札幌そば研究センター

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2018年5月8日火曜日

(記録)つゆ造り(12) 辛汁と甘汁

先週末につけ汁とかけ汁を造りました。

使用食材は、本枯節(雄節と雌節混合)、宗田節、鯖節、ムロアジの厚削りと、真昆布、かえしです。かえしは4か月前に仕込んだもので、角館の安藤醸造の生醤油に、九重味醂、富士酢、甜菜糖で仕込んだものです。

水3000mlに真昆布を加え60度で1時間にて抽出しました。その後、節を加えて1時間煮だしました。この間に、約50%に煮詰めています。
このだしに、1/3の量のかえしを加えて消毒のために加熱して辛汁の出来上がりです。

残りの節と昆布に水を加えて、2番だしを作ります。これにかえしを1/10加え、酒、味醂で調整して甘汁の出来上がりです。結構2番だしが取れるので、十分だしの効いた甘汁になりました。2番だしでの甘汁造りは初めてでしたが、煮物に2番だしを用いる料理屋さんも多いので、チャレンジしました。かけそばに用いるには十分なだしでした。これまで、勿体ないことをしました。1番だしを引いた後は殆ど捨てていましたので。

先週末は、自宅でそば打ちでした。
石臼引きの超粗びき粉を50%、同じそば粉を自動石臼挽き機で挽いて60メッシュで篩ったそば粉を50%加えて打ちました。手引きの超粗びき粉100%のそばと比べると簡単に打つことができ、つながります。しかし、食感とそばの香りは落ちます。かけそば用には、丁度良いのかもしれません。

札幌・函館の佐吉屋さんの真昆布は良い昆布です
4種の節の厚削り

2017年12月30日土曜日

(記録)つゆ造り(11) 年越しそば用甘つゆ(かけ汁)造り

2017年の大晦日を前に、年越しそば用のかけ汁(甘汁)つくりです。

今年も、札幌市宮の森の昆布卸店、佐吉や昆布から真昆布の料亭用の代物を調達。同時に、お正月のお吸い物用の利尻昆布(平成12年産)の17年物の2等品も調達です。佐吉さんの昆布は、さすがに専門店だけあり、同じ昆布でも全く香りと味が異なります。良い昆布を提供されます。一般の方にはあまり知られていませんが勿体ないことです。道内外の専門店への卸が主で一般小売りはこの店だけなのであまり知られていなくても仕方ないのかもしれません。同店店主は大変話し好きで、昆布のことは本当によくご存じです。最初に訪問した際には、2時間近く話し込んでしまいました。色々と教えていただけるので、大変ありがたい先生です。

今年の甘汁用のだしは、京都の菊乃井の一番だしのひきかたを真似ることにしました。京都菊乃井と瓢亭や築地田村のだしのひきかたの違いは、鮪節を用いるか否かです。菊乃井はあくまで鰹本枯節血合い抜きにこだわりシンプルなだし。瓢亭や田村は鰹に鮪節も使用して一番だしをひいている。今年は、シンプルな旨味に焦点をあてることにして、菊乃井のだしのひきかたでやってみようと思います。

昆布は1時間かけてとります。また、鰹節は本枯節の雄節のうす削りを用いてひきます。残念ながら、札幌では、大熊商店が鰹節の卸さんですが、雄節のうす削りは手に入りません。雄節と雌節を分けて削らないそうです。雄節と雌節の混合節を用いるので、少し血合いが入るため雑味が出そうですがやむを得ないところです。今年は、雄節+雌節でやってみます。築地で雄節の薄削りをゲットしてこないと北海道では入手が難しいのかもしれません。

甘汁はだしにかえしを7%加え、酒とみりんで調整することにします。甘汁にかえしを用いるのは、並木藪蕎麦、高橋さんの翁等です。長野の大西さんはかえしを用いていません。瓢亭の椀物の場合は、だしに塩、酒、醤油を用いて味付けします。椀物であればこれが良いと思われますが、そば汁には味が薄すぎるのと甘みが足りないと感じます。そこで、かえしを使用してみます。ただし、通常より30%抑えて、その分を酒、みりんで調整するという戦術です。だしで食すそばを模索することにします。

今年の大晦日は、この汁と十割そばを数軒にお配りし評価いただこうと思います。



2017年6月3日土曜日

(記録)つゆ造り(10) 辛つゆ

6月3日 辛つゆを造りました。2017年そば汁造り 何と!! 今年初です。

今年に入り、自分で打ったそばを食べなかったために汁が必要なかったのですが、5月末からまたそばを食べるようになり、本日つゆを造りました。

今年になり自身で打ったそばを食べなかった理由は二つでした。一つは、お正月にいただいた「餅」がなくならず、これを先に片付けようとしていたこと。二つ目は、地水庵でいただいたそばに衝撃を受け、自身の打つそばを美味しいと思えなくなったことです。

ところが、餅はなくなり、地水庵のそばの味も舌が忘れてきているので、5月末から自身が打ったそばを食べ始めたのでした。すると、やはり、つゆも重要ですので昨年研究してきたつゆ造りの復習もかねて次のような手順で挑戦しました。

<材料>
利尻昆布1級品  28g
本枯節    100g
宗田節           50g
むろあじ          50g
鯖節            50g
にてだしをひきました。

<だしのひきかた>
①利尻昆布を水に2時間つけます。
②①を加熱し60℃に保ち1時間煮だします。(ここまで、京都瓢亭の昆布だしのひきかたを踏襲)
③昆布を取り出し沸騰させます。
④沸騰後に本枯節他を投入します。
⑤沸騰を保ち1時間煮だします。
⑥火を止め濾します。

<つゆの作り方>
①だしに対して、別途作り置きの返しを1/3加えます。
②95℃まで加熱し火を止めて終了です。

良いつゆができました。
久しぶりに大成功で、美味しいつゆです。

節を加熱中

2016年3月6日日曜日

そば紀行(7) 並木藪蕎麦

老舗の並木藪蕎麦です。

 前日に、山形県鶴岡市の雪の中のニューウェーブそば店から、東京下町の超老舗の浅草の並木藪蕎麦に伺いました。そば粉十割で、卵つなぎで提供される蕎麦がどんなものなのか大変興味があります。また、3箸半でなくなる蕎麦の量と、辛いと言われるそば汁を経験してみたいとの思いで伺いました。

 浅草雷門前の並木藪蕎麦の前は、行列ができていました。こんなに混んでいるのですね。
中を覗くと、驚いたことに高校生の団体が7割ほどの席を占めています。修学旅行なのかなと思います。浅草ですので元々観光地で、加えて、東京スカイツリーにも近いですので、最近は浅草界隈が修学旅行コースになっているのかもしれません。

 数分待ち、席に着くと、私は席に着くなり、ざる蕎麦を頼みました。
私が通された席は相席で、隣の年輩の方は蕎麦前で焼き海苔、板わさ、天ぷらで一杯やっています。向かいの二人は、何やら怪しい男女で、想像するに地方から東京に旅行で来られたのだと思います。二人は、「東京の(江戸の)蕎麦は良いね、私たちには醤油が濃いという文化が無いからね。」と言う会話が勝手に私の耳に飛び込んできます。これが、東京の老舗蕎麦屋の風景なのですね。別のテーブル席では、高校生諸氏が大盛天ぷら蕎麦をほおばっています。こちらは、「この天ぷらエビが一杯だね。」と。
 
 前日の山形県月山の麓の蕎麦屋と、今目の前で展開されている蕎麦屋の状況の違いは、蕎麦屋では、その環境で大きな違いがあるなと思いめぐらせていました。すると、ざる蕎麦が運ばれてきました。
 この量が3箸半かと感心です。本当に少ないです。茹であがりで110から120g程度ではないかと思います。前日のそば店の3分の1程度の量です。麺は1.2mm~1.3mm程度にきれいに揃えられています。手で切った麺ではないことは明らかです。 相当以前より並木藪蕎麦では、十割そばで卵繋ぎで、手こね、機械のし、機会切りと、堀田平七郎さんの本に記載されています。



 汁は確かに辛いです。蕎麦下3cmに汁をつけてたぐると、最後に汁の辛さを感じます。辛いからこそ、汁を一杯つけられないので、そばの味と香りを感じた後に、汁の塩気と甘みを感じます。この蕎麦の味が先で汁を後から感じることで、蕎麦を感じるのでしょうね。江戸末期から、蕎麦の辛汁が辛い(濃い)理由は、蕎麦と汁を別々に感じさせ、最後に統合させる食べさせ方として開発されたものなのでしょう。確かに汁は辛いけど、美味しいそば汁でした。そば湯で割ると、その辛さが強いことを一層感じました。

 私が現在作っている辛汁は、この並木藪蕎麦の辛汁と、室町砂場の辛汁、有楽町更科の辛汁、大西さんの辛汁、かないまるさんの辛汁のかえしの配分と、だしの成分を基に、色々試しながら現在二つの辛汁が出来上がっています。切れの良い辛汁と、旨みが高い辛汁の二種類です。どちらも美味しくなりました。この二つの辛汁を使って、産地が異なソバにどちらの辛汁が合うのかを検討しているところです。まだまだ、結論が出ません。様々な産地のソバを使って研究し、色々なお店に伺いながら辛汁と蕎麦の相性を経験しながら研究していけば良いと考えています。そのうちにこれというのが見つかるかもしれません。

2016年1月24日日曜日

(記録)つゆ造り(8) 辛つゆ と 甘つゆ

2016年1月24日(日曜)

朝からジムに行き、夕方帰宅後につゆを造りました。
辛つゆと甘つゆと、それぞれ別々にだしをひきました。また、次回用でかえしも造りました。
辛つゆと甘つゆ共に用いた「かえし」は昨年11月26日に作ったものを用いています。


<辛つゆ⑫>
【だし⑨辛つゆ用】 
鰹節       200g
始の水量   3000ml
上がり水量   1475ml
歩留り   49.2%
鰹比率   13.6%

【辛つゆ】
だし      1475ml
かえし⑤    500ml

<甘つゆ③>
【だし⑩甘つゆ用】
鰹節         50g
宗田鰹節      50g
鯖節          50g
ムロアジ      40g
始の水量   3000ml
上がり水量   2000ml
歩留り    66.7%
鰹比率     9.5%

【甘つゆ】
かえし⑤   230ml
だし⑩    2000ml
昆布だし   200ml
酒       100ml
味醂      80ml


辛つゆと甘つゆの節は、札幌市の大熊商店より購入。
味醂:九重櫻/九重味醂株 
清酒:貴造仕込み/小山本家酒造
昆布:利尻産昆布


<かえし⑥>
醤油/生醤油/安藤醸造          1000ml
砂糖/きび本搾り砂糖/中日本氷糖㈱  190g
味醂/九重櫻/九重味醂株         220g
米酢/純米醸造 富士酢/株飯尾醸造  100g

材料は、基本的に有機栽培を用い、どうしても無い物は、原料が明らかな物を用いています。
特に、醤油は生造りで、何も混ぜ物が入っていない醤油です。安藤醸造偉いです。この醤油が本当の醤油の味を出します。「●膳」醤油は混ぜ物だらけです。また、砂糖はあえて、ミネラル豊富な物を用いています。江戸時代は精製できないので、ミネラル豊富な砂糖を使用していました。今のそば屋が用いる砂糖は、近代化以降の安価な砂糖を使用しております。これが蕎麦つゆ用という砂糖は怪しいのではないかと思われます。ミネラルを取り除いてしまっており、本当の味では無いのではないかと思われます。

今日は、甘つゆで暖かい蕎麦をいただきました。甘つゆは、美味しかったです。
左;甘つゆ  右;辛つゆ

2015年12月30日水曜日

(記録)つゆ造り(7) 辛つゆ と 甘つゆ

2015年12月30日
辛つゆと、甘つゆを作りました。
甘つゆは、辛つゆを基にして、それをアレンジです。

今回のだしは、本枯節だけでなく、宗田節、鯖節、ムロアジを用いた、大西を参考にしたものの第2段です。前回とはかえしが異なります。

年越しそば用に、ご近所さまと家族のために、切れの良いつゆではなく、今はやりの旨みが残るつゆを選択です。甘つゆにはこちらの方が合うと思いますので、こちらを選択しました。

最初は、甘つゆ用(4種のだし)と、辛つゆ用(普段造る本枯節のみ)のニ種類のだしを作成しようと思っていたのです。しかし、お願いしていた本枯節が、厚削り、または、中厚削りだと思っていたのですが、袋を開けてビックリ薄削りでした。和風だしにはもってこいの本枯節の花かつお節です。そばだしを引くには薄削りでは難しいので、家に残っていた本枯節で引けるだし量を考えると、どちらか一種類しか作成できなくなったという次第でした。


<だし>
材料:
 鰹節      50
 宗田鰹節   50
 鯖節      50
 ムロアジ   40
 始の水量     3000 ml
 上がり水量 2150 ml
 歩留り     71.7%
 鰹比率     8.8%
 


  抽出時間    45分
<かえし>
材料
 醤油/生醤油/安藤醸造        1000 ml
 砂糖/きび本搾り砂糖/中日本氷糖㈱ 190 g
 味醂/九重櫻/九重味醂株       220 g
 純米酢/米酢/ミツカン          100 g
1カ月以上寝かしたかえしです

<辛つゆ>
だし        1200ml
かえし       400ml

<甘つゆ>
だし         950ml
昆布だし      450ml
かえし        150ml
酒           50ml
味醂         少々

甘つゆ と 辛つゆ

2015年12月13日日曜日

そば打ち記録(28) 札幌新川そばの会にて 2015/12/12

2015/12/12 
札幌新川そばの会にて

天候:曇り
気温:3度

12月最初の札幌新川そばの会です。今年も本日を入れて、正規の会は3回を残すのみになりました。12/31(大晦日)は、会とは別に、会場提供があり、年越しそばを朝から打つことができます。これを、入れると4回で、今年のそば打ちが終わることになります。
年頭の目標は、①途中で切れないそばを打てるようになること。②色々なそば粉に挑戦して、打てるようになること。③美味しいそばが何かを探ること。④初段合格というところでした。
①は、ここに来て、最初の水回しがらくくりまでの工程のコツのようなところを掴みかけてきており、ほぼ、到達できそうなところに来ました。札幌新川そばの会の諸先輩の水回し、ユーチューブでの名人の水回し、幌加内そば祭りと岩見沢の空そば祭りで保住名人から教えていただいたこと、その際に、沢山の方のそば打ちをじっくり観察できたこと等、多くの学びを得たことが大きかったと思います。
②は、音威子府のそば農家の加藤さんとコンタクトを取ることができ、そばの会以外のそば粉でのそば打ちを開始できたこと、また、11月末から12月初めに福島県の会津若松・山都と山形県大石田地区で数種のそば粉を得ることができ、試す機会を得ることができました。年末にかけて、色々と試す機会を得られます。
③は、まずは、そばとは何かという疑問に回答を得るために、60~70報位いの本と論文を確認しました。
(少し、話はそれますが、大体の書物や論文が引用している論文や書籍が見えてきました。あまり多くの原著等が存在しないので、他の領域に比べると、研究の幅と深さが大変希薄です。歴史も長くないのでやむを得ない領域なのだということが理解できました。それゆえ、まだまだ、研究の余地はあるのかもしれません。)
しかし、それだけでは分からないことが沢山あり、美味しいそばを打ち、食してみて、美味しいそばを探ろうということを繰り返してきました。自身で打つそばは、徐々に美味しくなってきたのを自覚し、回りの方にも試していただくようになりました。
しかし、10月に入るころから、本当においしいそばというのは、どんな定義なのだろと、非常に素朴な疑問が沸いてきました。札幌新川そばの会の皆さんが美味しいと言われるそばは、その方により、大きく異なるということが分かったからです。窯前をこの1年間ずーっとやらせていただきながら、夫々の方々が美味しいと言われるそばはいくつかに分かれます。皆さんが同じそばを好んでいるわけではないということです。ゆで時間だけとっても、これだけ異なるので、そば全体で見たら何が美味しいのかというと、千差万物となるのでしょうか?だとしたら、老舗は何なの?柏の「やぶ」は何故人気があるの?という疑問です。改めて、書物と論文はこの視点で読み直しています。また、②にも絡みますが、突然、大石田や山都に出向いた理由は、ここにもあります。
味、香り、のど越し、喉や口内で感じる感覚、そばの角の感じ方、歯触り、こし、太さ、長さ等、どんなそばが最も美味しいのかという疑問です。同じそばでも、ゆで時間1-2秒で食感が変わります。Mostは、何かという問いは、新たに湧き出した謎で、今年中には理解できそうにありません。
④は、札幌新川そばの会の諸先輩方のお蔭で、合格できました。本当に、手厚いご指導と支援を頂き、感謝に堪えません。来年は2段を目指そう!!!と思っておりますので、よろしくお願いいたします。
という、2014年(そば打ち開始から、1年6カ月ですが)の、少し早い振り返りです。
早めに振り返り、年内には来年の目標を立てます(笑)。

本日のそば打ちは、1kg×2回でした。
<1回目>
札幌新川そばの会のそば粉(厚田産そば粉) 1kg
加水量:450ml(45%)

のしの厚さを、1.3mm程度で仕上げるように打ちました。前回はのし過ぎて、1mm以下までのしてしまい、切りもその幅で切ったので、ゆで上げたそばの水切れが悪く、麺が細すぎて、麺と麺との間に水が回り込んで、多くの水を含んだままになるというそばになりました。そばを感じる前に、水を感じてしまうほど細かったので、細ければ良いということでは無いことの反省です。(数年前に長野県松本市内で食した、超有名店のそばがこんなそばで、何処が美味しいのだろうと感じた、ただ細いだけのそばに非常に近いそばでした。)
本日野第1回目は、のしの際に、上下の端が、真っ直ぐに仕上がらず、少し(2cm程度)歪んでしまいました。これ以外は大きなミスなく切り終えることができました。

<2日目>
加藤農園の音威子府産キタワセ(55メッシュ篩) 1kg
加水量:44ml(44%)

厚田さんそばと比べると、少しざらざら感があるそば粉です。前回の25メッシュ篩に比べると、教室のそばに非常に近いそば粉です。水回しから、くくりの過程で、特段問題になるようなことはありませんでした。のし、切りも順調で、最終的に出たゴミも少なく、麺が切れることもありませんでした。会長曰く「茹でてみないと分からないけどね?」と脅され、会長の言われることは当たるので、確かに茹でると切れることもあると心配でした。自宅で茹でてみましたが、結果は、全く問題なく、大変美味しいそばでした。





本日、札幌新川そばの会では、「めんつゆの造り方講座」が開催されました。
本会の顧問の、株式会社大熊商店 代表取締役 川田晴一氏をお迎えしての、実践でのつゆ造りの講習会が、そば打ち後に開催され、多くの方がつゆ造りを勉強しました。
かえしの造り方(配合から、作る手順)、だしのひきかた、だしとかえしからつゆの造り方等について、約1時間30分かけて教えていただき、出来上がったつゆは、皆さん、持ち帰られました。残念ながら、小職は、最後の方は窯前でしたので、気付いたら残りがありませんでした(~泣き~)。
でも、皆さんが、これを機に、つゆを自身で造るようになると良いですね。つゆにも、個々に好みがあり、多くの店で異なるつゆを出しますので、何が美味しいのかを学ぶ上でも、自身で造ってみることが良いことのように思います。私自身も、1年半造り続け(つゆ造り記録参照)、これかなというところが見えてきているので、是非、お薦めです。

2015年11月1日日曜日

(記録)つゆ造り(6)

今回は2種類の返しを用いて、本枯れ節だけでひいただしとのつゆ造りを行った。


<共通のだし>
材料:
  本枯れ節 200
  始の水量 3000 ml
  上がり水量 1700 ml
  歩留り 56.7%  
  鰹比率 11.8%  
抽出時間;1時間

<つゆ①>
以下の返し1に対して上記だしを3で造る
醤油/天然醸造/株HAVE札幌市場販売 720ml
砂糖・洗双糖/サトウキビ/種子島産:株HAVE札幌市場販売 145g
味醂/九重櫻/九重味醂株 162g
蜂蜜 35g

<つゆ②>
以下の返し1に対して上記だしを3で造る
醤油/生醤油/安藤醸造 1000ml
砂糖/きび本搾り砂糖/中日本氷糖㈱ 180g
味醂/九重櫻/九重味醂株 200g
蜂蜜/そば蜂蜜 50g
純米酢/米酢/ミツカン 80g

つゆ①は、これまで何度か作成してきたつゆとほぼ同様の味で、裏切らないなかなか美味しいつゆが完成。並そばに合うつゆです。
つゆ②は、深みがあり、複雑な味です。作成途中の味見では良い味と思ったのですが、冷めた後の味は、少し失敗かなと思いました。ところが、1日置いたつゆは、大変深みがあり何を用いて造ったつゆなのかを判明できないような味わいで、これがなかなか美味しく変身していました。粗挽きのそばとか、玄蕎麦入りのそばに合いそうです。

2015年9月21日月曜日

(記録)つゆ造り(5) 2015/09/20

 前回のつゆ造りで、本枯れ節によるだしを用いてのつゆ造りには、ある程度満足できた。

 今回は、本枯れ節だけでなく、その他の食材を加えてだしを引き、つゆを作り、本枯れ節のみのだしによるつゆとの比較検討を行うことを目的にした。前回のつゆの作成に用いたかえしが少し残っているので、同じかえしを用いて、異なるだしで作ったつゆとを比較検討してみたかったからである。

 本枯れ節のみで引いただしは、江戸時代から江戸のそばのつゆに用いられてきた。当時の物の物流により、江戸に送られた鰹節が、送られてくるまでに相当に時間を有したことや、途中での温度管理等により、自然発酵の鰹節が出来上がり、後に、それを商品とした本枯れ節は、当時の江戸という町では、だしを引くにはこれを用いるしかない環境であった。当時の「薮そば」に関する資料の中に、そのつゆが美味しくないと言う記述があるほどなので、当時のつゆは美味しくなかったのであろうと推察される。甘みを出す食材も限られていた時代である。甘みを出すには、経費も掛かったであろうし、その選択肢も少ないので、だしを上図に使いながら甘みを引き出したのだろうと推察できる。
 そんな時代環境で用いられた材料以外に、現代は、よりたくさんの食材がある。だしを引くにも、本枯れ節以外にも美味しさの元となる、アミノ酸を抽出できる食材は豊富である。醤油自体にも大量のアミノ酸が含まれ、その成分比は昔の醤油の成分比とは異なる。
 本枯れ節によるだしを用いたつゆを基本として、しかし、これに固執することなく、より豊富な食材を用いただしやつゆ造りにシフトしていこうと考える。より、現代の食材で、現代のヒトの舌に合うつゆ造りに舵を切って行きます。かえしと、だしの両方の造りに、現代の食材を用いて新たにチャレンジしていきます。
<検討できそうな食材>

ワインビネガー
蜂蜜

ワイン
宗田節
亀節
鯖節
ムロアジ
どんこ
昆布
醤油(無添加)
熟成醤油
白醤油
薄口醤油

岩塩
ミネラルウォーター
水素水
等々
さまざまなものが溢れています。

<今回のチャレンジ>
【だし】
鰹節  25g
宗田鰹節 25g
鯖節     25g
ムロアジ 20g
始の水量 1500 ml
上がり水量 1000 ml
歩留り 66.7%
鰹比率 9.5%
引き時間  35分

【つゆ】
上記だし       1000ml
前回同様のかえし 333ml
だしとかえしの比率は、前回のつゆと同様として作成した。

前回のつゆ(枯れ節つゆ;以下、枯れつゆ)と、今回のつゆ(以下、混ぜつゆ)の比較。
甘みと、塩気は全く同様に感じた。
①そばをつゆで食した際の感じ方
⇒枯れつゆは、すーっと味が切れていく。つゆの風味(これはだしによる)は、スーッと消えていく。後に残るのは、つゆの甘みと醤油である。
⇒混ぜつゆは、そばがのどを通った後も、風味が残る。少しであるが、風味が残りつゆの甘みと混然として、醤油をあまり感じさせない。

②そば湯で伸ばした際のつゆの味わい
⇒枯れつゆは、だしの元となるアミノ酸によるだしの風味と独特のうまみはスーッと消えていき、尾を引かない。切れがあるという表現が当てはまる。
⇒混ぜつゆは、だしによる風味と独特のうまみが後に残り、美味しさが持続する。後に尾を引く味わいである。ジュワーという感じで口腔内に幸せな感じが残る。

現代のヒトは、だしの味に慣れ、美味しいをすなわち風味や、口腔へのアミノ酸による旨みの広がりと捉えている可能性がある。そうであれば、混ぜつゆの方が好まれるのかもしれないと思えた。
今後は、甘みとのバランスもあるので、だしとかえし比率を変えながら少しずつ検討していきたい。

2015年8月15日土曜日

(記録)つゆ造り(4) 2015/08/15

ブログでは4回目のつゆ造りです。

だし引き
 鰹節      200
 水量     3000 ml
 上がり水量 1600 ml
 歩留り      53.3%
 鰹比率      12.5%
5分間沸騰させ、60分でだし引き。上がり量を見ながら火力と蓋を調整。

辛つゆ⑥造り
 かえし③   500ml
 だし⑤    1600ml


出来上がった辛つゆ⑥の成分比率
 だし        76.2%
 醤油        23.8%
 砂糖   4.8%
 味醂         5.4%
 鰹節   9.5%

この比率は、
甘味成分比率では、室町砂場<つゆ⑥
醤油の成分比では、室町砂場=つゆ⑥
よって、並木藪より両成分は低く、かないまる様より両成分共にやや低い比率になる
ただし、鰹比率はこれらより高い値である。
だしにて、甘味を増せるような調整をしてみた。

前回作成の辛つゆ⑤との比較では、だしとかえしの配分を、少しだけ変更した。
今回の辛つゆ⑥ かえし:だし=23.8:76.2
前回の辛つゆ⑤ かえし:だし=25.0:75.0
また、
今回のだしの鰹比率 12.5%
前回のだしの鰹比率 15.4%
上記2点の変更により、辛みと甘みを少しだけ抑え、鰹比率量成分よりは少し多めにおさえました。
よって、満足度高い前回の物を少しだけ手直しし、全体の比率を抑えてバランスを取ってみました。大きな変更ではありませんが、ベターであった前回の辛つゆに少しだけメンテナンスをかけたということです。

ということで、数日後が楽しみであります。

2015年7月25日土曜日

(記録)つゆづくり(3) 2015/07/24 室町砂場のかえしかvsオリジナルかえしか?

ブログ記録上では第3回目のつゆづくりの記録です。
今回は2種類のつゆを作成しました。

だし④
 鰹節(本枯節)        120g
 始の水量          1800ml
 上がり水量          780ml
 歩留り             43.3%
 鰹比率             15.4%
  煮出し時間            50min.
だし抽出中(本枯節を煮出してます)










辛つゆ④
 かえし②               180ml
 だし④                 540ml

辛つゆ⑤
 かえし③                80ml
 だし④                 240ml
    
同一だしで、かえし②(室町砂場のかえしの配合)と、かえし②を基本にオリジナル調合で作成したかえし③とをつゆの状態で比較検討のために2つの種類の辛つゆを作成。



<2つのつゆの 味の比較>
辛つゆ④
味:甘みが中途半端と感じる。
辛み;醤油の味は感じないが、辛みは残る。
だし;効いているが出しゃばらない。
全体評価:物足りなさんはないが、辛みが少しだけ気になる。


辛つゆ⑤
味:甘みは良い感じで甘すぎではない。
辛み;醤油の味は感じないし辛みも残らない。
だし;効いているが出しゃばらない。
全体評価:しっかりしたつゆと感じる。また、何かが過ぎるという感じはなくバランスが良い。

これまでのつゆの中で、バランスが最も良いと思えるつゆができました。
あとは、少し続けてみて、飽きが来るか来ないかを確認したいと思います。
ただ、大変残念ですが、つゆ④は720mlありますが、つゆ⑤は320mlしかないので、8月に入ったら、再度出しを引き再製してみます。
この、つゆ元のかえしには、オリジナル食材を入れているので、この効果もありそうです。かえしも再生し少し継続してみます。そして、このかえしとつゆに飽きが来なければ、甘つゆへの本かえしの利用を検討していきたいと思います。

とりあえず、これまででBetterなつゆができたのは収穫です。





これだけです !!







2015年4月26日日曜日

(記録)つゆづくり(2) 2015/04/24

2015/04/24/金

ブログ記録上では第2回目のつゆづくりの記録です。

だし③
 鰹節(本枯節)       195g
 始の水量          3000ml
 上がり水量         1600ml
 歩留り             53.3%
 鰹比率            12.2%
  煮出し時間         80min.

辛つゆ③
 かえし①に②        533ml
 だし③           1600ml

前回の辛つゆ②と比較すると、だしが表に出ずに良い状態となる。
かえしは前回同様の物がほとんどで、甘みと辛みの強弱は、前回つゆ②と変わらない。

本枯れ節の出し取りは、結構慣れてきた。雑味の無い出しがとれる。辛つゆには大変適していると思われる。つゆが前に出過ぎないのが良い。きたわせとよく合うと思います。

今後、年末に一度作った甘つゆにも再チェレンジしたいと思うが、我が家では、甘つゆへのニーズが無いのが問題であります。皆、冷たいそばを好みます。

2015年3月2日月曜日

(記録)つゆ造り(1) 2015年2月28日

2015228日つゆ造り記録
場所:札幌自宅
日時:2015228日(土)14時から
外気温:3

かえし    2015/1/25に仕込んだ本返し
醤油720ml、砂糖122g、味醂150g、隠し味             
だし  2015/2/28作製
            本枯れ節
                         歩留り    60.0%   
つゆ  かえし1:だし3

<感想>
(ア)  出汁がきいている。
(イ)  甘味は前回よりよりは抑えられていて口当たりの良い甘さである。
(ウ)  しかし、まだ少し甘いと感じる。

(エ)  息子はこれでは甘味少ないとの反応で、前の方が好み。