札幌そば研究センター

ラベル 在来種 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 在来種 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年11月5日日曜日

そば打ち記録(70)山都町宮古地区大下さんから頂いたそば粉でそば打ち

先週末に伺った山都町宮古地区大下さんから頂戴した宮古地区在来種新そば粉でそばを打ちました。

大下さんから頂戴したそば粉は、超微粉ですので湯捏ねでのそば打ちです。
1kgの粉に対して500mlの沸騰した湯を加えて素早く水回しです。その時間30秒くらいでした。1分はかかっていません。その後すぐに捏ねながら粉を少しずつくくっていきます。段々とそば粉が温かさとともに大きな団子状になってきます。少し水が足りないのでこの段階で少しの水を足しました。その後、耳たぶの柔らかさになるまで捏ねながら硬さを調整します。ここまで、3分程度です。

最初に、固まったそば粉の塊を1つにして江戸流の丸出しにしてみようと始めましたが、回りの部分が割れます。このまま、丸出しを続けてもそばにはストレスになることを再確認しました。そこで、塊を3つに分けて、1つずつを丸にのしました。これを3回繰り返して3つの丸くのされたもの作ります。ここまで、9分です。

これを3枚重ねて、2つにおり半円形になったものをまな板に置き、いつもと同様に切りました。最初は短いそばになりますが、2つ目からは食べに窮しないそばの長さになります。切り終えて、18分ですので、超短い時間で1kgのそばが出来上がります。まだ、切り終えたそばには、最初に加えたお湯の温かさが残っています。

これらの水回しから切るまでの方法は、昨年大下さんを訪問した際に店主と奥様に無理を言って見学させていただいた宮古地区のそば打ちの方法です。これで、美味しいそばになるというお話は、そばに無駄なストレスをかけないで、そば粉をそばにする方法ということでした。長い時間をかけて昔から山奥(失礼な表現ですが、本当に山の中なのです。現在進行形で道路拡張工事をあちら事らでやられています。これが出来上がれば便利になりそうです。)で打たれてきたそば打ちの方法です。もちろん、この地域でのそば打ちの文化は、江戸でのそば打ちが確立する以前から打たれてきた方法ですので、その歴史から学ぶことは多いと改めて感じます。

この地域のそば打ちを知ることで、やはり、江戸流の水回しは時間の無駄をしていると思われますし、丸のしから四つだしという工程は、そばにとっては迷惑千万な方法ではないかと思います。生粉打ち(十割そば打ち)の江戸流でのそば打ちが難しい(難しいというより、商売には不向きという意味合いの方が大きかった。扱いが面倒なのでつなぎを入れて切れにくくし、打つ場所が狭いのでそれを考慮し、加えて、捨てるそばが少なくなるように効率を考えて自然と現在のような打ち方)と言われ、そばがつながり難いのは、無駄な力をそばに与えているのが一因とも考えられます。

札幌新川そばの会では、生粉の江戸流打ちに耐えうるそば粉(平均して歩留まり60%以下のそば粉になるように(粗びきが加わらない)メッシュで篩う)を用いるので、生粉打ちでもつながることは、付け加えておきます。

1分で水はそば粉に回るのです。これは論文にもその記載を見出すことができますので、水が粉に回るには1分もあれば十分なのです。その後に加える水は、塊にするためです。その時間が少しかかる粉(粗挽き等は、水もたくさん必要ですし時間もかかります)や、まったく必要のない粉(通常にそばを挽いて、60メッシュ以上で篩い歩留まり70%以上あるようであれば難しくない)まで色々です。

江戸流のそば打ちの手順でそばをきれいに打つということと、美味しいそばをいつも打つということは、目の前にあるそば粉をどう打てば美味しくできるかという視点で考えると、別物のように思えてきます。

とは言っても、江戸流のそば打ちでしっかりそばを打つということは、段位認定にはその型をしっかりできるようになることを求められている以上は、それも必要ですし、それを否定することもありません。

目の前のそば粉は、それを植え育てて、刈り取り、製粉するという沢山の苦労の上に存在しています。それを頂戴して、そばに製麺する作業だけを受け持っているのですから、よりおいしくして食べてあげたいなと改めて思いました。そのような思いに至ったのは、目の前のそば粉を育てた大下さんから直接頂戴したからかもしれません。感謝・感謝です。

茹でたそばは、数日前に宮古でいただいたそばと同じようなそばになりました。美味しく頂戴しました。

ちゃんとつながり、そばになりました。
数日前にいただいたそばと一緒です。

2017年2月8日水曜日

そば紀行(20) 野の庵 津軽そば 弘前市

野の庵は津軽そばを復活させ、提供しているお店と伺い、一度行ってみたいと思っていました。数か月前に予約して、今回の訪問となりました。

津軽そばは、平成9年に、野の庵の佐藤夫妻を中心に「幻の津軽そば研究会」が結成され、文献や旧家に伝わる製法を調査、実証しながら、昔ながらの「津軽そば」として復活させたそうです。

「津軽そば」は、つなぎに大豆をすりつぶした呉汁を使うそうです。
藩政時代、庶民は普段からそばを食べる機会が多かったと言います。そばだけでは栄養がかたよってしまうので、タンパク質が豊富な大豆を使う独特の製法が生まれたのだと言います。
「津軽そば」は、一昼夜水に浸しておいた大豆を丹念にすりつぶし、その呉汁をそばがきに混ぜ合わせて生地をつくります。その生地を半日ほどねかせ、熟成させてから、そばを打つので、時間がかかるそばです。そのためか?食生活が豊かになったことから、手間ひまがかかる津軽そばは、戦後、一度消え去ったようです。

伺った日は、雪が前日に振った翌日でした。店に着くと店主の佐藤様が雪かきをされていました。到着が少し早かったので、まだ店は開店前でしたが、快く迎えて下さり、店に案内してくださいました。

やっと伺ったので、冷たいそばと、暖かいそばと両方を頂戴しました。
もりそばは、津軽そばではなく、十割そばを提供しているそうです。かけそばは津軽そばを提供しています。

もりそばを津軽そばではなく、十割そばとした理由は、用いているソバを、北海道の黒松内で生産されている在来種(たぶん、奈川在来種ではないかと?)にしてからのようです。そば粉に粘りがあるので、津軽そばにしなくてもつながるし、そばの香りも良いのでというのが本音のようでした。
暖かいそばは、津軽そばを提供しているそうです。
汁も、もりそば用は鰹節のみを用い、温そば用はその他に昆布、魚節と隠し味に煮干しも用いているそうです。
ゆで時間も、もりとかけで数秒異なるそうです。
かけそばは、柔らかいそばで、その柔らかさが津軽そばの特徴のようです。(下記の特徴を参照)
どちらのそばも、美味しくいただきました。








津軽そばの作り方は色々流儀があるようですが一つ製法を紹介したサイトがありました。
大きな鍋または釜に湯を沸騰させます
そこにそば粉を入れ、粒々がなくなるまでよくこねてそばがきをつくります
出来たそばがきを丼で一杯ずつすくい、塊のまま水の中に入れます
その状態で水の中に入れて塊の芯まで冷やしておきます
一方で一日から二日間ほど水に浸しておいた大豆をすり鉢でよくあたり水を少し加えます
これを別に用意したそば粉に入れて、手でよく混ぜ合わせます
この大豆が一昼夜置く間に程よく発酵してつなぎの役目を果たしていると言われています
一昼夜おいたそばがきの水気を良く切り大豆を加えたそば粉の中に入れて硬く捏ねていきます
この時、水や他のつなぎの材料は一切加えません
捏ね上がったら麺棒で延ばし、切ってから夏で五時間、冬は一昼夜なま舟などに入れて寝かせておきます
時間をおくことによりそばは飴色になりコシが強くなります

津軽そばは、箸で持ち上げると切れてしまうほどやわらかいのが特徴のそば。日持ちを良くするために「煮置き(麺をゆでて冷やす)」をするという工夫を加えた結果、コシがない津軽そばが完成したそうです。”津軽そば”は汁物をすするように食べるのが、そのスタイルのようです。
確かに、柔らかいそばでした。

「青森県文化観光資源データ集」では、以下のようなな説明が(原文のまま)
津軽地方に独特の製法で作られる「津軽そば」は、そば粉を湯で練り上げたタネを冷水に浸し、摺りつぶした大豆(またはしぼり汁)とそば粉を加え再び練る。細めにそばを切り、生そばの状態で夏場は一晩、冬場は二晩冷暗所で寝かしてから茹でる。独特のコシの強さと大豆のほのかな甘みが特長。
江戸時代元文年間(1736~)頃より市内を売り歩く屋台そばがルーツといわれている。

2016年12月31日土曜日

そば打ち記録(61) 2016年 年越しそば 

2016年も今日で終わりとなりました。
2016年12月大晦日は、夜中の3時からそば打ちという、年の瀬に、大変ありがたい事にそば打ち練習ができました。

天候 : 晴れ時々曇り (日が昇るまで暗かった)
気温 : -6度から0度
そば打ち回数 : 1kg×8回
開始時間 : 3時00分
終了時間 : 11時00分
そば粉 : 札幌新川そばの会提供のキタワセ微粉引き 3kg×5回
そば粉 : 音威子府加藤農産キタワセ微粉引き60メッシュ篩 1kg×2回
そば粉 : 山形県大石田来迎寺在来種超々粗挽き 1kg×1回 (湯捏ね)

8回連続で、約8時間そば打ちをさせていただきました。大変良い経験で、回を追うごとに、課題の丸のしや、四つだしから肉分けや本のしの手順について、大変明るい兆しが見えました。

本日の気づきは以下です。

  • 俯瞰して確認しながら進めること。(地のしから丸のしでは常に●を俯瞰して確認すること。わかっているけど出来ていなかったことが確認できました。微調整を常に繰り返すこと。)
  • 四つだしでしっかり角が出ていないから、肉分けで苦労していたこと。確実に四つだしができていれば、肉分けが短時間で済むこと。
  • 本のしでは、俯瞰して見ながら■を常に意識すること。手の先だけでなく、全体像を常に意識してのすこと。
  • 本のしの麺棒の動きは、回しのしにすること。これにより、麵体はのしながらテリが出てきて、強くてしっかりとつながっている麵になること。(粗びきの湯ごねでひび割れても、回しのしでつなげることができること。)

年の瀬に、たくさん学びました。来年につながるように記録して、記憶しないといけません。すぐに忘れるのです。

また、時間さえあれば、まだまだ打てそうだということも確認しました。

2017年はもっとそばを打つ機会が増えると良いな??
誰か? あたしのそばを食べて!!・・・です。今年の年越し蕎麦は、3世帯に配りました。
来年はもっと増えるようにガンバります???

丸だしも結構ましになってきました。
のしも少しずつ良くなりました。
粗挽き粉湯ごね蕎麦もいい感じです。
茹でるまで分かりませんが??
麵が切れないことを願うばかりです!!

2016年12月16日金曜日

そば紀行(19) 宮古そば権三郎 福島県山都地区

山都宮古地区の第2弾、権三郎さんです。

訪問のいきさつは、「そば紀行(18) 宮古そば大下 福島県山都地区」で記載した通りです。

山都宮古地区の蕎麦店8軒の中で、ホームページを独自で開設されているのは、権三郎さんだけではないかと思います。
(これとは別に、山都宮古地区の蕎麦店の概観を紹介しているページがあります。

権三郎さんでも、大下さん同様に、ソバを自家栽培しています。玄そば丸抜きは大下さんと同様ですが、見たところ、歩留まりは大下さんより多いのではないかと思います。よって、少しだけ透明感が減り、色のつき方が多いと感じました。星の数はあまり変わらないのですが。篩について詳細を伺えなかったのは残念です。
おかみさんが出て迎えて下った後は、ずーっとバックヤードに居られるので、ゆっくりお話しできませんでした。
権三郎さんでは、メニューがあり、付けていただく副菜により値段が変わります。私は、既に2軒目ですので、蕎麦中心の「おかみおすすめ夢見そば」というのをお願いしました。

権三郎さんの蕎麦も透明感のあるしっかりした美味しい蕎麦です。こちらでも、そば粉を分けていただきました。打ち方が書いてある紙も頂戴しました。
先日のお客さんは、自宅で打ったけど、繋がらなかったという連絡を貰われたそうです。なかなか、難しいけど、打ってみてと言われていました。
やはり、湯ごねでなければ繋がらないそうです。

権三郎さんで蕎麦を頂戴し終えると、既に、おなかはパンパンでした。もう無理です。





2016年12月14日水曜日

そば紀行(18) 宮古そば大下 福島県山都地区

1年越しで、とうとう宮古地区に、蕎麦を頂きに来ることができました。

昨年来、宮古に行ってみたいと思いながらも、宮古地区は山都駅から遠く、自動車が無いとなかなか行けない場所にあります。車があれば、そんなに遠くないので行けるのです。

最初に宮古に行こうと、山都駅に降りたのが、昨年の11月でした。山都駅前には何もなく、タクシーも居ませんでした。タクシーが居ないのは、たまたまだったようですが、この日は山都駅到着したら、すぐに宮古地区に向かわないと、帰れなくなるという状況でした。そのような折に、山都駅に着くとタクシーが居ないので、宮古地区への訪問を諦めました。
山都駅近郊にもいくつかそば屋があるので、山都そばをいただいて帰ろうと2店舗ほどお邪魔しました。この時に、山都駅近郊で行ってみたいと考えていた「蕎邑」さんはお休みでした。

2回目に山都を訪問したのは、今年の2月です。初回訪問時にお休みだった蕎邑さんへ伺うための訪問でした。この時は、最初から宮古地区への訪問は視野に入れていませんでした。真冬ですし、アポも取っていませんし、時間もないのが、その理由でした。蕎邑さんのことは、本ブログ(そば紀行(5)2016年2月7日)を参照ください。

はじめての宮古地区への訪問です。
宮古地区への訪問は、事前のアポ取りから始まりました。

入手していた山都そばの資料は、山都地区のHPから入手したものでしたが、その資料では12店舗が紹介されています。この資料を基に順に電話してアポ取です。ところが、「この電話は現在使用されていません。」というメッセージがいくつか。エッ、店を閉めているの?と。
最初に電話がつながった店舗では、「12月の初旬では、もう店を開けていない。」という返事。2店目に繋がった先は、「一人では、店を開けられないな。」と言う返事。トホホです。
やっとアポ取できたのは、「大下」さんでした。快く、「一人でも開けますよ。」とのことです。
折角行くのに、一店ではもったいないと、続けて数店舗に電話し、「権三郎」さんで、「どうしてもということであれば、店を開けます。」と言ったいただき、これで2店舗にアポが採れたのでした。

宮古に伺った際に入手した最新の店舗資料では、この地区の蕎麦店は、8店舗に減っていました。また、この後に伺った源三郎さんも、今年で店を閉めるかもしれないという情報を得ました。この地区も、高齢化で後を継ぐ方が減っているようです。

現在の残っている8店舗の中で、ソバの自家栽培をしているのは、「大下」「大上」「権三郎」さんの3店舗のみです。

大下さんで、おかみさんとお話しして様々な情報を収集しました。
大下さんでは、宮古の在来種と会津のかおりを栽培しているそうです。在来種は、川の西側で栽培し、会津のかおりは東側での栽培だそうです。その理由は、以前は東側でも在来種を栽培しいたが、収量が少ないのだそうです。それゆえ、今では東側では会津のかおりを栽培しているそうです。大下さんでは、会津のかおりは、山都のそば店や、山都のそば製粉へ出荷しており、お店では宮古在来種のみを提供しているそうです。今以上の収量は期待できないが、1年間店で提供する在来種は栽培可能だそうです。現在、2町歩のソバ畑で栽培しています。
大下さんの蕎麦は、宮古在来種の玄そば挽きぐるみで、歩留まり65%だそうです。

店に入ると、最初に、さしみこんにゃく、鰊の煮物、山菜と鰊の炊き合わせ、漬物が出されます。

その後、1盛り目は、蕎麦と辛み大根が供されました。この辛み大根は、自家栽培だそうです。元々自然に生えた大根(自生原生種の大根)を、現在は、畑の端の畑ではないところで栽培しているそうです。水気は無いですが、微妙に辛く香りがあります。初めていただきましたが、普通の辛み大根とは異なり、荒々しさを感じる美味しい大根です。
そばつゆは、青首大根の摩り下ろしを加えた、高遠そばつゆを基本として供しているそうです。私は、このつゆ以外に大根を加えていないつゆもお願いして、食べ比べてみました。高遠そばつゆの方が、甘みを強く感じます。青首大根により、美味しいつゆは一層美味しくに変身するのだということを確認しました。

お代わりの2盛り目は、蕎麦と野菜のてんぷらが出されました。3盛り目は、頃合いを見計らい蕎麦だけがだされました。その後は、「もう少し食べますか?」と問われ、「もうお腹いっぱいです。」と。本当は、まだ食べられるのですが、もう一店予約していたので、後ろ髪引かれながらもお断りしました。

蕎麦は、少し太めのしっかりした蕎麦です。透明感があり、玄そば丸抜きですので、少し点があります。初めていただいた宮古在来種玄そば丸抜きの粗挽き湯ごね蕎麦は、これまでに経験したことのない蕎麦で、本当に美味しい蕎麦です。久しぶりに美味しいと思う蕎麦を頂戴しました。

この大下さんで修業をされたお二人が、大下さんの下流でお店をそれぞれ開いているそうです。
そちらにも、そば粉を提供しているそうです。

大下(おおしも)、大上(おおがみ)、川前(かわまえ)等の宮古地区の蕎麦店の屋号は、川の下(しも)、川の上(かみ)、川の真ん中の前(まえ)などの意味であったそうです。また、この地区の集落は、以前はもう少し川の上にあったそうですが、天災があり現在の場所へ下ってきたのだそうです。
また、そもそも、この地域の蕎麦は、家庭内で食されていた蕎麦が、村の外へ広がり、山都町内へ広がって発展していったようです。山都地域で蕎麦を供するようになった初めのころは、宮古の皆さんが山都で変わり番でそばを打って提供していたそうです。それが、元の村に戻りそれぞれの店ごとに蕎麦を提供するようになり、現在の宮古地区の蕎麦店に発展してきたというお話でした。色々と面白い歴史があるのですね。

いくつかある宮古地区の蕎麦店で、大下さんへ伺えたのは、大々正解であったようです。引きが良かったのか?偶然なのか?神っているのか?とても良いお店に辿り着けたと感じています。大下さんへは、来年も、また来たいと強く思います。

この宮古在来種のそば粉を3kgほど分けてもらい、打ち方を教えていただいて店を後にしました。

長くなりましたので、権三郎さんのことは別途記載したいと思います。



そば前です
一盛り目は、原生種の辛み大根と高遠そばつゆで
お代わりは、野菜天ぷらと
透明感のある蕎麦は大変美味しいです

2016年11月12日土曜日

そば打ち記録(56) 粗挽き粉 湯ごね

2016年11月12日(土)

天候:晴れ
気温:7℃

今日は、湯ごねに挑戦です。

<1回目>
来迎寺在来種500g
お湯:250ml + 水30m

先週山形で分けていただいた、在来種の超粗挽き粉を湯ごねでそば打ちしてみます。
1回目は、山形県大石田のそば店そば切り源四郎さんから頂戴した、来迎寺在来種の超超粗挽き粉を湯ごねで打ちました。お湯の比率は、50%で良いということでしたので、その量を使用しました。
50%の湯を加えて1分間放置。これはそば切り源四郎の森さんの指示の通り。
・水回しに入るが、大きな水の粒が無くなると、サラサラな粉の状態になる。
・このまま水回しを継続、結構時間が経って、やっと少しだけ水が入った粉のように、ほんの少しのしっとり感を感じる。
・どんどん手を回して、水回し継続。次第にパン粉状態に突入。この段階から、圧をかけて水を出させる手に変更して、我慢して、増々手を回す。
・少しだけ、纏る気配が感じられたが、気配だけで多少の水が必要な感じなので、約20ml水を加えて、手を回す。圧はより強く、長くかけて水を出すように。
・纏ってきました、小さな粒ができてきました。
・手酌で1回水を加える(約10ml)
・やっとまとまりました。

粘りの水回しです。50%でいけるという話を聞いていなければ、ここまで粘れなかったかも知れません。



細麺になりました。
味と喉越しは抜群です。
麺は切れませんので、繋がってます。
もう少し、太い麺(1.5mm位)の方が合うかもしれません。



<2回目>
次年子在来種500g
お湯:250ml + 水20ml

同じ山形の大石田のそば座敷平吉さんで分けていただいた、次年子在来種のこれも、超超粗挽き粉を湯ごねで挑戦です。お店では湯ごねではなく、つなぎを2割入れて蕎麦にしています。つなぎの力を使わないと繋がらないというお話でした。できれば、湯ごねで繋げられればという思いで挑戦です。

こちらは、お店でもつなぎを使っているようなので、湯ごねでの経験値が無い粉です。しかし、1回目の来迎寺の粉に近いので、同様の方法でチャレンジしてみようと、そば打ち開始です。

水回しは、1回目と同様の経緯でした。




超細麺になりました。
500gでしたので、のし過ぎです。
味は良いです。
麺は切れませんので、繋がってます。
こちらも、1.5mm程度の麺の方が良いかもしれません。



<この2回のチャレンジと昨年の失敗から分かったこと。>

①粗挽き粉の水回しは、水が入るのに時間がかかる。
②水が入っているのに、粉は水を含んでいるというサインをすぐに出さない。
③②の状態で、焦って水を加えると、どんどん水を吸う。
④③の状態で、水を入れ過ぎると突然トロトロになる。
⑤③の状態で、水を入れないと、粉から水が出てこないで水をどんどん吸収する。
⑥⑤の状態で、水を加えないでこねても、割れる
⑦②の状態で、我慢して水まわしを行うと、水が入っていき一度含んだ水を吐き出させることができる。
⑧⑦の状態を継続すると、纏ってくる。
③から⑥の状態にすると、蕎麦にならない。

このように、回しながら、気長に待つことが重要なのだと思われます。
この経験を基に、来週は、どちらかの粉で水でやってみたいと思います。

2016年11月10日木曜日

そば紀行(15) 山形県大石田そば そば座敷平吉

2016年山形県大石田第3弾で、そば座敷平吉さんへ伺いました。

大石田地区でまだ行った事が無く、興味深いお店に行こうというこで、順番に連絡を取らせていただき、今日のソバ種、つなぎの使用の有無等を伺いました。今日紹介するそば座敷平吉はそんな中で出会ったお店です。

連絡をすると、次年子在来種を自家栽培し、製粉し、蕎麦にしているということです。次年子在来種は、この地域の来迎寺在来種同様に、昔から栽培された在来種です。この地のそば店の「手打ち次年子そば」のみが栽培して提供していると思っていました。しかし、「そば座敷平吉」でも、次年子在来種を自家栽培していたのです。ただし、提供している蕎麦はつなぎを使い二八で打っているということです。

次年子在来種を「手打ち次年子そば」で2年前にいただいた際に、玄ソバ挽きぐるみの外一で、そばが太く、不均一の太さで短い蕎麦でしたので、少し残念な経験をしました。そこで感じた次年子在来種ソバの味と香りは、あまりハッキリとしない蕎麦という印象でした。このような蕎麦でしたので、次年子在来種の蕎麦は、いつしか、頭から消えていました。

二八でも、蕎麦の香りや味は味わえますので、もう一度次年子在来種の蕎麦を確認しようということで、早速伺うことにしたのです。

やはり、オーダーは板そばです。出された蕎麦を見て、相当粗挽きのそば粉を使用していることが分かります。この粉は、十割で湯ごねでもつながらないのだろうなと思わせる蕎麦でした。つなぎは、少し邪魔をしますが、そばの味と香りは良く出た蕎麦でした。美味しいです。

次年子在来種は、私の中で、新たに見直されました。美味しいソバ種です。2回前に報告した、源四郎さんの来迎寺在来種の超粗挽き粉と、平吉さんの次年子在来種の超粗挽き粉は、それぞれ楽しい蕎麦を提供してくれます。この、大石田地区に通う価値が見いだせました。来年、この地に来ることができれば、最初にこの2軒を訪れることになるのだろうと思います。

付け合せは、きくらげと玉ねぎの天ぷらです。この、きくらげも大変おいしくいただきました。

こちらでは、次年子在来種を1haほど自家栽培しており、友人にも頼んで何とか提供できるほどのソバを確保しているそうです。

次年子在来種の丸抜きの超粗挽き粉だと思われるそば粉を分けてもらえないかと交渉し、少しだけ頂戴しました。見てびっくり、相当に粗い「そば粉」というより、そば「粒」です。このそば粒に微粉のそば粉を混合して、湯ごねで十割蕎麦を打ってみたいなという衝動が湧いてきました。








2016年11月9日水曜日

そば紀行(13) 山形県大石田そば そば切り 源四郎

2016年新そば巡りと言うほど大げさではありませんが、新そばの在来種を求めて、昨年に引き続き山形県大石田地区の在来種である来迎寺ソバの十割そばを求めに行ってきました。その第一弾です。

昨年、この地の在来種である来迎寺ソバ種による蕎麦は、この大石田地区でしか味わえない蕎麦です。元々、栽培面積が大きくなく(170ha、75トンの収量:村山総合支庁農業技術普及課)、その割にそば屋が多いので、他の地域へ回るソバが無いというのが正直なところのようです。

昨年訪問の際に、半日同行していただいた、地元のタクシーの運転手さんの話では、この大石田地区で、あるいは、隣町の村上の超有名店でも、一部の店では最上早生を提供しているそうです。この新そばの時期には、来迎寺在来種が味わえるが、その先、月数が進むと、それだけのソバがあるのか分からないというお話でした。全く異なるソバ種を用いて提供することは無いのでしょうが、ある程度他種を加えての提供になることはあるのではないか?と疑問に思うというお話をうかがいました。現在は、そば種を確認するお客さんも多いので、ブレンドであればそのように、一品種であればそのそば種を明らかにしているお店が多いとういう話をした記憶が蘇ります。

さて、新そばの来迎寺在来種を求めて、2016年最初に伺いたいのは、昨年伺ったそば切り源四郎です。
一週間ほど前に電話で、「昨年に引き続き、今年も十割そばをお願いしたいのですが?」と問い合わせると、快く「了解、急がずにゆっくり山まで来て!」という返事をいただきました。これで、来迎寺ソバ種の粗挽き粉十割蕎麦を今年も味わえます。

昨年、そば切り源四郎の森様を訪れた時のことを思い出します。大石田で蕎麦を食べようということで、Webや大石田町のそば街道の情報を基に、数店舗ピックアップし、来迎寺在来種のソバで十割そばを提供している店をピックアップしました。15-6店舗ある中で、この条件を満たすのは数軒でした。かつ、訪問した時に営業している店を探すと、なんと2店舗だけでした。最初に、最も有名なお店に行き、味わいました。この店では、来迎寺在来種を微粉に挽いたそば粉を用いた十割蕎麦で、大変おいしくいただきました。

その後に、もう一店舗伺うと、そこでは、今日は十割は無いということで、断念。どうしても、もう一軒行ってみたいということになり、電話攻撃で、「十割・・・十割・・・」と、聞いて回り、数件目でそば切り源四郎さんに電話したところ、「十割食べたいなら、今から打ってあげるから、30分後に来てください。」という、嬉しい返事でした。

訪問すると、そもそも十割そばを提供しようと、店を開ける準備をしていたそうで、それが、開店前になり、知り合いや家族やらと試し打ちをしていると、十割より二八が美味しいということになったそうです。ご主人は、二八での蕎麦を本意ではないが、回りの意見に沿い二八で商売を始めたそうです。しかし、そもそも提供したい十割蕎麦なので、店の片隅に「十割あります」と書いて、お客が求めれば打つということにしたそうです。そういえば、小さな紙に書いてあります。ということですので、店主としては「十割食べたい」というお話は、願ったり叶ったりということだそうで、「全然面倒ではない。」ということでした。

これは今年の店内、昨年より大きな「十割」の文字

十割蕎麦の美味しさを、理解してもらえないのが残念だという話でした。昨年、店主の森様と話しをしていて感じたのは、今時の方々は、そもそも、生まれた時からつなぎの入った蕎麦しか食べていないので、「二八で蕎麦と小麦の香りを感じ、ツルットしたつなぎ特有の喉越しが、美味しい蕎麦なのだ。」という認識をしてきたヒトが殆どなのではないだろうか。また、現在の日本では、米の主食に追随してパン食が多く、そういう私もパンが大好きで、ドイツパンに至っては目がありません。ドイツパンはライ麦文化でした。それはさておき、日本での小麦食は、当たり前の環境です。お菓子に至っては、古くからある日本の駄菓子や田舎の煎餅(南部せんべいが代表)等は小麦が原料です。それにバターを加えると、クッキーやケーキ等の洋菓子になります。どちらも、主原料は、小麦粉であり、そもそも、小麦が大好きな日本人であることを、この時、再確認しました。
そういえば、達磨の高橋さんのお店は、超人気店ですが、二八ですね。二八vs十割論争は、これからも延々と、私の中で続きそうです。

少なくとも、昨年、そば切り源四郎の森様と話していて、「十割蕎麦より二八蕎麦が美味しいと感じるこの頃のお客さんを、恨んでもしょうがないのではないか?」「二八より十割蕎麦と叫ぶ、私たちの方がおかしいのかもしれない???」という結論を、私なりの理解として持ち帰った記憶が蘇ります。

そば切り源四郎さんの蕎麦は、来迎寺ソバ種丸抜き粗挽きのそば粉を湯ごねで十割で打っています。このそば粉を、昨年分けていただき、水で打とうとチャレンジしましたが、跳ね返されたそば粉です。(今年も分けていただけたなら、湯ごねでそばを打ちたいと思います。)

さて・・・、、、 思い出話が長すぎました。ここまでは、訪問の前日に書いているのです。明日が楽しみで、余計なことを含めて、たくさん思い出してしまいました。

いよいよ、当日です。

来迎寺を求めて、いざ、源四郎へということで、仙台を発ちました。車中で、昨日再確認の連絡をしていないので、到着前に連絡しようかと考えているうちに山形に入り、大丈夫、用意してくれているはずと言い聞かせ大石田の次年子に到着です。昨年と変わらない店構えで、道路から少し高台に店があります。


暖簾をくぐり、店の中へ。挨拶早々に、「十割そばを予約していた者ですが?」と問いかけると。
「あれっ!!今日だっけ!!」という返事が全てを物語っていました。
良くないことへの直感は当たるもので、やはりでした。
しかし、リスクはチャンスへです。
「これから打っていただけますか?」と問い直しました。
「いま、打つから待ってて」ということに。
そこで、一押し、「打つところを見学しても良いですか??」
一間あって、「いいよ・・。。」
と言うことで、思いがけずに森様のそば打ち見学となりました。
これは面白かったです。お店の裏など滅多に見られることはありません。プロのプロとしての真剣なそば打ちを初めて観察させていただきました。

お客に乞われて粗挽き粉を分けるように挽いたそば粉と、店で出すそば粉は異なるようで、店のそば粉は、超粗挽き粉でした。この超粗挽きのそば粉は、一般の方が打っても蕎麦にならないので、少しだけ粗挽きの比率を落としたそば粉を提供しているそうです。昨年頂戴したそば粉は、この少しだけ粗さを抑えたそば粉だったようです。店主は、折角購入していただくそば粉なので、蕎麦になるようにとの計らいのようです。店で打って下さったそば粉と、提供しているそば粉は、ほんの少しだけ粗さが異なりました。

湯ごねの際に、湯を投入してすぐに混ぜるということはしないそうです。ゆっくり待って、自然とでんぷんが固化するのを待ってから、混ぜたほうが繋がりが良いということです。これは、毎日この粉で湯ごねしている方のご意見ですので、大変貴重な方法だと、心にとめてきました。

このようなやり取りをしながら、あっという間に蕎麦が打ちあがりました。15分で打ち終わりです。早い。




出てきた蕎麦は、昨年の蕎麦よりは一回り太目の蕎麦でしたが、大変おいしい蕎麦でした。
この蕎麦をいただいて、丸抜きの粗挽きそば粉による蕎麦の美味しい理由が少し見えてきました。粉の粒度分布が大きなポイントなのだと。

特別に、超粗挽きのそば粉を頂戴して帰宅です。
来年もまた伺いたいと、店を後にしました・・・。

2016年11月7日月曜日

そば紀行(14) 山形県大石田そば そば屋 昇

山形県大石田地区のそば紀行、2016年第2弾です。

「そば屋 昇」さんに伺いました。
こちらのお店は、大石田の商工会のホームページでは、「玄そばは地元産(来迎寺在来を中心に最上早生、出羽かおり)使用で雪室保存、石臼挽きです。そば粉だけ100%の手打ちそばです。」と紹介しているお店です。伺うのは、初めてでした。

店に入ると、店主の早坂様が、お一人で対応しておられ大変忙しそうです。早坂様のお薦めは、板そばです。ということで、板そばをお願いしました。
今日のそば粉は、最上早生の新そばだそうです。来迎寺の新そばは、来週であれば提供できるということでした。

自家製粉ではなく、業者にお願いして製粉してもらった粉を使用し、十割で打って提供しているそうです。多分ですが、玄ソバを挽きぐるみにした粉も入っていました。

一人でやっているので、そんなにたくさんは蕎麦を提供できないそうで、14時にはお店を終了するそうです。朝からそばを打って、店を開くのが11時から14時でしょうから、それは、大変です。十割にこだわって、山形産そば粉を用いて打っているそうです。

板そばをお願いして待っていると、漬物の他に、厚い油揚げの煮つけを、サービスですと出してくださり、これを摘まみながらそばを待ちました。
最上早生の新そばの香りと味は、まずまずでした。少しだけ残念なのは、蕎麦の繋がりが良くないので、ブツブツ切れることです。

早坂様の師匠は、東根の「十割そば あだち」だそうです。こちらのお店に伺ったことはありませんが、Webで確認すると、超極太そば(割りばしサイズで短いそば)で短い蕎麦を提供しているお店のようです。
そば屋昇の蕎麦は、師匠のお店の超太打ち蕎麦ではありませんが、少し太めで短い蕎麦でした。

漬物とイカげそ天に油揚げの煮物

トッピングに梅の花?のそばが!!