした。長い時間をかけて昔から山奥(失礼な表現ですが、本当に山の中なのです。現在進行形で道路拡張工事をあちら事らでやられています。これが出来上がれば便利になりそうです。)で打たれてきたそば打ちの方法です。もちろん、この地域でのそば打ちの文化は、江戸でのそば打ちが確立する以前から打たれてきた方法ですので、その歴史から学ぶことは多いと改めて感じます。
この地域のそば打ちを知ることで、やはり、江戸流の水回しは時間の無駄をしていると思われますし、丸のしから四つだしという工程は、そばにとっては迷惑千万な方法ではないかと思います。生粉打ち(十割そば打ち)の江戸流でのそば打ちが難しい(難しいというより、商売には不向きという意味合いの方が大きかった。扱いが面倒なのでつなぎを入れて切れにくくし、打つ場所が狭いのでそれを考慮し、加えて、捨てるそばが少なくなるように効率を考えて自然と現在のような打ち方)と言われ、そばがつながり難いのは、無駄な力をそばに与えているのが一因とも考えられます。
札幌新川そばの会では、生粉の江戸流打ちに耐えうるそば粉(平均して歩留まり60%以下のそば粉になるように(粗びきが加わらない)メッシュで篩う)を用いるので、生粉打ちでもつながることは、付け加えておきます。
1分で水はそば粉に回るのです。これは論文にもその記載を見出すことができますので、水が粉に回るには1分もあれば十分なのです。その後に加える水は、塊にするためです。その時間が少しかかる粉(粗挽き等は、水もたくさん必要ですし時間もかかります)や、まったく必要のない粉(通常にそばを挽いて、60メッシュ以上で篩い歩留まり70%以上あるようであれば難しくない)まで色々です。
江戸流のそば打ちの手順でそばをきれいに打つということと、美味しいそばをいつも打つということは、目の前にあるそば粉をどう打てば美味しくできるかという視点で考えると、別物のように思えてきます。
とは言っても、江戸流のそば打ちでしっかりそばを打つということは、段位認定にはその型をしっかりできるようになることを求められている以上は、それも必要ですし、それを否定することもありません。
目の前のそば粉は、それを植え育てて、刈り取り、製粉するという沢山の苦労の上に存在しています。それを頂戴して、そばに製麺する作業だけを受け持っているのですから、よりおいしくして食べてあげたいなと改めて思いました。そのような思いに至ったのは、目の前のそば粉を育てた大下さんから直接頂戴したからかもしれません。感謝・感謝です。
茹でたそばは、数日前に宮古でいただいたそばと同じようなそばになりました。美味しく頂戴しました。
![]() |
ちゃんとつながり、そばになりました。 |
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数日前にいただいたそばと一緒です。 |
2017年11月4日土曜日
そば紀行(26) 大下 山都町宮古地区
今年も会津の喜多方市山都町宮古地区の大下さんへ新そばをいただきに伺いました。
今年のソバは昨年より収量が少なく、あまりよくないようです。東北地区は長雨があり、日照時間も例年になく少なかったのが原因であろうとのことです。
今年は、お隣のソバ畑も一緒に手入れしたそうです。この地域でも高齢化と過疎化が進み、ソバ栽培する農家が減ってきているそうです。今回一緒に手入れしたソバ畑の持ち主も高齢で、畑の世話ができなくなったことが原因だそうです。
一方で、在来種のそば粉を求める人は増えてきているそうで、山都と喜多方の間に店を出されたおそば屋さんからも、在来種そば粉をどうしても分けてほしいという話があるそうです。大下さんは、この地区でそば店をやりながらそば栽培している数少ない(確か3軒しかない)お店ですが、お店の方は大きくやっているわけではないので、収量の範囲でそば店をやることができているそうです。現時点では、在来種のそばを求められれば、在来種でそばを提供できているそうです。それも、現在の状況が精いっぱいで、これ以上店を広げるとそば粉が足りなくなるようでした。
山都地区のそばは、そば粉の製粉が独特で、ドラムで微細に玄そばを挽いて、歩留まりを60%程度で篩掛けするので、相当に微細の粉に玄そばの非常に小さな黒い星が少しだけ入る粉になっています。簡単なイメージとしては、更科系のそば粉に玄そば挽きぐるみの微粉のみを加えたような配分になっているのだと思います。一般的に、玄そばの挽きぐるみは、田舎そばと呼ばれ場合が多く、玄そばの黒さが目立つそばになりますが、この地区の製粉は、一般的な田舎そばにはならずに、上記のような更科+玄そば挽きぐるみの微粉のみというようなイメージですので、まったく異なるそば粉です。この地区と同じような製粉をしているのは、これまで伺ったそば屋さんでは山形県のそば切り源四郎さんです。
そば粉の性質から、水でのつなぎは厳しく、デンプンの固化を用いてつなぐ湯捏ねが主流です。
数年前から、大下さんからそば粉を分けえもらい、水で何度か挑戦しましたが、水でつなぐには相当の量の水を加えて、少しそのまま置いて、水がそば粉内に吸収されてからのすという方法でつながりました。しかし、やはり非常に切れやすいので、茹でる際には相当に気を使わないとバラバラになります。一方、前回訪問時に打ち方を見せていただいたような湯捏ねで四つだししない方法であれば、十分つながったそばとしていただくことができます。
今年は、製粉されたそば粉に加えて、玄そばも分けていただきました。この在来種の玄そばを1年間冷温で熟成させて石臼で自家製紛して試してみたいと無理を言って分けてもらいました。感謝、感謝です。来年には、どんな味になったかを報告しに行きます。
今年のソバは昨年より収量が少なく、あまりよくないようです。東北地区は長雨があり、日照時間も例年になく少なかったのが原因であろうとのことです。
今年は、お隣のソバ畑も一緒に手入れしたそうです。この地域でも高齢化と過疎化が進み、ソバ栽培する農家が減ってきているそうです。今回一緒に手入れしたソバ畑の持ち主も高齢で、畑の世話ができなくなったことが原因だそうです。
一方で、在来種のそば粉を求める人は増えてきているそうで、山都と喜多方の間に店を出されたおそば屋さんからも、在来種そば粉をどうしても分けてほしいという話があるそうです。大下さんは、この地区でそば店をやりながらそば栽培している数少ない(確か3軒しかない)お店ですが、お店の方は大きくやっているわけではないので、収量の範囲でそば店をやることができているそうです。現時点では、在来種のそばを求められれば、在来種でそばを提供できているそうです。それも、現在の状況が精いっぱいで、これ以上店を広げるとそば粉が足りなくなるようでした。
山都地区のそばは、そば粉の製粉が独特で、ドラムで微細に玄そばを挽いて、歩留まりを60%程度で篩掛けするので、相当に微細の粉に玄そばの非常に小さな黒い星が少しだけ入る粉になっています。簡単なイメージとしては、更科系のそば粉に玄そば挽きぐるみの微粉のみを加えたような配分になっているのだと思います。一般的に、玄そばの挽きぐるみは、田舎そばと呼ばれ場合が多く、玄そばの黒さが目立つそばになりますが、この地区の製粉は、一般的な田舎そばにはならずに、上記のような更科+玄そば挽きぐるみの微粉のみというようなイメージですので、まったく異なるそば粉です。この地区と同じような製粉をしているのは、これまで伺ったそば屋さんでは山形県のそば切り源四郎さんです。
そば粉の性質から、水でのつなぎは厳しく、デンプンの固化を用いてつなぐ湯捏ねが主流です。
数年前から、大下さんからそば粉を分けえもらい、水で何度か挑戦しましたが、水でつなぐには相当の量の水を加えて、少しそのまま置いて、水がそば粉内に吸収されてからのすという方法でつながりました。しかし、やはり非常に切れやすいので、茹でる際には相当に気を使わないとバラバラになります。一方、前回訪問時に打ち方を見せていただいたような湯捏ねで四つだししない方法であれば、十分つながったそばとしていただくことができます。
今年は、製粉されたそば粉に加えて、玄そばも分けていただきました。この在来種の玄そばを1年間冷温で熟成させて石臼で自家製紛して試してみたいと無理を言って分けてもらいました。感謝、感謝です。来年には、どんな味になったかを報告しに行きます。
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そばができるまでに 手作り刺身こんにゃく美味しいです |
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透明感のあるそば |
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二皿目は天ぷらを出してくださりました |
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2玉もペロリでした |
2017年7月16日日曜日
そば打ち記録(69) 超粗挽きそば 生粉打ち
7月15日(土)
2回目の粗びき粉をブレンドしたそば粉での生粉打ち挑戦です。
前日に、音威子府産キタワセ200gをすり鉢ですりました。同じそば粉の石臼微粉挽きで60メッシュ篩のそば粉を400gとすり鉢粗挽き粉200gで水を300ml用いて打ちました。
丸のしで、四角にせずにそのまま切ります。
前回同様、何とか麵がつながりました。しかし、本当に切れやすいです。茹でて、ぬめりをとるために静かに回すと、そこで切れます。結局6cmくらいになってしまいます。
平泉の地水庵さんの古典は、超粗挽きの生粉打ちそばですが、古典蕎麦の注意として、古典は切れます。と注意書きがあるほどですので、やはり、相当に切れやすいのです。
超粗挽き粉のそばが切れやすいのと同様に、更科生粉打ちそばを水で煉るそばも非常に切れやすく、そばを打つことから提供するまで細心の注意が必要であると、片倉康雄氏の著書や、大西利光氏の著書に記載があります。
地水庵さんと同じそば粉を用いて、超粗挽き粉でのそばを提供する、真狩のいし豆さん、小樽の木村さん、札幌の此の花さんともに、外一でつなぎを用いています。一方、南木曽の時香忘では超粗挽き粉にオヤマボクチを用いています。
つなぎを用いて、一定の長さのそばが良いのか、多少切れても生粉打ちそばがよいのか、まだ結論が出ていません。今度は、同じ条件で外一、生粉打ちとを同時に試していないといけません。また、湯ごねであるとどうなるのかも確認する必要があります。
2回目の粗びき粉をブレンドしたそば粉での生粉打ち挑戦です。
前日に、音威子府産キタワセ200gをすり鉢ですりました。同じそば粉の石臼微粉挽きで60メッシュ篩のそば粉を400gとすり鉢粗挽き粉200gで水を300ml用いて打ちました。
丸のしで、四角にせずにそのまま切ります。
前回同様、何とか麵がつながりました。しかし、本当に切れやすいです。茹でて、ぬめりをとるために静かに回すと、そこで切れます。結局6cmくらいになってしまいます。
平泉の地水庵さんの古典は、超粗挽きの生粉打ちそばですが、古典蕎麦の注意として、古典は切れます。と注意書きがあるほどですので、やはり、相当に切れやすいのです。
超粗挽き粉のそばが切れやすいのと同様に、更科生粉打ちそばを水で煉るそばも非常に切れやすく、そばを打つことから提供するまで細心の注意が必要であると、片倉康雄氏の著書や、大西利光氏の著書に記載があります。
地水庵さんと同じそば粉を用いて、超粗挽き粉でのそばを提供する、真狩のいし豆さん、小樽の木村さん、札幌の此の花さんともに、外一でつなぎを用いています。一方、南木曽の時香忘では超粗挽き粉にオヤマボクチを用いています。
つなぎを用いて、一定の長さのそばが良いのか、多少切れても生粉打ちそばがよいのか、まだ結論が出ていません。今度は、同じ条件で外一、生粉打ちとを同時に試していないといけません。また、湯ごねであるとどうなるのかも確認する必要があります。
2017年6月18日日曜日
そば打ち記録(68) 超粗びき粉のそば (美味しい)
2017年6月17日(土)
気温:23℃
天候:晴れ
昨夜、帰宅後に音威子府のキタワセ丸抜きをすり鉢で擂り、粗びき粉を造りました。
丸抜き粗びき粉を40%、石臼微粉挽き60%でブレンドし、生粉打ちにチャレンジです。
石臼が無いので、コーヒーミルも考えましたが、コーヒーの香りが強くこれを用いるとコーヒーの香りになってしまうので使いえないことがわかりました。それならと、すり鉢でコツコツとつぶしていくことに。
200gですが、結構時間がかかります。腕が痛くなるまでではありませんが、女性では大変かなというくらいの疲労度です。全ての粒がつぶれるようにゆっくりと潰していくしかありません。出来上がった、超粗挽きそば粉です。
気温:23℃
天候:晴れ
昨夜、帰宅後に音威子府のキタワセ丸抜きをすり鉢で擂り、粗びき粉を造りました。
丸抜き粗びき粉を40%、石臼微粉挽き60%でブレンドし、生粉打ちにチャレンジです。
石臼が無いので、コーヒーミルも考えましたが、コーヒーの香りが強くこれを用いるとコーヒーの香りになってしまうので使いえないことがわかりました。それならと、すり鉢でコツコツとつぶしていくことに。
200gですが、結構時間がかかります。腕が痛くなるまでではありませんが、女性では大変かなというくらいの疲労度です。全ての粒がつぶれるようにゆっくりと潰していくしかありません。出来上がった、超粗挽きそば粉です。
すり鉢すり潰し無篩の超粗挽き粉200g、微粉粉(60メッシュ篩)300g
加水量:250ml
打ち粉:共粉
無篩粉が入るのでどの程度加水すればよいかわからず、1回目の加水を200mlにて水回し開始。
結構まとまってくるので、50ml加水しまとめに入る。
良い感じの硬さでまとまりました。
これを、2つの玉に分けて、1つずつ丸のし。丸のし後に半円で重ねました。これをそのまま切りそば麵に。
なんとか麵になっています。これを、今夜茹でていただきました。
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超粗挽き粉を40%ブレンドしたそば粉 |
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何とか茹で上がりました |
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麵拡大 粒ツブが見えます |
超粗挽き粉を加えたそばは、そば粉そのものの味が出るので、ソバ自体が美味しくないとそば麵も美味しくなくなるそばだということがよくわかりました。
"そばがき"がそば粉そのものを味わう方法として良いと言われます。そば粉をお湯で捏ねるだけですので、そばの味をそのまま感じることができます。それに近いのが超粗挽き粉をブレンドした“そば麵”だということのようです。
そば麺は、少し切れやすいですが、ボロボロになるというほどではありません。しかし、微粉挽きの十割そばのような繋がりにはなりませんでした。水でここまでつながれば善しとするという手もあります。しかし、より良いそばにするために、もう少しつながりの良い超粗挽きそばにするための水回し方法や、捏ね方や寝かす時間等について研究したいと思います。
また、十割でなく、少量の小麦粉を用いてつなぐ、あるいは、オヤマボクチでつなぐ等を試みてみて、十割とつなぎを用いたそばとの比較検討も行っていきたいと思います。そのためにも、石臼を手に入れたいですね。すり鉢には限界がありそうです。時間がかかりすぎます・・・。。。
今回の超粗挽き粉のそばは、地水庵、いし豆、小樽のきむらでいただいた、黒松内産の奈川在来種のソバによるそばと比べると、少し穀物臭が強いそばになったと感じます。これは、ソバ自体が持つ香りの違いなのではないかと考えられます。
超粗挽き粉をブレンドしたそばは、微粉挽きのみでいただくそばとは全く別物です。これまでに味わったことが無いような美味しさです。私は、地水庵の超粗挽き粉のそばを頂きそのそばの美味しさを知ってから、それまでの2年間に渡り毎日食べてきた自身で打ったそばを、全く食べなくなったのでした。食べななったというより、食べたくなくなったと言う方が正しいのです。そのくらいの、そばの美味しさへのパラダイムシフトを起こした事件でした。今日は、そのような超粗挽きそばを、自身で打つことができた記念すべき日であります。
超粗挽き粉のそばは、その原料となるソバ自体の味や香りに左右されるようです。そうなると、一層美味しいそばを頂くには、より良いソバを求めるようにならざるを得なように思います。そして、より良いソバという植物を求めることに繋がるのではないかと思われます。
そう考えると、地水庵さんなどが言われる、そばの味を決めるのはソバそのものだというお話がスーット入ってきます。
次回は微粉挽きを加えないで、すり鉢で潰して無篩の超粗挽き粉だけで、生粉打ちにてそばにしてみようとおもいます。
2017年6月13日火曜日
そば打ち記録(67) 試食そばを打ちました
2017年6月10日(土)
天候:雨のち曇り
気温:15度
札幌新川そばの会にてそば打ちでした。
本日は、札幌新川そばの会のお花見会が午後から企画されているので、多くの練習予定ではありません。
2回の練習予定で参加しましたが、試食用のそばを依頼されたので、試食用そばと練習の2回でした。
試食用のそば打ちは、真剣さが増すので練習に良い影響を与えてくれます。食される皆さんのそばに対する評価が厳しいので為になります。
本日の試食用は、1.2kgでした。加水量は480mlでした。
2回目の練習は、上砂川の生粉打ち名人戦の練習粉が最後1回分残っているのでそれで練習です。こちらは、5週間連続でチャレンジしていますが、まだ、完璧に打てていません。水が多く入るので、麺体が柔らかく扱いに閉口しています。このような粉に対してどのような手順で水を加えてくと、麺体が柔らかくならずに水回しができるのかの回答を得ぬまま、最後の練習粉になってしまいました。4段試験用の粉がこんな粉だというお話なので、そのような粉を確保し、継続してチャレンジしてみたいと思います。
札幌新川そばの会のお花見は、会員の1品料理がたくさん集まり大盛況でした。毎回、会員の料理は美味しいです。
天候:雨のち曇り
気温:15度
札幌新川そばの会にてそば打ちでした。
本日は、札幌新川そばの会のお花見会が午後から企画されているので、多くの練習予定ではありません。
2回の練習予定で参加しましたが、試食用のそばを依頼されたので、試食用そばと練習の2回でした。
試食用のそば打ちは、真剣さが増すので練習に良い影響を与えてくれます。食される皆さんのそばに対する評価が厳しいので為になります。
本日の試食用は、1.2kgでした。加水量は480mlでした。
2回目の練習は、上砂川の生粉打ち名人戦の練習粉が最後1回分残っているのでそれで練習です。こちらは、5週間連続でチャレンジしていますが、まだ、完璧に打てていません。水が多く入るので、麺体が柔らかく扱いに閉口しています。このような粉に対してどのような手順で水を加えてくと、麺体が柔らかくならずに水回しができるのかの回答を得ぬまま、最後の練習粉になってしまいました。4段試験用の粉がこんな粉だというお話なので、そのような粉を確保し、継続してチャレンジしてみたいと思います。
札幌新川そばの会のお花見は、会員の1品料理がたくさん集まり大盛況でした。毎回、会員の料理は美味しいです。
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試食用そば |
2017年6月3日土曜日
(記録)つゆ造り(10) 辛つゆ
6月3日 辛つゆを造りました。2017年そば汁造り 何と!! 今年初です。
今年に入り、自分で打ったそばを食べなかったために汁が必要なかったのですが、5月末からまたそばを食べるようになり、本日つゆを造りました。
今年になり自身で打ったそばを食べなかった理由は二つでした。一つは、お正月にいただいた「餅」がなくならず、これを先に片付けようとしていたこと。二つ目は、地水庵でいただいたそばに衝撃を受け、自身の打つそばを美味しいと思えなくなったことです。
ところが、餅はなくなり、地水庵のそばの味も舌が忘れてきているので、5月末から自身が打ったそばを食べ始めたのでした。すると、やはり、つゆも重要ですので昨年研究してきたつゆ造りの復習もかねて次のような手順で挑戦しました。
<材料>
利尻昆布1級品 28g
本枯節 100g
宗田節 50g
むろあじ 50g
鯖節 50g
にてだしをひきました。
<だしのひきかた>
①利尻昆布を水に2時間つけます。
②①を加熱し60℃に保ち1時間煮だします。(ここまで、京都瓢亭の昆布だしのひきかたを踏襲)
③昆布を取り出し沸騰させます。
④沸騰後に本枯節他を投入します。
⑤沸騰を保ち1時間煮だします。
⑥火を止め濾します。
<つゆの作り方>
①だしに対して、別途作り置きの返しを1/3加えます。
②95℃まで加熱し火を止めて終了です。
良いつゆができました。
久しぶりに大成功で、美味しいつゆです。
今年に入り、自分で打ったそばを食べなかったために汁が必要なかったのですが、5月末からまたそばを食べるようになり、本日つゆを造りました。
今年になり自身で打ったそばを食べなかった理由は二つでした。一つは、お正月にいただいた「餅」がなくならず、これを先に片付けようとしていたこと。二つ目は、地水庵でいただいたそばに衝撃を受け、自身の打つそばを美味しいと思えなくなったことです。
ところが、餅はなくなり、地水庵のそばの味も舌が忘れてきているので、5月末から自身が打ったそばを食べ始めたのでした。すると、やはり、つゆも重要ですので昨年研究してきたつゆ造りの復習もかねて次のような手順で挑戦しました。
<材料>
利尻昆布1級品 28g
本枯節 100g
宗田節 50g
むろあじ 50g
鯖節 50g
にてだしをひきました。
<だしのひきかた>
①利尻昆布を水に2時間つけます。
②①を加熱し60℃に保ち1時間煮だします。(ここまで、京都瓢亭の昆布だしのひきかたを踏襲)
③昆布を取り出し沸騰させます。
④沸騰後に本枯節他を投入します。
⑤沸騰を保ち1時間煮だします。
⑥火を止め濾します。
<つゆの作り方>
①だしに対して、別途作り置きの返しを1/3加えます。
②95℃まで加熱し火を止めて終了です。
良いつゆができました。
久しぶりに大成功で、美味しいつゆです。
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節を加熱中 |
2017年5月28日日曜日
そば紀行(25)手打ち蕎麦 きむら 小樽
小樽市の「手打ち蕎麦 きむら」さんへ伺いました。
札幌から向かうと小樽の港を過ぎ、「オタモイ」という海岸を示す方の住宅街の中にあります。住宅街の中の一軒家で、お店の向かいに駐車場があります。
「きむらさん」も、岩手県平泉の地水庵さんからご紹介いただいた、美味しいそばを提供してくださるお店です。
また、先日発表のミシュランの『ビブグルマン』に掲載されたお店です。
伺う数日前に電話で連絡させていただき、今日の午後のお店の終わりころにということで、14時に伺いました。
お店の中に入ると正面にそばの打ち代があります。打ち代の上には大きくて素敵なそば打ちの鉢が置いてあります。あまり見かけない素敵な鉢です。その隣に大きな石臼が鎮座しているのが見えます。店内は、アンティークで統一されています。古いタンスや鉄器があり、古い掛け時計がチクタクと動いています。また、電動石臼も場所を取って、その中に存在しており、やはり、おそば屋さんだと気づかせます。
そばは、やはり黒松内の落合さんの奈川在来種を用いています。手回しの石臼で粗挽き粉を挽き、電動石臼機で微粉粉を挽いてブレンドしているそうです。先日訪問した真狩の「いし豆」さんと同様の方法をとられているそうです。
そばがきは、手引きの石臼挽きの粗びき粉のみを用いているそうです。麵は、粗びき粉と微粉挽き粉をブレンドし、外一でつないでそばにしているそうです。
今日は、最初に「そばがき」をお願いし、その後に「せいろ」をお願いしました。実は、これでは終わらず、最後に温かい「かしわ蕎麦」もお願いし3食でした。食べすぎです。
そばがきは、ほんのり焼き目つきで大変そばを感じさせるそばがきです。何もつけずにいただきました。そばの香りと甘みが美味しいです。せいろは、細めの麵でしっかりとした、大変美味しいそばでした。量は普通のそばより少し多めです。そば湯は、茹で汁ではなくそば湯用に作っており、これも美味しいそば湯でした。
「かしわ蕎麦」の麵は、しっかりとしたそば麵でした。結構めん汁の温度を上げてられますが、麵は柔らかすぎずに丁度良い硬さを保ったまま提供されます。これも、大変美味しいそばです。
最後にいただいた、「かしわ蕎麦」は温かい麵にした時に、この粗びきそばがどうなるのかを確認してみたかったからです。いし豆さんへは大勢でうかがったので、そばがきとせいろの後に、もう一杯を追加でお願いするタイミングを躊躇しました。今日は、粗びきそばを温かくしていただくとどうなるのかと、興味津々でお願いしてみました。
生粉打ちでこの細さのそばは、温かいそばにするとトロトロになり、あまり美味しくいただくことができません。そのために、少し太くすればと思いますが、麵が太くなってもあまり変わりません。これを丁度良い硬さで食べようとすると、最初の茹で時間で調整し6秒から10秒で茹でて水でしめて、再度温めて食します。それでも、最初は良いのですが、中盤あたりから「軟かかすぎに変身」するので、最後まで美味しくいただくのは至難の業です。
きむらさんで提供される、かしわ蕎麦は、最後まで美味しくいただくことができました。これは、外一にされているが故なのだと感じました。
その後に、色々なお話をさせていただきました。
小樽の町から少し外れた住宅街ですので、商売には向かない場所だと思いますが、地道に美味しいそばを提供するお店として、最近よく耳にするおそば屋さんです。
やはり、少しずつ美味しいそばを求めて、そばの産地、そばの農家さん、そばの挽き方、ブレンド方法等々を検討し変更してきた過程がよくわかりました。まだまだ、この先も進化するのではと思います。近いうちに、並んでも食べられないおそばになるのかもしれません。
お時間をとって下さり、ありがとうございました。
札幌から向かうと小樽の港を過ぎ、「オタモイ」という海岸を示す方の住宅街の中にあります。住宅街の中の一軒家で、お店の向かいに駐車場があります。
「きむらさん」も、岩手県平泉の地水庵さんからご紹介いただいた、美味しいそばを提供してくださるお店です。
また、先日発表のミシュランの『ビブグルマン』に掲載されたお店です。
伺う数日前に電話で連絡させていただき、今日の午後のお店の終わりころにということで、14時に伺いました。
お店の中に入ると正面にそばの打ち代があります。打ち代の上には大きくて素敵なそば打ちの鉢が置いてあります。あまり見かけない素敵な鉢です。その隣に大きな石臼が鎮座しているのが見えます。店内は、アンティークで統一されています。古いタンスや鉄器があり、古い掛け時計がチクタクと動いています。また、電動石臼も場所を取って、その中に存在しており、やはり、おそば屋さんだと気づかせます。
そばは、やはり黒松内の落合さんの奈川在来種を用いています。手回しの石臼で粗挽き粉を挽き、電動石臼機で微粉粉を挽いてブレンドしているそうです。先日訪問した真狩の「いし豆」さんと同様の方法をとられているそうです。
そばがきは、手引きの石臼挽きの粗びき粉のみを用いているそうです。麵は、粗びき粉と微粉挽き粉をブレンドし、外一でつないでそばにしているそうです。
今日は、最初に「そばがき」をお願いし、その後に「せいろ」をお願いしました。実は、これでは終わらず、最後に温かい「かしわ蕎麦」もお願いし3食でした。食べすぎです。
そばがきは、ほんのり焼き目つきで大変そばを感じさせるそばがきです。何もつけずにいただきました。そばの香りと甘みが美味しいです。せいろは、細めの麵でしっかりとした、大変美味しいそばでした。量は普通のそばより少し多めです。そば湯は、茹で汁ではなくそば湯用に作っており、これも美味しいそば湯でした。
「かしわ蕎麦」の麵は、しっかりとしたそば麵でした。結構めん汁の温度を上げてられますが、麵は柔らかすぎずに丁度良い硬さを保ったまま提供されます。これも、大変美味しいそばです。
最後にいただいた、「かしわ蕎麦」は温かい麵にした時に、この粗びきそばがどうなるのかを確認してみたかったからです。いし豆さんへは大勢でうかがったので、そばがきとせいろの後に、もう一杯を追加でお願いするタイミングを躊躇しました。今日は、粗びきそばを温かくしていただくとどうなるのかと、興味津々でお願いしてみました。
生粉打ちでこの細さのそばは、温かいそばにするとトロトロになり、あまり美味しくいただくことができません。そのために、少し太くすればと思いますが、麵が太くなってもあまり変わりません。これを丁度良い硬さで食べようとすると、最初の茹で時間で調整し6秒から10秒で茹でて水でしめて、再度温めて食します。それでも、最初は良いのですが、中盤あたりから「軟かかすぎに変身」するので、最後まで美味しくいただくのは至難の業です。
きむらさんで提供される、かしわ蕎麦は、最後まで美味しくいただくことができました。これは、外一にされているが故なのだと感じました。
その後に、色々なお話をさせていただきました。
小樽の町から少し外れた住宅街ですので、商売には向かない場所だと思いますが、地道に美味しいそばを提供するお店として、最近よく耳にするおそば屋さんです。
やはり、少しずつ美味しいそばを求めて、そばの産地、そばの農家さん、そばの挽き方、ブレンド方法等々を検討し変更してきた過程がよくわかりました。まだまだ、この先も進化するのではと思います。近いうちに、並んでも食べられないおそばになるのかもしれません。
お時間をとって下さり、ありがとうございました。
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