札幌そば研究センター

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2017年12月24日日曜日

そば紀行(29) 鹿落堂(2回目)仙台市

先日の訪問に続き、鹿落堂に再訪しました。
もう一度そばの状況を確認するためです。
前回訪問時に感じたそばの状況は、超微粉のそばに粗挽き粉を加えたような配合を、石臼引きで作り上げた十割そばという印象でした。「この捉え方が正しいのか?」をもう一度そばから感じてみるためです。

今回も、お昼少しすぎたころに伺いました。前回同様に2階の窓下の広瀬川を見下ろせる席です。吹き抜けなので、階下の受付や1階の席が見え、その上に広瀬川が見えるような設計です。仙台市内を流れる広瀬川は、蛇行が多い川ですが、それが良く分かります。

今回は、そばそのものをいただきたかったのでせいろそばにしようかと思いましたが、メニューの別のところに、期間限定で「鴨せいろ(合鴨です)」という記載を見つけました。鴨は抜きでいただくことにしてそばは辛汁でと思い、辛汁をつけていただき鴨せいろをお願いしました。

鴨は低温調理して、別盛で提供されました。温かい汁に鴨を入れて少し温めてそばをつけていただくという趣向です。私は鴨は抜きでいただきました。鴨は低温調理されているので肉質は柔らかくかつ油は落ちてますので食べやすい鴨に仕上がってます。
レストランでの最近の肉調理方法として、低温調理が多くなってきました。これも、科学的なアプローチを肉料理に導入すると、当然のように低温調理が肉本来の甘みや旨みを引き出す方法だとなるわけです。たんぱく質を壊すほどの熱を加えると肉本来の甘みや旨みが消えます。これを解消するには、たんぱく質が変性しない温度で調理するとなるのです。これは、大変良い方向だと、個人的には感じています。同じものでも、美味しく食す方法が増えたということは良いことです。


そばです。やはり、この透明感と歯ごたえは微粉がもたらすものです。そこに、粗びきの粉が散りばめられています。このそば粉を配合しないで石臼引きで製粉する方法を試行錯誤で求められたのだろうなと思い至ります。やはり、面白くて美味しいそばです。


前回は、そばに目が行き汁には一切触れませんでした。辛汁は、癖と主張が少ない食べやすい辛汁です。甘すぎず、辛すぎず、だしが主張し過ぎることもないです。確かめてはいませんが、汁には透明感があるので淡口醤油を使用されているのではないかと思います。バランスが良い辛汁なので、たいへん食べやすい汁に仕上がっています。個人的には、「少し尖ったところがあっても、このそばには合うかもしれないな?」とも思いました。

街に近いところにある美味しいお蕎麦屋さんなので、これはありがたいです。また、伺います。




2017年11月29日水曜日

そば紀行(28)鹿落堂 仙台市

鹿落堂(ししおちどう)

仙台市都心部の南西、広瀬川の蛇行部に挟まれた経ケ峯にある伊達政宗を祀る霊廟である瑞鳳殿の東側に鹿落坂(ししおちざか)があります。霊屋下から太白区向山にまたがる坂道です。この坂の東には広瀬川、西には経が峯があるともいえます。この坂を霊屋下から登り切った右手に今日伺った鹿落堂(ししおちどう)があります。崖に張り付くように建つガラス張りの素敵なお店です。斜め向かいには、中華で有名なKUROMORIがあります。

暖簾もモダンで、店内も素敵なカウンター席があり、眼下には広瀬川の蛇行が良く見えます。店に入ると左手に手作りの日用品が並んでいて、正面はカウンター席とその奥にテーブル席。その左手には大きなそば打ち台があります。日用品の置かれた脇を二階へ上がると、そこにもカウンター席とテーブル席があります。デザイン性の高い店内で、このように洗練したデザインの中に居るのは、大変気持ちが良いです。
わたしは、この二階のテーブル席につきました。

メニューを見ると、十割蕎麦御膳、二八蕎麦御膳、板そば、かも南蛮蕎麦などが並んでいます。自家製粉手打ち十割挽きぐるみ蕎麦御膳は、「鳴子川渡産、鬼首産の信濃1号、キタワセの玄そばを宮城の安山岩の石臼で粗挽きし、一番外の殻だけを取り除き細打ちしております。」とあります。また、手打ち二八蕎麦御膳は、「北海道産ぼたん、山形産常陸秋そば、でわかおり、もがみわせ、宮城県産あやめの品種を外殻を取り除きマル抜きにした物を石臼挽きしたそば粉に、北海道産キタノカオリの小麦粉を二割加えて手打ちしております。」と記載されています。

このメニューを見て、期待が増してきました。このこだわりは、期待できます。そばの産地、品種、管理方法、製粉とこれらが変わるとそばが変わります。色々とソバも探されているのだろうなと思います。原産地がこれだけ広いというのは、探し続けているのだろうと思えます。また、石臼の原石の品種にもこだわりがありそうです。

私は、自家製粉手打ち十割挽きぐるみ蕎麦御膳という最も長いネーミングをお願いしました。待っている間に、店に展示されている手作り日用品を拝見しました。素朴で日々使いの日用品が並んでいます。また、レジの脇には、和菓子のテークアウトが置いてあります。くずもち、変わり種の小さなおはぎなどが。

このお店は、昼から15時まではそばを提供していますが、15時以降は、喫茶と甘味処としてお店を開いています。今日は時間が無いので、甘味処がオープンするまでは待てないので、変わりだねのおはぎ2個(1個は小豆、もう一つはクルミピーカンナッツです)を、テークアウトで予約です。実は、帰る頃には売り切れだったので、この判断は正解でした。後でいただいたのですが、クルミピーカンナッツは美味しかったです。ナッツ好きにはお薦めです??小豆は甘さを抑えた美味しいおはぎです。
帰宅後いただきました
そばが来ました。透明感があり、その中に玄ソバ挽きぐるみの黒い小さな点があり、かつ、粗挽きの粒感も兼ね備えています。大変おいしいそばです。
福島県喜多方の山都町宮古地区のそばが、玄そばをドラムで挽きぐるみして、歩留まり60%での製粉ですので、微粉を基礎に外皮が少しだけ入るので、透明感があり、小さな黒点と、コリコリとした食感があります。
これを基に考えてみました。石臼挽きですので歩留まりを下げて微粉を加えて透明感をだしています。また、コリコリ感は抑えているので微粉の量は減らしてします。挽きぐるみなので少々の小さな黒点がありという所は一緒です。ここに粗挽き粉の量を増やすというブレンド配分をしたような粉でできていると感じました。この最後の点が、大変効いていてオリジナルで美味しいそばをつくりあげています。水回しはもしかすると湯ごねかもしれないと感じました。
超お薦めのそばを提供されるお店です。


私がこれまでにこのそばは凄いなと感じた蕎麦は、平泉の地水庵さんの古典(超粗挽きそば)、前述の山都宮古地区大下さんのそばの二つです。この二つのそばは、そば粉の性質として全く反対のそば粉の性質を活かしたもので、全く異なるそばですがどちらも美味しいそばです。クリエーティブなそばという点でも大変興味深いそばです。この二つのそばに類似した美味しいそばはいくつかあります。この二つの両極端のそばに、三番目に新たに、鹿落堂さんの長いネーミングの「自家製粉手打ち十割挽きぐるみ蕎麦」が加わりました。最初の二つのそばとは趣を変えた美味しいそばを提供されます。そうです、今気づきました。「最初の二つのそばの真ん中を行くようなそば。」「二つの良いとこどりをしたそば。」とでもいうのが良いのかな???

食事を終えて階下に降りると、店主の兵頭さんが出てこられてお話することができました。大変お忙しい中厨房から出てこられてお話しさせていただきました。感謝です。

お話によると、やはり石臼はこだわられていて、このそば粉を挽くために作成依頼したものだそうです。また、こちらは私の「カン」が外れましたが、このそばは、水で打っているそうです。凄い方です。
また今度、ゆっくりお話しできそうな時間帯にうかがって、いろいろと教えていただきたいなと思いました。

2016年3月20日日曜日

そば紀行(9)古拙(仙台市) 2回目

1月に訪問してから2回目の古拙でした。
1月に伺った際に、近近福井の玄蕎麦が入るというお話を聞いていました。この福井の在来種を是非一度試してみたいと思い、2月から何度かお電話し確認していました。
先週ご連絡した際に、「入りましたよ!」という電話越しの声を聴き、早くいかねばと思っていました。
暖簾をくぐると、カウンターの手前に一人お客さんが、既に飲んでいました。そう云えば、前回訪問した際にも一番手前のカウンター席はどなたかが居られたなと思いだしていました。前回の時の方の、今目の前に居られる方が同一の方かは不明です。記憶の曖昧さとはこんなものですね。

福井のそばをいただきに来ましたと、声をかけ、カウンターの一番奥の席である前回と同じ席に座りました。2回目ですが、結構馴染んできています。

最初に鴨セリ鍋をいただきました。仙台セリは、昔から名取で採れていましたが、昨年あたりから急にブームになり、どの店もセリ鍋を出しています。古拙のセリ鍋は、鴨と合わせています。鴨のだしとセリの根は良く合います。

さて、福井の在来種です。
今日のそばは、丸抜き石臼自家製粉で、70メッシュで篩ったそうです。70メッシュですので、比較的微粉の粒度分布による蕎麦と言うことになります。
最初にお店の方に伺ったところ、60メッシュで篩ったそばですということでした。いただいてみると、ツルット感が強い十割そばですので、もう少し微粉での蕎麦でないかなと言う疑問を抱きながらもり蕎麦を頂戴していました。そこに、店主が来られたので、もう一度篩のことを尋ねると、70メッシュで篩っていますということでした。それでなんとなく腑に落ちた感がありました。
福井在来種の香りですが、そんなに強いものではありませんでした。以前いただいた福井のそばは、もっと香りがあったように記憶していました。いただいた時期、保存等さまざまな違いがあると思います。
もり蕎麦のあとは、お決まりでかけ蕎麦をいただきました。こちらは少しだけ茹ですぎで、歯ぬかりしましたので、少し残念でした。十割のかけ蕎麦は難しいです。本当にちょうど良い蕎麦でかけを出すのは、秒単位での管理が必要と思われます。その秒単位での変化を確認して出さないといけないので、もり蕎麦より難しいのだと思います。前回訪問した際には、もり蕎麦の切と、かけ蕎麦の切り方は異なっていたので、歯ぬかりはありませんでしたが、今回はもり用とかけ用は同じ打ち方蕎麦麺でしたので、かけが茹ですぎとなったのかもしれません。
山菜天ぷらもいただき、大満足でした。次に入るそばはデワカオリの寒ザラシそばだそうです。
セリの根、美味しいです。

福井在来種そば
山菜天ぷら

2016年1月28日木曜日

そば紀行(4) 古拙 (こせつ) 仙台市

宮城県仙台市内で十割そばでGoogle検索すると、古拙の他数件である。隣の山形県はそばの里ですが、仙台市内では美味しいそば屋が少ないという印象です。
古拙は、銀座の古拙で修業された方が仙台市に店を開いたのだそうです。
そば粉は全国からそばを仕入れ、自家石臼製粉で提供されています。仕入れたそばにより、そば粉を挽く速度調整や、篩の目を検討しているそうです。
今日は、常陸秋そばでした。60メッシュで篩ったそば粉を用いて打ったそうです。

もり蕎麦とかけ蕎麦の両方をいただきました。
もり蕎麦は、ひら打ち麺でした。0.6~0.8mm程度にのしたものを1.5mmから2mm巾で切っています。かけ蕎麦の麺は、1mmほどの麺です。







2015年12月17日木曜日

そば紀行(3) 仙台市 山がた

仙台市の蕎麦店、「山がた」に10名ほどで伺いました。

仙台市の広瀬通と勾当台通りの間にあるお店です。店主は、会社を辞めたのちに足利の一茶庵で修行され、お店を持たれたそうです。
そば粉は、山形の最上早生を使用し、製粉は製粉所に依頼しているそうです。つなぎは二八で加えているとのことです。そばは、今回は大勢でしたので「板そば」で出されましたが、普段は、もりそばでの提供のようです。

そば前には、小松菜のお浸し、卵焼、そば味噌が供されました。また、海鞘の三種盛りとして、生海鞘、海鞘酢、海鞘天ぷらが出されました。海鞘の天ぷらは、初めて食しましたが、何とも言えない食感で美味しかったです。
そばは、「最上早生 でわかおり」の新そばを使用しているそうです。香りはありますが、喉越しと味はつなぎに引っ張られるので、二八そば特有のものになります。つゆは、昔の一茶庵の味とは異なり、オリジナルではないかと思います。
蕎麦前の料理にも積極的に取り組まれているとのことで、海鞘の天ぷらはその表れではないかと思いました。




海鞘 三種盛り