札幌そば研究センター

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2017年11月5日日曜日

そば打ち記録(70)山都町宮古地区大下さんから頂いたそば粉でそば打ち

先週末に伺った山都町宮古地区大下さんから頂戴した宮古地区在来種新そば粉でそばを打ちました。

大下さんから頂戴したそば粉は、超微粉ですので湯捏ねでのそば打ちです。
1kgの粉に対して500mlの沸騰した湯を加えて素早く水回しです。その時間30秒くらいでした。1分はかかっていません。その後すぐに捏ねながら粉を少しずつくくっていきます。段々とそば粉が温かさとともに大きな団子状になってきます。少し水が足りないのでこの段階で少しの水を足しました。その後、耳たぶの柔らかさになるまで捏ねながら硬さを調整します。ここまで、3分程度です。

最初に、固まったそば粉の塊を1つにして江戸流の丸出しにしてみようと始めましたが、回りの部分が割れます。このまま、丸出しを続けてもそばにはストレスになることを再確認しました。そこで、塊を3つに分けて、1つずつを丸にのしました。これを3回繰り返して3つの丸くのされたもの作ります。ここまで、9分です。

これを3枚重ねて、2つにおり半円形になったものをまな板に置き、いつもと同様に切りました。最初は短いそばになりますが、2つ目からは食べに窮しないそばの長さになります。切り終えて、18分ですので、超短い時間で1kgのそばが出来上がります。まだ、切り終えたそばには、最初に加えたお湯の温かさが残っています。

これらの水回しから切るまでの方法は、昨年大下さんを訪問した際に店主と奥様に無理を言って見学させていただいた宮古地区のそば打ちの方法です。これで、美味しいそばになるというお話は、そばに無駄なストレスをかけないで、そば粉をそばにする方法ということでした。長い時間をかけて昔から山奥(失礼な表現ですが、本当に山の中なのです。現在進行形で道路拡張工事をあちら事らでやられています。これが出来上がれば便利になりそうです。)で打たれてきたそば打ちの方法です。もちろん、この地域でのそば打ちの文化は、江戸でのそば打ちが確立する以前から打たれてきた方法ですので、その歴史から学ぶことは多いと改めて感じます。

この地域のそば打ちを知ることで、やはり、江戸流の水回しは時間の無駄をしていると思われますし、丸のしから四つだしという工程は、そばにとっては迷惑千万な方法ではないかと思います。生粉打ち(十割そば打ち)の江戸流でのそば打ちが難しい(難しいというより、商売には不向きという意味合いの方が大きかった。扱いが面倒なのでつなぎを入れて切れにくくし、打つ場所が狭いのでそれを考慮し、加えて、捨てるそばが少なくなるように効率を考えて自然と現在のような打ち方)と言われ、そばがつながり難いのは、無駄な力をそばに与えているのが一因とも考えられます。

札幌新川そばの会では、生粉の江戸流打ちに耐えうるそば粉(平均して歩留まり60%以下のそば粉になるように(粗びきが加わらない)メッシュで篩う)を用いるので、生粉打ちでもつながることは、付け加えておきます。

1分で水はそば粉に回るのです。これは論文にもその記載を見出すことができますので、水が粉に回るには1分もあれば十分なのです。その後に加える水は、塊にするためです。その時間が少しかかる粉(粗挽き等は、水もたくさん必要ですし時間もかかります)や、まったく必要のない粉(通常にそばを挽いて、60メッシュ以上で篩い歩留まり70%以上あるようであれば難しくない)まで色々です。

江戸流のそば打ちの手順でそばをきれいに打つということと、美味しいそばをいつも打つということは、目の前にあるそば粉をどう打てば美味しくできるかという視点で考えると、別物のように思えてきます。

とは言っても、江戸流のそば打ちでしっかりそばを打つということは、段位認定にはその型をしっかりできるようになることを求められている以上は、それも必要ですし、それを否定することもありません。

目の前のそば粉は、それを植え育てて、刈り取り、製粉するという沢山の苦労の上に存在しています。それを頂戴して、そばに製麺する作業だけを受け持っているのですから、よりおいしくして食べてあげたいなと改めて思いました。そのような思いに至ったのは、目の前のそば粉を育てた大下さんから直接頂戴したからかもしれません。感謝・感謝です。

茹でたそばは、数日前に宮古でいただいたそばと同じようなそばになりました。美味しく頂戴しました。

ちゃんとつながり、そばになりました。
数日前にいただいたそばと一緒です。

2017年11月4日土曜日

そば紀行(26) 大下 山都町宮古地区 

今年も会津の喜多方市山都町宮古地区の大下さんへ新そばをいただきに伺いました。

今年のソバは昨年より収量が少なく、あまりよくないようです。東北地区は長雨があり、日照時間も例年になく少なかったのが原因であろうとのことです。
今年は、お隣のソバ畑も一緒に手入れしたそうです。この地域でも高齢化と過疎化が進み、ソバ栽培する農家が減ってきているそうです。今回一緒に手入れしたソバ畑の持ち主も高齢で、畑の世話ができなくなったことが原因だそうです。

一方で、在来種のそば粉を求める人は増えてきているそうで、山都と喜多方の間に店を出されたおそば屋さんからも、在来種そば粉をどうしても分けてほしいという話があるそうです。大下さんは、この地区でそば店をやりながらそば栽培している数少ない(確か3軒しかない)お店ですが、お店の方は大きくやっているわけではないので、収量の範囲でそば店をやることができているそうです。現時点では、在来種のそばを求められれば、在来種でそばを提供できているそうです。それも、現在の状況が精いっぱいで、これ以上店を広げるとそば粉が足りなくなるようでした。

山都地区のそばは、そば粉の製粉が独特で、ドラムで微細に玄そばを挽いて、歩留まりを60%程度で篩掛けするので、相当に微細の粉に玄そばの非常に小さな黒い星が少しだけ入る粉になっています。簡単なイメージとしては、更科系のそば粉に玄そば挽きぐるみの微粉のみを加えたような配分になっているのだと思います。一般的に、玄そばの挽きぐるみは、田舎そばと呼ばれ場合が多く、玄そばの黒さが目立つそばになりますが、この地区の製粉は、一般的な田舎そばにはならずに、上記のような更科+玄そば挽きぐるみの微粉のみというようなイメージですので、まったく異なるそば粉です。この地区と同じような製粉をしているのは、これまで伺ったそば屋さんでは山形県のそば切り源四郎さんです。
そば粉の性質から、水でのつなぎは厳しく、デンプンの固化を用いてつなぐ湯捏ねが主流です。

数年前から、大下さんからそば粉を分けえもらい、水で何度か挑戦しましたが、水でつなぐには相当の量の水を加えて、少しそのまま置いて、水がそば粉内に吸収されてからのすという方法でつながりました。しかし、やはり非常に切れやすいので、茹でる際には相当に気を使わないとバラバラになります。一方、前回訪問時に打ち方を見せていただいたような湯捏ねで四つだししない方法であれば、十分つながったそばとしていただくことができます。

今年は、製粉されたそば粉に加えて、玄そばも分けていただきました。この在来種の玄そばを1年間冷温で熟成させて石臼で自家製紛して試してみたいと無理を言って分けてもらいました。感謝、感謝です。来年には、どんな味になったかを報告しに行きます。
そばができるまでに
手作り刺身こんにゃく美味しいです 

透明感のあるそば
二皿目は天ぷらを出してくださりました
2玉もペロリでした

2016年12月20日火曜日

そば打ち記録(60) 粗挽きそば 山都宮古そば

2016年12月17日(土)

天候:曇り
気温:1℃

福島県山都の宮古宮古地区の「宮古そば大下さん」で分けていただいた、宮古地区の在来種の粗挽き粉を、湯ごねでチャレンジしました。

今回の湯ごねの方法は、大下さんで教えた頂いた方法にて打ちました。

  1. 最初に、熱湯を加えます。
  2. その後、水回しの方法で湯を粉に行き渡らせます。
  3. 握ってみて塊を指でつつくと割れる状態にします。
  4. そば粉の真ん中を空けて、そこに残りの湯を加え、その水に周りの粉を捏ねていきます。
  5. 硬さを調整し、少しだけ手水を加えます。
  6. 捏ねます。
  7. その後は、江戸そば打ちの方法で打ちました。(宮古地区の権三郎さんでは、塊を3つくらいに分けて丸くのします。3枚を重ねて切るという方法をとられているそうです。)(大下さんではこの後どのようにされているのかは不明です。聞いていませんでした。)
今回、まとめる際に少し水が少なかったようです。丸のしからひび割れました。その後も、ひび割れとの戦いでした。
何とかのして、たたんで、切りました。全ての工程で、細心の注意で扱いました。雑に扱うと、簡単に切れます。なかなか大変なそば打ちです。以前チャレンジした更科の湯ごねでのそば打ちに比べて、各段難しいです。水が足りなかったからかもしれません。

これを茹でて、いただきました。宮古でいただいた蕎麦より細く仕上がりました。
宮古でいただいた蕎麦と同じような食感、香り、味ですが、この細さの方が良いかもしれません。
角の立ったプリプリの蕎麦が活きるように思います。??自画自賛??



2016年2月16日火曜日

そば打ち記録(35) 札幌新川そばの会

2016年2月13日

天候:曇り
気温:6℃ (2月とは思えない暖かさ)

2月最初の札幌新川そばの会でのそば打ちでした。
昨年は、1月はお休みでしたので、2月最初の会が年の最初の会でした。今年は、既に3回目と機会が増え、ありがたいことです。

今日は、福岡に住む妹からのオーダーで、1.5kgを最初に打って、本日中の航空便で送るというのが第1ミッションです。1.5kgを打つのは久しぶりです。昨年の秋口には1.5kgで打ちました。10月以降からは、教室のそば粉以外で打つ事にチャレンジしようと難しそうなそば粉を求めて東北に赴き、色々な粉を入手してチャレンジして来ました。この期間では、最初に教室の粉1kgで試して、その後に別の粉で打つという作業を繰り返してきました。その中で、唯一蕎麦にして食せる状態に出来なかったのが、福島の山都で購入したそば粉でした。今日は、1.5kgの送付用のそば打ちと、山都のそば粉でのそば打ちに再チャレンジが目標です。

<1回目>
そば粉:厚田産
品種:キタワセ類似種
製粉:2016年2月
重量:1.5kg
加水量(率):730ml(48.7%)
打ち時間:60分

久々の1.5kgですが、特に問題なく打てました。地のしで直径70cmまで持って行けたので、その後の丸のしが楽でした。問題は、四つだしでした。最初の側を上下で出して、対角線側を出して反対側に入ろうと開いた際に、結構良い感じで4ツ角が出ていました。まだ最後の角をのところをやっていないので、迷いながら最後のところも巻いたのですが、これが失敗の基でした。少し歪んでしまい、肉分けで整えるのに時間がかかってしまいました。機械的にやったのが良くなかったようです。
その後、のし過ぎに気を付けながら、1.3mmまでのしました。これを切り、4つのプラスチック大型弁当箱に詰め、ラップをして、送れる状態にして終了です。

<2回目>
そば粉:福島県山都産
品種:会津のかおり
製粉:2016年2月
重量:1kg
加水量(率):570ml(57%)
打ち時間:65分

再チャレンジ山都のそば粉です。今日のそば粉は、蕎邑さんで分けていただいたそば粉です。篩うとスーと粉が下に落ちました。この経験は、前回の山都のそばで経験した状況と同様です。よほど粉が含む水分が少ないのか、あるいは、粉が細かいのかのどちらかだと思います。そもそも山都そば粉には決まりがあり、歩留まり66%以下とあります。1,2番粉が中心の粉で、透明感があるが更科とは異なり、2番粉まで入っている粉です。ですので、ただ細かなそば粉というわけではないと理解しています。前回の山都のそば粉は粗挽き粉は入っていませんでしたが、今回の蕎邑さんのそば粉は粗挽きも含んでいると聞いてきたので、少し驚きでした。これらの状況を考えると、やはり、水分含有量が少ないのかもしれないと考え、水が多めに入るかもしれないと意識してのそば打ち開始でした。山都では湯のししているとのことでしたが、今回は再チャレンジでもあり水で挑戦です。と言うより、湯ごねはやったことないので。
水回しを開始し、500ml入ったところで、教室の粉ならこの程度であればまとまると思い、ここでまとめに入りました。しかし、軽くこね始めると、反対側が割れます。ここで、大先輩のK氏から、「水がたりないね!」と、アドバイスをいただき、一度崩して再度加水、もう一度加水と水を加え70mlほど入りました。しかし、追加の水ですので、粉の中には入りこみません。何とか割れは回避できるところまで来ました。
のし始めると、少しサメ肌状態になり切れそうな前兆が出てきました。のしながらこねて、それらが見えるところをツルツルに修正してのし上げました。この方法は、新川の名人K氏や一昨年の幌加内名人のH氏からご教授いただいたのし方で、実践で試して出来たのは今回が初めてです。これは良い経験でした。妙な自信が付きました。これで、切れないような麺に修正しながらのすことが出来そうかな!! 忘れないようにしないと!!

切り終えたそばは、蕎麦麺として成り立っていました。前回は、切り終えてつまみあげると切れましたが、今回は大丈夫でした。また、茹でても切れなかったので、再チャレンジはかろうじてクリアーでした。もう1回試せるので、次回は、水の量に注意して打つことにします。

教室のキタワセ類似種
蕎邑さんそば粉;会津のかおり
会津のかおり;粗挽き粉近景

2016年2月7日日曜日

そば紀行(5) 福島県 山都 蕎邑 と 会津若松市 桐屋

昨年11月に山都に初めて行きましたが、お目当ての蕎麦店がお休みでした。加えて、その際に購入した山都産のそば粉を購入しました。これを昨年末に打ちましたが、そば切りになりませんでした。水を70%近く入り、その後ねりでもひび割れし、最終的には麺に切りましたが、ボロボロと切れ、麺になりませんでした。同様に山形で購入した粉等々、様々な粉でのそば打ちを、昨年秋から末にかけて試みましたが、唯一蕎麦にならなかった山都のそば粉でした。
前回行けなかったそば店への再訪問と、唯一蕎麦に打たせてくれなかった山都のそば粉でのそば打ちへの再チャレンジという強い動機が、今回の山都再訪問の理由でした。

山都地区は、会津若松から電車で30分ほど新潟寄りです。訪問前は、すごい雪なのだろうなと想像しての訪問でした。しかし、予想は大きく外れ、雪はあまりなく、かつ、天気が良く暖かい日でした。前日降った雪がすっかり融けています。あまり天気が良いので、山都駅からは全て徒歩での移動にしました。ゆっくり小さな街中を歩いて。



最初に訪問したのは、前回お店は営業していましたが、パスしたお店「萬長」です。
お店に入ると、TVがついていて、NHKのNewsをやってます。日本は、何処に行っても同じだなつくづく思います。
メニューには、ランチ定食や丼物が先に現われます。そばメニューはそれを1枚めくると出てきました。メニューを見なくても、もり蕎麦なのですが一応確認です。そば店の資料には、1日20食限定の蕎麦とありましたが、メニューには掲載がなので伺ってみることに。
「限定蕎麦は、寒晒し蕎麦のことで、今はまだ出ていません。」とのことでした。寒晒し蕎麦であれば、3月以降ですので、それはあたりまえです。ということで、特別な蕎麦は無いので、予定通りのもり蕎麦をお願いしました。


山都産のそば粉を、製粉所から仕入れているそうです。歩留り70%以下が山都そばの決まりですので、その範囲の歩留まり率の蕎麦だと思います。
そばの太さは1.5~1.7mmのそばで、茹では堅めです。これがスタンダードの山都そばの味と香りなのかと思いながらゆっくりいただきました。汁は付けずに半分頂きました。会津のかおりは、こんな感じなのだという印象はつかみました。特段、香りがつゆいわけではなく、甘みが強いわけではなく、喉越しに特別な印象を与えるわけではありません。キタワセをいただく機会が多い私ですが、キタワセより特徴が無い蕎麦だなという印象です。
つゆは、鰹と昆布に何か他の節を加えた混合だしをベースにしているのかなと思われます。これは、お店の方に聞いたわけではないので、あくまで私の印象です。

萬長を出て、近くにある山都地区唯一のお菓子屋「宇太郎」へ。前回の訪問の際に見つけて、「蕎麦クッキー」を購入。素朴な品ですが美味しいお菓子でしたので寄ってみました。有りましたので、今回も「蕎麦クッキー」をゲットしました。



さて、宇太郎をでて、今日のお目当ての「蕎邑」へゆっくり歩いて向かいました。道の途中に山都商工会議所があり、3月開催予定の寒晒しそば祭りのポスターを掲載していたので伺って、お話を聞いてみることにしました。お昼時でしたので、1名の居残りの方が居られて、親切に対応いただきました。寒晒しそば祭りには大勢の方が訪れるそうです。甘みが増すということで、美味しいですよと言われてました。そば店のことや、製粉所のこと等について情報収集です。山都地区のそば粉を最も多く扱っている製粉所の情報を得ました。山都産そば粉の購入も可能になりそうです。

いよいよ、蕎邑到着です。暖簾が出てます。やってます。実は、数日前に今日訪れることを連絡しており、お店は開いていることを確認済みでした。前回学習しましたので。

お店に入ると、お客が誰もおらず独り占め状態です。前回訪問の際の事について話し、札幌から伺ったこと、どうしても一度伺いたかったこと等々、色々とお話しすることができました。そばを待つお客さんが、そば打ちを見学できるように、客席から打ち台が見えるような作りです。これは、先日伺った仙台市の古拙と一緒です。

メニューには、そば料理のみの記載です。もり蕎麦の隣には、高遠蕎麦がありました。大根つゆで頂くもり蕎麦です。やはり、つゆも確認したいので、もり蕎麦にしました。コミック「そばもん」がきれいに並んでいます。その他そば関連の雑誌がいくつか陳列されています。

もり蕎麦があがってきました。折角遠くからお越しいただいたのでということで、大盛にしましたからと、大盛をいただきました。これは、ありがたいですね。





そば粉は、山都産の「会津のかおり」の石臼自家製粉です。篩は手篩でやっているそうで、結構大変ですと言われてました。また、「うちのそば粉は、粗挽きです。」と言われていました。
蕎麦の状態をよく見ると、甘皮が少し入っていますが、全粒粉で無篩ではこんなに少ないことは無いので、甘皮が入る篩目の粉を一定量加えてブレンドしていると思われます。
麺は、堅めに茹でています。太さは1.2~1.4mmです。
先ほどの「会津のかおり」とは明らかに異なります。香りがあり、そばの甘みも感じます。何より喉越しが大変良い引っかかりがあります。ザッパク感があるというこです。これは大変美味しい蕎麦です。キタワセの篩目を大きくした蕎麦で味わえる蕎麦に近いです。粗挽き粉をどの程度加えるのかが重要なポイントなのだと思います。大盛でしたが、あっという間にいただきました。
辛汁は、本かえしと宗田節のみでひいただしで造るそうでそう。甘汁はいくつかの節をブレンドしてだしをひいているそうです。辛汁は宗田節のみのだしですので、アミノ酸の旨みが後に尾を引く汁になります。汁に関しては、もう少し切れがある方が良いのではないかなと思いました。

大盛の御礼を云い、そば粉を2kgほど分けてもらいました。今度、山都産粗挽きそば粉でそば打ちにチャレンジできることになりました。私のリュックには2kgが加わり、少し重くなったリュックを担いで山都駅に向かいました。

山都を後にし、会津若松に電車で戻っています。会津若松では前回訪問した桐屋の中で「桐屋権現亭」に伺ってみようと思います。前回は、「桐屋夢見亭」に伺いましたので、別の方の店へ行くことにしました。桐屋は唐橋さんのお店です。唐橋さんは全麺協の全国審査員でもあり、そば店主として様々な活動をされており、その活動が色々なところで取り上げられている大変著名な方です。前回はお会いすることができず、今回はもしいらっしゃれば、ご挨拶していこうと思ってました。会津若松駅に着き、一度電話してから伺おうと思い、連絡してみると3時までですと言われ、残り1時間でした。また、唐橋さんも店に居られるということで、是非伺いますと伝えて、駅から早歩きでした。店構えは、風情があって素敵な外観です。中には囲炉裏がありました。


前回は3種盛を頂戴したので、今回は十割そばの2種をいただくことにしました。会津頑固蕎麦と会津のかおりです。水蕎麦は会津頑固蕎麦ベースで量は半分なので、それをお願いし。もり蕎麦は、会津のかおりの十割そばにしました。

水蕎麦は、田舎蕎麦の会津頑固蕎麦を井戸水の中に入れた状態で提供され、このままいただきます。水独特の香りと味とが無く、すっきりとした井戸水です。この中に頑固蕎麦が入っています。蕎麦は香りがあります。甘みはあまり感じません。喉越しは、十割のもり蕎麦とは違い、水を含んだそばの喉越しなので、水の喉越しが優先されて、ツルッとした喉越しになります。喉越しが、もり蕎麦と水蕎麦の大きな違いだと思います。また、辛汁を使わないので、喉を通った後はそばの香りと水の残り香です。





会津のかおりの十割蕎麦は、ボリュームがあります。頑固蕎麦に比べると、香りが少ないと感じます。甘みはあまり感じません。本日最初にいただいた萬長の「会津のかおり」に比べると、香りを感じ、喉越しのザッパク感を感じます。甘みは変わらないと思います。



食事が終わると唐橋さんが店に出てこられました。ご挨拶し、今年の全国大会のことや、3月のいわきでのそば講習会のことなど、色々とお話しできました。北海道との関わりも深く、今年も北海道のそばの大会には出向いて来られるそうです。面会いただき感謝感謝です。最後にそば茶と絵葉書を頂戴しましました。ありがとうございました。

2015年12月27日日曜日

そば打ち記録(30) 2015/12/26 札幌新川そばの会にて

2015年12月26日

天候:曇り
気温:マイナス1℃

<1回目>
そば粉:福島県 喜多方市ふるさと振興㈱提供
品種:山都在来種
製粉:11月24日
重量:1kg
加水量(率):550ml(55%)⇒最終的に650mlは入っています。

先日、喜多方市山都の喜多方市ふるさと振興㈱で購入してきた、在来種のそば粉1kgでそば打ちにチャレンジです。
粉は、ある程度水分を保有している粉と感じました。水回しを開始し、500mlを加えても纏りません。550ml入れて初めてまとまりました。ところが、捏ねるとひび割れしてしまい、このまま進んでも切れてしまうので、少し水を加えてねり直しました。数回同じ作業を行い、少し柔らかめですが、何とか捏ねあがり、のしに移ることができました。麺体が切れやすい状態は続いていましたが、1.2-3mmの厚さまでのせました。
ところがです、切りに入ると、全ての麺が数センチメートルに切れ切れになってしまいました。私の前で打っていた大先輩のT氏曰く、「そのそばは、纏らないと思うよ」「粉が古いんじゃないの」と言われました。なんと優しい💗お言葉。製粉は11月24日なので、1か月前です。古いと言えば古いのかもしれませんが、・・・。1カ月なので何とかなるのではと。
水回しが悪かったのかもしれません。やはり、札幌新川そばの会のそば粉は、打ちやすいように製粉されていることを改めて感じます。難しい粉にチャレンジということで、様々な産地の粉を集めて、そば打ちにチャレンジを始めましたが、今日の第一ラウンドは、KOされました。ここまでの厚さにして切れない生粉打ちそばを打てる腕は、まだ無いということでした。水回しが最も重要と言われて来ましたが、また、勉強のやり直しデスネ❗

新そばだったので、残念。再チャレンジですね。

<2回目>
では、ということで別の粉を取り出しました。先日、山形県大石田の来迎寺在来種で十割そばを提供している「きよ」そば店から分けていただいた、来迎寺在来種です。

そば粉:山形県 大石田町 きよそば店提供
品種:来迎寺在来種
製粉:不明
重量:1kg
加水量(率):490ml(49%)

粉を篩に入れると、篩う前にフワーと全ての粉が篩の下に落ちました。細かな粉です。
水回しでは、490mlと、多めに水が入りました。捏ねの初期段階では、この粉も割れました。こねが進むと水が出てきて、しっとりと艶がでました。先ほどの粉は、この段階でもなかなか艶が出ませんでした。それでも、そばの会のそば粉を打つ時に比べると多めに水が入っています。
その後、のしに入り、「どうも、これ以上薄くすると切れるな?」という感じがありました。そこで、普段のそばの厚さに比べると、0.1-2mmほど厚い(1.4-5mmはある)ところで、のしを止めました。そう云えば、「きよ」そばの麺は結構太かった記憶です。思い出しました。山形県大石田町でいただいたそばは、4店全てが太いそばでした。きよそばさんの麺は、1.5-1.7mmありました。そば粉の限界なのか、このそば粉の美味しい麺の厚さがこの厚みなのか不明ですが、お店では太麺でした。
粉の質にて、麺体の厚さを制御されるということがあるのでしょうか?という疑問が沸いてきました。
私の目標は、どんな粉でも、1.2mmまではのしたいと思います。しかし、まだ、そこまで腕が無いので途中であきらめ、ここまでかな?というところで仕上げてしまいました。良かったのか?悪かったのか?思案中です。

一応、そばとして食べられました。

2015年11月29日日曜日

そば紀行(1) 福島県 山都 と 会津若松

喜多方の山都と会津若松に行きました。
山都地区は、飯豊山信仰に関わるそばの里です。会津地方のそば文化の始まりは、飯豊山の山頂の飯豊山神社の参拝の途中のアッタ坂というところにあった茶店がそばを提供したのが始まりではと言われているそうです。その茶屋で提供した地元産のそば粉を、この地域のおいしい水で打ったそば切りが評判になり、会津地方にそば文化が始まったというのが、山都地区の主張のようです。
山都のそばは、生粉打ち、丸抜きで挽いて歩留り70%以上と決められているそうです。これは、そばで町おこしをということで、山都そばのブランド化のために推進し、表明しているようです。

11時半ころに山都に到着し、最初に向かったのは、本日、一番のお目当の“蕎邑”です。ところが、暖簾がかかっていません。エッと思いながらも、玄関前まで登っていくと、屋内は電気が消え鍵がかかっていました。ある意味、山都紀行の最大の目的であったお店がお休みということで、大ショックです。こうなれば、宮古まで行ってみようと、山都駅に戻りタクシーを探しましたが、1台も居ません。ということで、オプション2も叶わないということになりました。余程日頃の行いが悪いのだと思いました。

ここまで来て、何も無しでは帰れないので、そばではないですが、山都に行ったら伺ってみようと思っていたお菓子屋さんの“宇太郎”に向かいました。大変分かりにくいところにあるお店で、やっと見つけました。そばクッキーが素朴で美味しいというので、これを購入です。そばクッキーは、そばぼうろ(Amazon)と原料が近く味も近いですが、甘みが大変少なく、焼き加減が強いので香ばしさが高い、より素朴な味です。手焼きせんべいならず「手焼きクッキー」のちょっと失敗作のように見えるけど、無茶美味しいね!!と云う、お菓子でした。病み付きです。侮れない、宇太郎のおばあちゃんです。またお会いしたいですね。
宇太郎店内
宇太郎外観
そばクッキーは 超素朴です!!
気を取り直し、駅に戻りながらいくつかあるそば店の中から、自家製粉の店の“やまびこ”に入りました。お昼時でしたので、比較的広い店内は混んでいます。お客さんは、地元の方と観光客が混在していました。早速、もりそばをお願いしました。もりそばには、水蕎麦と揚げ餅が付いています。
そばは、1.5~1.6mm程度の太さのそばで、しっかり茹でています。角が無く喉越しよりも、そばの味を楽しんでというおそばでした。詳細は定かではありませんが、そばに黒から茶色の大変小さな斑点があるので、少しだけ玄蕎麦を挽いたそば粉を混ぜているのかもしれません。つゆは、鰹節に他の魚をくわえて、昆布だしを足したような味です。(お店が混んでいたのと、大将らしき方が見当たらず、お話を伺うことができなかったので、勝手な想像です。)ちなみに、名古屋のお客さんは、そば粉を4キロほど買ってました。2200円/約1kgだそうです。
やまびこのもりそば
水蕎麦もついてきました
もう一軒寄ってみようと、自家製粉している水戸屋に向かうと、こちらも暖簾が無い。定休日の当たり日なのだと思い知りました。駅近で、他に自家製粉しているのは駅裏のそば伝承館ですので、そこまで歩き店内へ。ここは、山都そばの里センターがあるところで、山都そばのスタンダードを提供しているようです。店に入ると、驚きの駅の立ち食いそば風の食券機でした。でも、高いです。出てきたおそばは、香り、のど越し共に美味しいそばです。1.2-3mmの太さで、比較的喉越しを考えたゆで時間で提供しています。つゆは、薄口醤油を用いた、出来合のつゆのように感じました(間違っていたら、ごめんなさいです。)。そば湯で伸ばしても、全く塩味が落ちないので、多分そうではないかと思います。私には、これは少し残念でした。そばは美味しいので、そば粉を購入できないでしょうかと尋ねると、「隣のそばの里センターで買えますよ」というので、1kgだけ購入しました。今年の新そばですが、まだ値決めされていないので、昨年の値段で良いですということでした。今年は、1500円/1kgで出す予定のようですが、300円ほど安く購入できました。今日最初のラッキーです。それでも、高値ですが、一度、山都そばのスタンダードを、自ら試してみたいので・・・。。。
伝承館もりそば

今日は、最初から予定が狂ったので、とことん狂わせても良いという思いで、山都はここでやめて会津若松に向かいました。時間ができたので、桐屋さん(蕎麦手帳 /Amozon)に行ってみることに。有名なお店ですが、伺うのは初めてなので、これも楽しみです。さすがにこちらは、店が開いているかを確認しました。桐屋権現亭はお休みで、桐屋夢見亭はやっています。電話して、生粉打ちそばがまだあるかを確認して伺うことにしました。
生粉打ちは2種類あり、在来種そばの生粉打ちそば(会津頑固そば)と、新種そばの生粉打ちそば(会津のかおり)です。両方いただいてみたいなと思っていると、これに、一番粉の十一(飯豊権現そば)を加えた「そば三味(ざんまい)」があるということで、これにしました。
そば三味
会津のかおり
飯豊権現そば
会津頑固そば
3種ともに、別々の顔を持ったそばでした。「会津権現そば」は、少し土の香りを含み、喉越しにザラッと感があります。「会津のかおり」は、キタワセに近い食感で、モッチリ感があります。「会津権現そば」は、蕎麦の食感ではなく、小麦粉の食感と味があり、私には少し残念でした。そばつゆは、鰹節数種(宗田も入っているように感じます)を基本に、甘みは少しだけ抑えた美味しいそばつゆでした。

駅に戻る車の中で、運転手の方から教えていただいたお菓子を物色。会津葵と長門屋(/Amazon)さんのお菓子を購入しました。長門屋さんの香木美というお菓子は、初めて見るお菓子です。クルミと小豆餡を黒糖で包んだ直径1.5cm程度の小さなお菓子です。今年の9月に開催された、世界にも通用する究極のお土産に認定されたお菓子だそうです。大きさを考えると、大変高価ですが、これこそ、二度と買う機会はないかもしれないと思い買ってしまいました。味はまだ分かりません。究極のお土産なので、家族へのお土産にします。今日二つ目のラッキーです。
究極のお土産です

電車までに時間がまだあるので、駅舎の中をぶらぶらしていると、ガラスの向こうでそば打ちをしている方が目に入りました。行ってみると、一番粉の生粉打ちそばと書いてあります。覗くと、確かに一番粉のようです。サラシナ粉まで白くはなく、少しだけ茶・緑かかった色をしている粉を、太い麺棒でのしておられます。これは、先ほどの桐屋さんの外一の一番粉のそばと食べ比べてみようと、思わず店に入り、もりそばを頼むと、2段のそばしかないということです。さすがに4軒目なので、そんなには食べられないかなと思ったのですが、2段で1人前ですということでしたので、これをお願いしました。結構良い値段です。
出てきたおそばは、一番粉の生粉打ちです。味はしっかりで、喉越しもまずまずです。つゆには期待していませんでしたが、その通りでした。しかし、今日三つ目のラッキーです。
「そばは、様々だな」ということを改めて感じた1日でした。どこの、どのそばが美味しいのか???
そもそも、最近の悩みである、“美味しいそば”の定義は何なのだろうと模索していますが、なかなか掴めないでいることを、改めて感じた次第です。最終的に、自ら食してみて美味しいと感じるそばがおいしいそばなのだと定義すると、今日のそばの中でも、其々に美味しいわけです。BESTの定義ができないこの状態は、まだ続くと思われます。
美味しいそばがなかなかないので、自ら美味しいそばを打って食べようと、昨年から札幌新川そばの会で生粉打ちを習い始めました。すると次は、美味しいそばは何なのという疑問符への回答を求めて、また美味しいそばを探し出すという、超堂々巡りの最中なのですね、今は!!!
どなたか、ご存知の方は、是非、ご教授下さ~~~い。コメントでも何でもOKです。