札幌そば研究センター

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2016年12月31日土曜日

そば打ち記録(61) 2016年 年越しそば 

2016年も今日で終わりとなりました。
2016年12月大晦日は、夜中の3時からそば打ちという、年の瀬に、大変ありがたい事にそば打ち練習ができました。

天候 : 晴れ時々曇り (日が昇るまで暗かった)
気温 : -6度から0度
そば打ち回数 : 1kg×8回
開始時間 : 3時00分
終了時間 : 11時00分
そば粉 : 札幌新川そばの会提供のキタワセ微粉引き 3kg×5回
そば粉 : 音威子府加藤農産キタワセ微粉引き60メッシュ篩 1kg×2回
そば粉 : 山形県大石田来迎寺在来種超々粗挽き 1kg×1回 (湯捏ね)

8回連続で、約8時間そば打ちをさせていただきました。大変良い経験で、回を追うごとに、課題の丸のしや、四つだしから肉分けや本のしの手順について、大変明るい兆しが見えました。

本日の気づきは以下です。

  • 俯瞰して確認しながら進めること。(地のしから丸のしでは常に●を俯瞰して確認すること。わかっているけど出来ていなかったことが確認できました。微調整を常に繰り返すこと。)
  • 四つだしでしっかり角が出ていないから、肉分けで苦労していたこと。確実に四つだしができていれば、肉分けが短時間で済むこと。
  • 本のしでは、俯瞰して見ながら■を常に意識すること。手の先だけでなく、全体像を常に意識してのすこと。
  • 本のしの麺棒の動きは、回しのしにすること。これにより、麵体はのしながらテリが出てきて、強くてしっかりとつながっている麵になること。(粗びきの湯ごねでひび割れても、回しのしでつなげることができること。)

年の瀬に、たくさん学びました。来年につながるように記録して、記憶しないといけません。すぐに忘れるのです。

また、時間さえあれば、まだまだ打てそうだということも確認しました。

2017年はもっとそばを打つ機会が増えると良いな??
誰か? あたしのそばを食べて!!・・・です。今年の年越し蕎麦は、3世帯に配りました。
来年はもっと増えるようにガンバります???

丸だしも結構ましになってきました。
のしも少しずつ良くなりました。
粗挽き粉湯ごね蕎麦もいい感じです。
茹でるまで分かりませんが??
麵が切れないことを願うばかりです!!

2016年11月10日木曜日

そば紀行(15) 山形県大石田そば そば座敷平吉

2016年山形県大石田第3弾で、そば座敷平吉さんへ伺いました。

大石田地区でまだ行った事が無く、興味深いお店に行こうというこで、順番に連絡を取らせていただき、今日のソバ種、つなぎの使用の有無等を伺いました。今日紹介するそば座敷平吉はそんな中で出会ったお店です。

連絡をすると、次年子在来種を自家栽培し、製粉し、蕎麦にしているということです。次年子在来種は、この地域の来迎寺在来種同様に、昔から栽培された在来種です。この地のそば店の「手打ち次年子そば」のみが栽培して提供していると思っていました。しかし、「そば座敷平吉」でも、次年子在来種を自家栽培していたのです。ただし、提供している蕎麦はつなぎを使い二八で打っているということです。

次年子在来種を「手打ち次年子そば」で2年前にいただいた際に、玄ソバ挽きぐるみの外一で、そばが太く、不均一の太さで短い蕎麦でしたので、少し残念な経験をしました。そこで感じた次年子在来種ソバの味と香りは、あまりハッキリとしない蕎麦という印象でした。このような蕎麦でしたので、次年子在来種の蕎麦は、いつしか、頭から消えていました。

二八でも、蕎麦の香りや味は味わえますので、もう一度次年子在来種の蕎麦を確認しようということで、早速伺うことにしたのです。

やはり、オーダーは板そばです。出された蕎麦を見て、相当粗挽きのそば粉を使用していることが分かります。この粉は、十割で湯ごねでもつながらないのだろうなと思わせる蕎麦でした。つなぎは、少し邪魔をしますが、そばの味と香りは良く出た蕎麦でした。美味しいです。

次年子在来種は、私の中で、新たに見直されました。美味しいソバ種です。2回前に報告した、源四郎さんの来迎寺在来種の超粗挽き粉と、平吉さんの次年子在来種の超粗挽き粉は、それぞれ楽しい蕎麦を提供してくれます。この、大石田地区に通う価値が見いだせました。来年、この地に来ることができれば、最初にこの2軒を訪れることになるのだろうと思います。

付け合せは、きくらげと玉ねぎの天ぷらです。この、きくらげも大変おいしくいただきました。

こちらでは、次年子在来種を1haほど自家栽培しており、友人にも頼んで何とか提供できるほどのソバを確保しているそうです。

次年子在来種の丸抜きの超粗挽き粉だと思われるそば粉を分けてもらえないかと交渉し、少しだけ頂戴しました。見てびっくり、相当に粗い「そば粉」というより、そば「粒」です。このそば粒に微粉のそば粉を混合して、湯ごねで十割蕎麦を打ってみたいなという衝動が湧いてきました。








2016年11月9日水曜日

そば紀行(13) 山形県大石田そば そば切り 源四郎

2016年新そば巡りと言うほど大げさではありませんが、新そばの在来種を求めて、昨年に引き続き山形県大石田地区の在来種である来迎寺ソバの十割そばを求めに行ってきました。その第一弾です。

昨年、この地の在来種である来迎寺ソバ種による蕎麦は、この大石田地区でしか味わえない蕎麦です。元々、栽培面積が大きくなく(170ha、75トンの収量:村山総合支庁農業技術普及課)、その割にそば屋が多いので、他の地域へ回るソバが無いというのが正直なところのようです。

昨年訪問の際に、半日同行していただいた、地元のタクシーの運転手さんの話では、この大石田地区で、あるいは、隣町の村上の超有名店でも、一部の店では最上早生を提供しているそうです。この新そばの時期には、来迎寺在来種が味わえるが、その先、月数が進むと、それだけのソバがあるのか分からないというお話でした。全く異なるソバ種を用いて提供することは無いのでしょうが、ある程度他種を加えての提供になることはあるのではないか?と疑問に思うというお話をうかがいました。現在は、そば種を確認するお客さんも多いので、ブレンドであればそのように、一品種であればそのそば種を明らかにしているお店が多いとういう話をした記憶が蘇ります。

さて、新そばの来迎寺在来種を求めて、2016年最初に伺いたいのは、昨年伺ったそば切り源四郎です。
一週間ほど前に電話で、「昨年に引き続き、今年も十割そばをお願いしたいのですが?」と問い合わせると、快く「了解、急がずにゆっくり山まで来て!」という返事をいただきました。これで、来迎寺ソバ種の粗挽き粉十割蕎麦を今年も味わえます。

昨年、そば切り源四郎の森様を訪れた時のことを思い出します。大石田で蕎麦を食べようということで、Webや大石田町のそば街道の情報を基に、数店舗ピックアップし、来迎寺在来種のソバで十割そばを提供している店をピックアップしました。15-6店舗ある中で、この条件を満たすのは数軒でした。かつ、訪問した時に営業している店を探すと、なんと2店舗だけでした。最初に、最も有名なお店に行き、味わいました。この店では、来迎寺在来種を微粉に挽いたそば粉を用いた十割蕎麦で、大変おいしくいただきました。

その後に、もう一店舗伺うと、そこでは、今日は十割は無いということで、断念。どうしても、もう一軒行ってみたいということになり、電話攻撃で、「十割・・・十割・・・」と、聞いて回り、数件目でそば切り源四郎さんに電話したところ、「十割食べたいなら、今から打ってあげるから、30分後に来てください。」という、嬉しい返事でした。

訪問すると、そもそも十割そばを提供しようと、店を開ける準備をしていたそうで、それが、開店前になり、知り合いや家族やらと試し打ちをしていると、十割より二八が美味しいということになったそうです。ご主人は、二八での蕎麦を本意ではないが、回りの意見に沿い二八で商売を始めたそうです。しかし、そもそも提供したい十割蕎麦なので、店の片隅に「十割あります」と書いて、お客が求めれば打つということにしたそうです。そういえば、小さな紙に書いてあります。ということですので、店主としては「十割食べたい」というお話は、願ったり叶ったりということだそうで、「全然面倒ではない。」ということでした。

これは今年の店内、昨年より大きな「十割」の文字

十割蕎麦の美味しさを、理解してもらえないのが残念だという話でした。昨年、店主の森様と話しをしていて感じたのは、今時の方々は、そもそも、生まれた時からつなぎの入った蕎麦しか食べていないので、「二八で蕎麦と小麦の香りを感じ、ツルットしたつなぎ特有の喉越しが、美味しい蕎麦なのだ。」という認識をしてきたヒトが殆どなのではないだろうか。また、現在の日本では、米の主食に追随してパン食が多く、そういう私もパンが大好きで、ドイツパンに至っては目がありません。ドイツパンはライ麦文化でした。それはさておき、日本での小麦食は、当たり前の環境です。お菓子に至っては、古くからある日本の駄菓子や田舎の煎餅(南部せんべいが代表)等は小麦が原料です。それにバターを加えると、クッキーやケーキ等の洋菓子になります。どちらも、主原料は、小麦粉であり、そもそも、小麦が大好きな日本人であることを、この時、再確認しました。
そういえば、達磨の高橋さんのお店は、超人気店ですが、二八ですね。二八vs十割論争は、これからも延々と、私の中で続きそうです。

少なくとも、昨年、そば切り源四郎の森様と話していて、「十割蕎麦より二八蕎麦が美味しいと感じるこの頃のお客さんを、恨んでもしょうがないのではないか?」「二八より十割蕎麦と叫ぶ、私たちの方がおかしいのかもしれない???」という結論を、私なりの理解として持ち帰った記憶が蘇ります。

そば切り源四郎さんの蕎麦は、来迎寺ソバ種丸抜き粗挽きのそば粉を湯ごねで十割で打っています。このそば粉を、昨年分けていただき、水で打とうとチャレンジしましたが、跳ね返されたそば粉です。(今年も分けていただけたなら、湯ごねでそばを打ちたいと思います。)

さて・・・、、、 思い出話が長すぎました。ここまでは、訪問の前日に書いているのです。明日が楽しみで、余計なことを含めて、たくさん思い出してしまいました。

いよいよ、当日です。

来迎寺を求めて、いざ、源四郎へということで、仙台を発ちました。車中で、昨日再確認の連絡をしていないので、到着前に連絡しようかと考えているうちに山形に入り、大丈夫、用意してくれているはずと言い聞かせ大石田の次年子に到着です。昨年と変わらない店構えで、道路から少し高台に店があります。


暖簾をくぐり、店の中へ。挨拶早々に、「十割そばを予約していた者ですが?」と問いかけると。
「あれっ!!今日だっけ!!」という返事が全てを物語っていました。
良くないことへの直感は当たるもので、やはりでした。
しかし、リスクはチャンスへです。
「これから打っていただけますか?」と問い直しました。
「いま、打つから待ってて」ということに。
そこで、一押し、「打つところを見学しても良いですか??」
一間あって、「いいよ・・。。」
と言うことで、思いがけずに森様のそば打ち見学となりました。
これは面白かったです。お店の裏など滅多に見られることはありません。プロのプロとしての真剣なそば打ちを初めて観察させていただきました。

お客に乞われて粗挽き粉を分けるように挽いたそば粉と、店で出すそば粉は異なるようで、店のそば粉は、超粗挽き粉でした。この超粗挽きのそば粉は、一般の方が打っても蕎麦にならないので、少しだけ粗挽きの比率を落としたそば粉を提供しているそうです。昨年頂戴したそば粉は、この少しだけ粗さを抑えたそば粉だったようです。店主は、折角購入していただくそば粉なので、蕎麦になるようにとの計らいのようです。店で打って下さったそば粉と、提供しているそば粉は、ほんの少しだけ粗さが異なりました。

湯ごねの際に、湯を投入してすぐに混ぜるということはしないそうです。ゆっくり待って、自然とでんぷんが固化するのを待ってから、混ぜたほうが繋がりが良いということです。これは、毎日この粉で湯ごねしている方のご意見ですので、大変貴重な方法だと、心にとめてきました。

このようなやり取りをしながら、あっという間に蕎麦が打ちあがりました。15分で打ち終わりです。早い。




出てきた蕎麦は、昨年の蕎麦よりは一回り太目の蕎麦でしたが、大変おいしい蕎麦でした。
この蕎麦をいただいて、丸抜きの粗挽きそば粉による蕎麦の美味しい理由が少し見えてきました。粉の粒度分布が大きなポイントなのだと。

特別に、超粗挽きのそば粉を頂戴して帰宅です。
来年もまた伺いたいと、店を後にしました・・・。

2016年11月7日月曜日

そば紀行(14) 山形県大石田そば そば屋 昇

山形県大石田地区のそば紀行、2016年第2弾です。

「そば屋 昇」さんに伺いました。
こちらのお店は、大石田の商工会のホームページでは、「玄そばは地元産(来迎寺在来を中心に最上早生、出羽かおり)使用で雪室保存、石臼挽きです。そば粉だけ100%の手打ちそばです。」と紹介しているお店です。伺うのは、初めてでした。

店に入ると、店主の早坂様が、お一人で対応しておられ大変忙しそうです。早坂様のお薦めは、板そばです。ということで、板そばをお願いしました。
今日のそば粉は、最上早生の新そばだそうです。来迎寺の新そばは、来週であれば提供できるということでした。

自家製粉ではなく、業者にお願いして製粉してもらった粉を使用し、十割で打って提供しているそうです。多分ですが、玄ソバを挽きぐるみにした粉も入っていました。

一人でやっているので、そんなにたくさんは蕎麦を提供できないそうで、14時にはお店を終了するそうです。朝からそばを打って、店を開くのが11時から14時でしょうから、それは、大変です。十割にこだわって、山形産そば粉を用いて打っているそうです。

板そばをお願いして待っていると、漬物の他に、厚い油揚げの煮つけを、サービスですと出してくださり、これを摘まみながらそばを待ちました。
最上早生の新そばの香りと味は、まずまずでした。少しだけ残念なのは、蕎麦の繋がりが良くないので、ブツブツ切れることです。

早坂様の師匠は、東根の「十割そば あだち」だそうです。こちらのお店に伺ったことはありませんが、Webで確認すると、超極太そば(割りばしサイズで短いそば)で短い蕎麦を提供しているお店のようです。
そば屋昇の蕎麦は、師匠のお店の超太打ち蕎麦ではありませんが、少し太めで短い蕎麦でした。

漬物とイカげそ天に油揚げの煮物

トッピングに梅の花?のそばが!!








2016年3月17日木曜日

そば紀行(8) 山形県尾花沢から大石田 たか橋/百笑屋姫/そば切り源四郎

 山形県の尾花沢から大石田にかけてのそば店に伺いました。

 道路には雪が無く、早い雪解けの山形大石田そば街道です。
 山形県の十割そば店訪問のために、Webの事前情報から数件をピックアップした中で、面白そうなお店を選んで訪問しました。

 最初に伺ったのは、「たか橋」です。
 国道13号線沿いにあるお店で、一目でそれとわかる建屋です。
 お店に入ると、十割そばは限定1日20食とあります。ということは、それ以外は二八のようです。
早速、お店の方に限定20食の十割そばがあるかを伺うと、「15分かかるが大丈夫です。」と言われ、ひとまずはホットしました。ここまで来て、十割が食べられないと残念ですので。
その後、店の中を見渡すと、他のお客さんは普通の板そばを食べています。十割は少し高いので人気が無いのでしょうか?

 最初に、そば茶とかぶの漬物が出され、これを頂きながらそばを待ちます。席から厨房が見えるので、今そばを釜に入れた、茹であがったというのが見えます。これは楽しいです。
 この店のそば種は、希少価値となっている最上早生の原種を使っているそうです。最上早生の原種を尾花沢市営宝栄牧場で栽培しており、他の種と交配しないように管理しているそうです。この最上早生原種の玄そばと丸ぬきを自家製粉して50対50でブレンドし60メッシュで篩うそうです。
 
 1日限定20食の十割そばが届きました。玄ソバを用いているにしては、そばの色は極端に黒いそばではありませんでした。麺は1.3mm×1.8~2.0mm程度の太めの平打ち麺の蕎麦でした。香りはまずまずで、これが最上早生の味なのだと噛みしめながらいただきました。美味しいそばでした。 かぶの漬物も、美味しかったです。
 このそばを打ってみたい思い、店主にそば粉を分けていただけないかとお願いしてみると、少しだけなら分けて下さるということで、このそば粉を2kgほどいただきました。





 2店目は、尾花沢から銀山温泉方向に走ったところにある「百笑屋姫」を選び電話して十割そばがあるかどうかを確認してみることにしました。電話すると、「十割そばをやっているよ。」という返事なので、姫を目指すことにしました。

 場所は、わざわざ行こうと思わない限り到着しないだろうなという所にありました。一面雪の畑の中にある店です。途中で小さな看板がありました。そこには、「口コミの店 百笑屋姫」とあります。
 店に着き、中に入ると、「先ほど電話をくれた人か?」と声をかけられ、「そうです。」と答えながら店の中に入り、一番奥の席に座りました。十割のもりそばをお願いしました。すると、「十割はやっているけど今日は無い。」という返事です。「えッ?!!」と短い返事を返しました。やってるけど、今日は打つ人がいないというのです。狐につままれたようでした。「ご免ね、今日は打つ人がいないから無いんだちゃ。」と追い打ちがあり、我に返ります。無いのではしょうがない。折角来たので、二八のもりの小をお願いしました。うちはもりが良いので小で十分ということでしたので。でも、十割でないのが残念でした。

 店の中を見渡していると、「人生の楽園」に取り上げられた記事があります。2009年6月に放映されたそうです。脱サラして、ご夫婦でそば店を初めたというお二人が店をやられています。2009年放送ですので、放送からはかれこれ7年になるそうです。

 そばを待つ間に、ほうれん草のお浸し、いぶりガッコと今月から採れ始めたというふきの煮物を頂きました。ふきは美味しかったです。また、いぶりガッコは秋田名産ですが、混ざりものが何も入っていないガッコは美味しかったです。「このガッコは美味しいですね。こちらで漬けるのですか?」とうかがうと、「近所の人が漬けている。」とのことです。
 
 そんな会話をしていると、「もり小」が届きました。小ではありません。普通もりより多いです。麺は太く、1.7×2.0mmの麺でした。最上早生を使用しているそうです。奥様が、今日はほんとにすみませんね。十割を食べてもらえなくて。このいぶりガッコ持って行って。」と、新聞紙に包まれた大根1本の大きないぶりガッコを渡されました。「いや、これは申し訳ありません。ちゃんと確認してこなかった私たちにも否があるので。」と返すと、「また、時間を見つけて十割そばを食べに来てくんしょ。」

 そばは食べれませんでしたが、楽しい時間を過ごしました。また必ず来ることを告げて、店を後にしました。
 そばは、太くてシッカリ噛んでいただく、田舎そばですが、玄そば比率が低いので、極端に黒い田舎そばではありません。つなぎが入るので、小麦特有の香りに交じるそばの香りと、つなぎ特有の超ツルッとした食感でした。




 2軒で終わりになると思われた今日の蕎麦店巡りですが、2軒目が「もり小」でしたので、少しだけお腹に余裕があるということで、大石田方面に戻りもう1軒伺うということなりました。そこで、次年子地区に行くことにしました。次年子地区のそば店4軒は、普段はつなぎ有のそばを提供しています。しかし、「そば切り源四郎」は、要予約で十割も提供しているという情報があり、ダメモトで電話を入れました。すると、「30分後なら、今から打つから十割そばを出せる。」というので、うかがう約束をして、尾花沢から大石田に向かいました。

 「そば切り源四郎」のそばは、来迎寺在来種の玄そばをロールで挽いて40メッシュで篩う、粗挽きそばです。そば粉は細かい砂のようです。
 十割そばを待つ間に、ワラビ、きくらげなどが出されました。このワラビは絶品でした。こんなワラビはなかなかいただけないと思います。うかがうと、自家栽培のワラビで、毎年大きな樽で5本ほど塩漬けするそうです。それを塩抜きして出しているそうです。太くてシッカリしたワラビです。このワラビは、欲し方がいれば少し分けて下さるそうです。私はすぐに自宅に帰るわけではないので、頂戴してくるわけにはいきませんでしたが、友人は分けてもらしました。ぶっとくてしっかりしているが、全く固くなく、歯にぬからないでワラビの味がしっかりとしたものでした。

 十割そばが出てきました。十割は少し細めに仕上げているということで、麺体の太さはは1.5mm程度でした。普通のもりそばは、1.8~2.0mm程度で提供されているようです。
 
 十割は湯ごねで水回ししてつなぐそうです。水ではつながらないということです。そばの色は透明感があるなかに、粒が混在しているような粗挽き粉のそばです。外皮は篩う際に殆ど除かれているようです。この蕎麦は、そばの香りがあり、甘みを主張した美味しい蕎麦でした。粗挽き粉の持つ独特のザッパク感があります。殆ど、何もつけず頂いてしまいました。辛汁は鰹節だけでだしを引いているそうで、主張はしないが美味しい辛汁でした。

 もりそばと一緒に、きじ汁もお願いしました。静岡産のきじを使用しつけ汁として提供しているそうです。きじは初めてでしたが、癖は無く、美味しいつゆに仕上がっています。

 来迎寺在来種のこの粉も、店主にお願いして2kgほど分けていただきました。そば粉は、細かな砂粒みたいです。篩に入れると、一瞬で下に落ちるのが想像できます。これを水でつなげることにチャレンジです。前回、この地を訪れた際には、きよそばで同じ来迎寺在来種のそば粉を分けていただきました。きよそばの粉は、石臼挽きで微粒粉を中心とした粉でした。同じ在来種で粗挽きになるとどうなるのかを確認できそうです。

 そば切り源四郎は、千葉県松戸市に分店があり、従妹の方が経営しているそうです。この地から、全ての食材を送付してるそうです。先ほど触れたワラビも送るので松戸でもいただけると良いです。

 店主から面白い話を伺いました。店主は、開店当時に十割そばを提供したいと思っていたそうです。ご本人は、十割そばの方が二八より美味しいと考えている方です。開店前に、たくさんのモニターにそばを食べ比べてもらったそうです。すると、大方の人が二八の方が良いという結果になったそうです。そこで、営業を考え、十割そばの提供をあきらめて、皆が美味しいという二八でのそばを提供することになったそうです。十数年前の環境では、そもそも、十割のそばを食べることの方が稀で、普段食べ慣れているそばを、モニターが美味しいと言ったのではないですかとお話ししました。蕎麦がうまいというより、そばがほんの少し香る小麦粉の香りと、小麦粉のツルットしたのど越しが美味しいの尺度で、そば本来の香りは良くわからず、そば特有のザッパク感ののど越しには慣れていないので違和感が先んじるのだと思いますとお話ししました。
 開店後何年か経過し、やはり十割でそばを提供したいと思い、予約制で十割そばの提供を開始したそうです。念願の十割そばが出せるようになったと嬉しそうにお話しされていたのが印象的でした。こんなやり取りをしている隣の席では、私たちの話を聞きながら、東京から来られたという方が、二八を美味しいと言いながら大盛りを食べています。これが、そばの面白いところですね。蓼食う虫も好き好きです。


真ん中が絶品わらび
きじ汁と十割そば
麺はしっかりしていて、美味しい粗挽きの十割そばです。

2016年1月24日日曜日

そば打ち記録(33) 札幌新川そばの会初打ち会?

2016年1月23日

天候:曇り
気温:マイナス1℃

札幌新川そばの会での2016年初打ち会?でした。
昨年大晦日以来の、札幌新川そばの会でのそば打ちです。
昨年までは、1月は全てお休みでしたが、今年は23日に会を開催下さったので、ありがたいです。
8時30分頃に到着して、会の皆様に新年の挨拶をして、早々に、そばに向かい合いました。
今日は、札幌新川そばの会のそば粉1kgと、昨年山形に行った際に購入してきた、次年子そば店のそば粉1kgを打つことにしました。
最初は、ウォーミングアップで打ち慣れている、会のそば粉から始めました。
今日の練習目的の第一は、のし過ぎないようにすることで、1.2mm~1.3mmでのし終えることです。第二は、四つ出しで、同じ回数を4回行った際に、それぞれの角がどのようになるのかを検証することです。

<1回目>
そば粉:札幌新川そばの会
品種:キタワセ類似種
製粉:最近
重量:1kg
加水量(率):560ml(56%)

 鉢の大きなものが無く、小さな削り出しの鉢を使用しての水回しから開始です。本日の水回しは、8分で終了でした。水量は、560ml入りましたが、状態は良かったと思われます。
四つ出しですが、同じ回数を行い、1回目と3回目が弱いことが良く分かりました。奇数回ですので、厚い状態で巻き出した内側が出ていないので、これの対策を次回検討します。四つだしのやり直しを行い、のして行きました。厚さに注意し、1.27mm程度でそろえることができました。のし過ぎないという課題は、今回はクリアーでした。


<2回目>
そば粉:山形県大石田町 次年子
品種:次年子そば(在来種)
製粉:1.5ヵ月以上前
重量:1kg
加水量(率):550ml(55%)

 水を加えると、次年子そば独特のグレー色に変わっていきました。
そば粉につなぎが入っているのではないかと思われるような感覚で、水回しが終了でした。その後、のし、切と順調にいきました。会長が今日試食してみようということで、私の打ったそばを試食してくださることになりました。田舎蕎麦なので、厚めにのし、それに合わせて切ったので、1.5mm程度でした。また、ゆで時間は、札幌新川そばの会の蕎麦より少し長めになりました。

 皆で試食していただきましたが、会長と私の意見は同じで、「このそばつなぎが入っていますよね?」という見解になりました。水回しの段階から、生粉ではないのでは?と疑問を持っていたので、食べてみて、会長と同意見なのでその感覚が正しいのではないかと思えます。
 購入段階で、次年子そば店の方に、店で出しているそばは外一と言うことを確認して、お店でそばを食べました。この帰りに、つなぎなしでそば粉だけで分けていただくことを快諾いただいて、そば粉のみで購入したつもりでいました。もしかすると、いただいたそば粉は、店で出すそば同様の粉で、外一でつなぎが入っている物を受け取ってきたのかもしれない?と思えます。
何しろ、ツルツルなので、生粉ではありえない喉越しです。加えて、香りと味もあまり感じられませんでした。このそば粉は、購入後2カ月近く経つので、少し打つのが遅かったのかもしれません。これは、早めに打てばよかったなと反省です。

 札幌新川そばの会以外のそば粉を、昨年末に行けたところで購入し、山形県大石田では、次年子そば在来種1店舗、来迎寺在来種2店舗、福島県山都在来種1店舗と購入し、それぞれを打ち終えました。山都のそば粉は、蕎麦になりませんでした。水をいくら入れても纏らず、それを何とかまとめて切りましたが、全く蕎麦として食べられる状態になりませんでした。来迎寺の2店舗の蕎麦は、どちらも香り味と良かったです。最後に打ったのが今日の次年子でした。
 
 札幌新川そばの会のそば粉は、生粉打ちに適するそば粉を研究しているので、本当に打ちやすいですし、蕎麦は美味しいです。それに甘んじてはいけないので、色々なそば粉で生粉打ちができるようチャレンジとして、ここに示したそば粉以外に6種類で合計10種類のそば粉にチャレンジしました。結果は、10戦9勝1敗でした。福島県山都の在来種そば粉に敗れたので、また、チャレンジしてみたいです。

札幌新川そばの会のそば粉と削り出しの鉢
札幌新川そばの会のそば粉
次年子そば粉
次年子そば粉





2015年12月31日木曜日

そば打ち記録(31) 2015年最後のそば打ち <年越しそば打ち>

2015年 大晦日

天候:曇り
気温:マイナス1℃

本日、2015年そば打ち染めです。大晦日の年越しそばを、札幌新川そばの会の開放教室に打ちに行きました。
2世帯分だけ打てばよいので、2kgにして、1回目は札幌新川そばの会のそば粉を用いて、2回目は山形の「ふうりゅう」というそば店で分けていただいた、来迎寺在来種そば粉で打ちました。

<1回目>
そば粉:札幌新川そばの会提供のそば粉
品種:キタワセに近いそば種
重量:1kg
加水量(率):440ml(44%)

1.2mmに伸すことができました。やはり、札幌新川そばの会のそば粉は、生粉打ちに向くように研究されたそば粉です。
こねの段階で、纏るとすぐにテリが出てきます。ほとんど捏ねなくても、まとめるとすぐにテリが出てきます。2回目に打ったそば粉や、先回のそば粉とは、大きな違いです。製粉する際の、石臼の回転速度と、篩のメッシュによるのだと思われます。
切り終えたところで、ゴミは全くありませんでした。これも、この1年間の進歩かな?と思いましたが、粉のせいです。



<2回目>
先回同様、山形県大石田の来迎寺在来種で十割そばを提供している「ふうりゅう」そば店から分けていただいた、来迎寺在来種です。

そば粉:山形県 大石田町 「ふうりゅう」そば店提供
品種:来迎寺在来種
製粉:そういえば、うかがうのを忘れてました。
重量:1kg
加水量(率):450ml(45%)

粉をふるった段階で、先回の「きよ」そば店の粉とは大きな違いがありました。比較的、粉の感じは札幌新川そばの会のそば粉に似ています。もちろん、一粒一粒をよく見ると、甘皮近くの成分も多く含んでいるなと感じます。
水回しでは、450mlと、普通の量で纏りました。捏ねの初期段階では、この粉も少し割れましたが、早い時期で解消しました。
のしに入ると、札幌新川そばの会の名人から、種々ご指導いただきながら最後まで進みました。
この間にご教授いただいた内容は、あまりに多いので、ここで述べるのはやめておきます。
本当に勉強になりました。
こちらのそばは、名人の手を借りながら、1.2mmまでのせました。
どちらのそばも、人に差し上げても大丈夫かなというところまで来ました。

この1年間、本当にそば打ちの勉強が進みました。
読んだ本:32冊
読み終えていない本:8冊
読んだ論文:26報
読んだコミック:1種15巻
雑誌:数は不明

そして、そば打ちの実践の場で教えていただいたこと、
96項目

来年から、これらから学んだことを少しずつ纏めていければよいなと思います。

2015年12月28日月曜日

山形県大石田町 来迎寺在来種そば

2015/12/29 

山形県大石田町のきよそばでいただいた来迎寺在来種を、生粉打ちしていただいた結果報告です。
結論は、来迎寺そばは、そばの香り、味ともに大変良いそばでした。

最初は、キタワセ種を頂くときと同じ時間で茹でました。すると、キタワセに比べて少し硬めに仕上がりました。そのため、噛む回数が少し増えます。味と香りを感じますが、それほど味と香りが良いとは思えませんでした。
ところが、息子が歯が痛いと言うので、普段より軟らかめに茹でて欲しいというので、少し長い時間茹でて、麺を柔らかす仕上げてみました。すると、「このそば美味しいね?」という反応でした。普段は、硬く茹でたそばが好きな人ですが、面白い反応でした。そこで、少し食べてみると、硬さは左程柔らかくなっていませんが、味と香りが別物でした。美味しいそばに変身です。

来迎寺在来種のそばは、キタワセ種に比べて、少し長めに茹でたほうがそばとして美味しさが増すようです。この点を考えると、少し厚めにのした方が美味しいそばとしていただけるのだと理解でしました。山形の3店の蕎麦屋さんでは、このそば粉を少し太めに仕上げていた理由は、この辺にあるのかもしれません。

きよそばよりいただいた、来迎寺在来種生粉打ち


2015年12月27日日曜日

そば打ち記録(30) 2015/12/26 札幌新川そばの会にて

2015年12月26日

天候:曇り
気温:マイナス1℃

<1回目>
そば粉:福島県 喜多方市ふるさと振興㈱提供
品種:山都在来種
製粉:11月24日
重量:1kg
加水量(率):550ml(55%)⇒最終的に650mlは入っています。

先日、喜多方市山都の喜多方市ふるさと振興㈱で購入してきた、在来種のそば粉1kgでそば打ちにチャレンジです。
粉は、ある程度水分を保有している粉と感じました。水回しを開始し、500mlを加えても纏りません。550ml入れて初めてまとまりました。ところが、捏ねるとひび割れしてしまい、このまま進んでも切れてしまうので、少し水を加えてねり直しました。数回同じ作業を行い、少し柔らかめですが、何とか捏ねあがり、のしに移ることができました。麺体が切れやすい状態は続いていましたが、1.2-3mmの厚さまでのせました。
ところがです、切りに入ると、全ての麺が数センチメートルに切れ切れになってしまいました。私の前で打っていた大先輩のT氏曰く、「そのそばは、纏らないと思うよ」「粉が古いんじゃないの」と言われました。なんと優しい💗お言葉。製粉は11月24日なので、1か月前です。古いと言えば古いのかもしれませんが、・・・。1カ月なので何とかなるのではと。
水回しが悪かったのかもしれません。やはり、札幌新川そばの会のそば粉は、打ちやすいように製粉されていることを改めて感じます。難しい粉にチャレンジということで、様々な産地の粉を集めて、そば打ちにチャレンジを始めましたが、今日の第一ラウンドは、KOされました。ここまでの厚さにして切れない生粉打ちそばを打てる腕は、まだ無いということでした。水回しが最も重要と言われて来ましたが、また、勉強のやり直しデスネ❗

新そばだったので、残念。再チャレンジですね。

<2回目>
では、ということで別の粉を取り出しました。先日、山形県大石田の来迎寺在来種で十割そばを提供している「きよ」そば店から分けていただいた、来迎寺在来種です。

そば粉:山形県 大石田町 きよそば店提供
品種:来迎寺在来種
製粉:不明
重量:1kg
加水量(率):490ml(49%)

粉を篩に入れると、篩う前にフワーと全ての粉が篩の下に落ちました。細かな粉です。
水回しでは、490mlと、多めに水が入りました。捏ねの初期段階では、この粉も割れました。こねが進むと水が出てきて、しっとりと艶がでました。先ほどの粉は、この段階でもなかなか艶が出ませんでした。それでも、そばの会のそば粉を打つ時に比べると多めに水が入っています。
その後、のしに入り、「どうも、これ以上薄くすると切れるな?」という感じがありました。そこで、普段のそばの厚さに比べると、0.1-2mmほど厚い(1.4-5mmはある)ところで、のしを止めました。そう云えば、「きよ」そばの麺は結構太かった記憶です。思い出しました。山形県大石田町でいただいたそばは、4店全てが太いそばでした。きよそばさんの麺は、1.5-1.7mmありました。そば粉の限界なのか、このそば粉の美味しい麺の厚さがこの厚みなのか不明ですが、お店では太麺でした。
粉の質にて、麺体の厚さを制御されるということがあるのでしょうか?という疑問が沸いてきました。
私の目標は、どんな粉でも、1.2mmまではのしたいと思います。しかし、まだ、そこまで腕が無いので途中であきらめ、ここまでかな?というところで仕上げてしまいました。良かったのか?悪かったのか?思案中です。

一応、そばとして食べられました。

2015年12月6日日曜日

そば紀行(2) 山形県 大石田そば街道

山形県大石田町にそばの旅です。
大石田町は、最上川の船着き場として栄えた町で、最上川の川べりには白壁を描いた防波堤があったり、文豪が良く訪れた町として、松尾芭蕉、斎藤茂吉などが紹介されていました。隣町に尾花沢市がありますが、JRの駅は大石田だけなので、尾花沢市や市内の銀山温泉へ行くにはここで降りるのだそうです。
大石田町は玄そばの産地として知られており、生産量は山形県内でもトップクラス。夏と冬、昼と夜の寒暖の差が大きく、デンプンの蓄積を多い、豊かな風味を生むそばになるといわれています。近年は、町おこしも含めて、そばの里づくりに力を入れており、平成13年には環境省「かおり風景100選」に「大石田町そばの里」が選ばれているそうです。
大石田そば街道は3つの地区(次年子地区、大石田地区、来迎寺地区)からなっているようです。在来種としては、来迎寺種が有名で、別に次年子の在来種があるようです。来迎寺種のそば粉を扱っているのが、大石田と来迎寺地区で、次年子は大石田地区から車で20分ほどの集落でのそば種です。異なるそば在来種なので、次年子在来種と来迎寺在来種を試そうと、訪問前に下準備をして、お店を選択していました。大石田町のホームページからアクセスした大石田そば街道パンフレットの事前情報では、大石田そば街道で、生粉打ちそばを提供するのは、「きよそば」と「ふうりゅう」という2店舗のみでした。この情報を基に、大石田町に問い合わせたところ、この2店舗は、来迎寺在来種のそばを扱う店で、次年子は扱っていないという情報でした。次年子を扱う店では、生粉打ちは無いようです。次年子そばの栽培から、製粉、そば打ちまでやっている店が、次年子そばを広めようと活躍されてきた、「手打ち次年子そば」というお店ですので、次年子そばで伺うお店には、ここを選択です。実際に行ってみて、これらの事前情報は、ほぼ正しかったです。「手打ち次年子そば」は、十一でした。また、来迎寺種の生粉打ちそばを提供する店が、もう一店舗できたそうで、「そば屋 昇」という店です。今回は未訪問でした。

大石田駅に着き最初に向かったのが、次年子の「手打ち次年子そば」でした。駅からタクシーに乗り、次年子地区を目指しました。往きながら、タクシーの運転手の方から、「そば屋 昇」の情報を得た次第です。車で20分超走ると、山の中腹にお店が現われました。雪交じりのなか、私と運転手さん二人で店の中へ駆け込み、そばをオーダーです。どちらにしても、また、大石田に戻るので、改めて車を呼ぶより、運転手さんに待ってもらうことにし、ついでに、一緒にそばをいただくことになりました。
二人とも、もりそばをお願いしました。このお店で扱うそば種は、やはり次年子在来種を用いていて、自ら栽培し、提供しているそうです。つなぎを入れ十一で提供しているというのは、お店の方に伺いました。雪交じりの日ですので、お客さんは我々二人だけです。
最初に、漬物と山菜のお浸しが出され、これが大変美味しい漬物でした。漬物をつまみながら、運転手さんから大石田のそばや、町の情報を教えていただき、そばが来るのを気長に待つこと、15分くらいでしょうか?そばが目の前に現われました。そばの太さが1.8~2.2mmの 太麺で、玄蕎麦を一緒に挽いた粉も含んでいるのかなと、そばを拝見して思いました。少し、グレーかかったそばの色でした。まずは、そばだけいただきました。そばの香りはありますが味は思ったほど強くありません。つなぎが入るので、そばはつなぎ独特の、「ツルツル」感が前面に出て、そばの味もつなぎが邪魔をしているように感じました。また、見た目とは異なり柔らかいそばです。筏もあり、端のそばもありと、色とりどりのそばを堪能です。つゆは、 薄口醤油使用して(確証はありませんが、つゆの色合いは薄いのでたぶんそうだと思います)、だしは魚の薫りが強く、甘みと辛みは普通の濃さです。そばの量は、多いので、朝食を抜いてきたのですが、結構溜まります。
次年子在来種のそば本来の香りと味を確かめたいので、そば粉を分けていただけないかお願いすると、快くご了解いただきました。一度、生粉打ちで試してみます。

もりそばに付く山菜&漬物
次年子在来種の十一もりそば


次に向かったのは、来迎寺地区の来迎寺在来種を自家製粉し、生粉打ちしている「きよそば」さんです。こちらは、広い店内がほぼ満席で、相席でお願いしました。
「もりそば」というメニューはなく、「板そば」とあります。これが「もり」に該当するそうです。四角い木の皿に、直接そばが載っている山形県特有の「板そば」です。こちらのお店も、待つ間に、漬物が出されます。今回は、きくらげの漬物が珍しいなと賞味しました。そばが出るまでに、30分くらいかかりました。お店が混んでいるのもあります。店では、見えるところに窯があり、打ち台はその奥になります。見ると、奥の木鉢でそばを捏ねているので、追い打ちしながらなのだと思いました。「きよそば」でも、来迎寺在来種のそば粉を手に入れたかったので、恐る恐る、そば粉を頂けないか伺うと、同様に、快く分けていただくことができました。これで、同一地区で2種類の在来種そば粉を手に入れ、今回のそば紀行の目的をほぼ達成です。
そうこうしていると、板そばが来ました。そばの太さは、1.5~1.7mm の太麺のそばです。まずは、そのまま頂戴すると、そばの香りと味を感じるそばで、ほんの少しだけ柔らかいと感じます。しかし、つなぎのツルット感は無いので、違和感はありません。少しだけ噛みながらいただく、田舎そばという範疇に入るそばなのだと思います。玄蕎麦は入れずに丸抜きからの製粉で、ある程度目の細かなメッシュで篩ったそば粉で打っていると思います。そばの表情には、ざらざら感がなく、生粉打ちですが喉越しで引っかかりが少なく、麺は太めのそばなので、噛むのか呑むのか迷う複雑なそばだなと思いました。板で出来た箱に、そばがそのまま入っているので、水切れが良くない状態が最後まで続きます。反対に、最後まで水が纏わるそばがいただけます。
少し太い田舎蕎麦ですが、生粉打ち出来るように細かな粉を選んで打っていると思います。そのために、田舎蕎麦に良くみられる、丸抜きの挽きぐるみや、玄蕎麦入りではない、洗練されたそば粉での太麺のそばという印象でした。
つゆは、カツオとその他の魚の匂いが強いつゆです。甘みと辛味とを抑えぎみにしているので、特に魚を強く感じました。また、つゆの色は薄い色ですので、こちらのお店も、薄口醤油を多少使用しているのではないかと思います。

そばと漬物
そば全景

この店からの帰りに、運転手さんに教えてもらっていた、団子の名店があるということなので、これを逃す手はないと、雪交じりの雨の中を一路団子屋へ向かいました。「最上川千本だんご」という横丁豆腐店が提供する団子です。飯米を2度つきした団子で、勿論保存剤などは一切使用していない団子で、当日中に食べないと硬くなるそうです。餡、くるみ、ずんだ、栗などに加えて、だだちゃ豆もあります。だだちゃ豆は、山形県庄内地方鶴岡市の特産品で、本当に濃い味で、美味です。だだちゃ豆のずんだと、普通のずんだとをお願いし、これに、栗入りあんとクルミもお土産にしました。このお店では、10周年記念だそうで、今週末にそのお祭りをするそうです。その記念にと、みたらしだんごを2本も頂戴しました。そうだ、「くじらもち」も頂戴しました。感謝、感謝です。
最上川千本だんご(くるみ、栗入りあん)
だだちゃ豆ずんだ&ずんだ

駅に戻り、駅前に「ぱんどら」という和洋菓子店があります。このお店も事前情報では、美味しいお菓子があるということなので、寄ってみました。「あわゆき」というお菓子で、あん、ずんだ、くりとあるそうですが、通常は冷凍品を販売しているが、生でアンだけ有るとのことです。他の味は、冷凍になっているので、帰宅するころには解凍され食べごろとのお話です。生の物を試してみたいので、生の「あわゆき(アン)」を3個だけ購入です。これは、まだ、いただいていません。

最後に、時間を少し残すことができたので、駅隣の「ふうりゅう」に入りました。ここでは、製粉は外部委託で、2番粉のみを使用しているそうです。こちらも、もりそばはなく、板そばです。板そばだけでは寂しくなってきたので、「イカげそ天ぷら」付でお願いしました。よくよく考えると3枚目にイカげそ天なので、多いなと思いながらも、目が欲していたようです。
「きよそば」と同じ来迎寺在来種で、自家製粉のそば粉と製粉会社のそば粉の両方が手に入ると面白いなと思い、こちらのお店でも粉をお願いし、分けてもらいました。これで、3店舗2種3様の3kgのそば粉を担いで、団子4本+2本と、3個のお菓子を持って帰ることになったのです。
こちらでは、漬物が最初に出されませんでした。そばと一緒に少しついてきただけです。その代りに、そばを待つ間には、揚げそばが供されました。塩味の揚げそばも美味しかったです。出された板そばは、前のきよそばさん同様に1.5~1.8mmの太麺でした。そばの香りと味は、「きよそば」のそばとほぼ同様のそばです。しかし、茹では、少し硬めで提供しています。また、板の上に直接そばを置くのではなく、すのこがあるので水切れが良いそばです。2番粉のそばは、ザラッと感は少なく、もっちりスッキリという感じのそばです。
つゆは、癖がなく、だしと辛味と甘みの全体を少し抑えているものでした。色は薄いので薄口醤油を使用しているのか?と思わせるつゆでしたが、確認していないので、本当のことは不明です。だしは、他の2店舗ほど魚の薫りを感じませんが、だしの強いつゆであることには変わりがありませんでした。
来迎寺2番粉板そばとげそ天
同 そばアップ

大石田そば街道の3店舗で感じたのは、山形市内のそば屋さんで出される板そばの田舎蕎麦に、一番近いのが、次年子でのそばでした。来迎寺の生粉打ち2店舗は、丸抜き2番粉あたりのそば粉を用いて、これまでの田舎蕎麦ではない食感を提供しながら、田舎蕎麦なんだと主張するそばのように感じました。加えて、つゆは、江戸そばの甘く辛く濃いそばつゆではなく、甘みと辛みを抑え、色を薄くして、だしを強くして味を補うという(失敗すると魚臭くなりますが)、こちらも最近のそばのウェーヴに乗るよなつゆでした。
美味しいおそばに、お腹はパンパンです。盛が良いです!!団子は無理かな?でも、団子は今日中なんです。明日には硬くて食べられないとお店の方が言われてました。