山形県の最上川沿いの小さな町の白鷹町に「くま屋」がありました。
白鷹町は、山形市の南西部にあり、ベニバナ栽培、アユが有名です。白鷹町で獲れる鮎は、相当長い距離の最上川を遡上することとなります。ここの鮎は「紅葉鮎(もみじあゆ)」と呼ばれ、大きくてお腹に赤い線が入っているのが特徴で、とても珍重されているそうです。
白鷹地区には、昔から各集落に一軒以上「そば屋」があり、たのまれた時や祝いの席などで腕を振るう蕎麦打ち名人がいたそうです。昭和の末から平成にかけて、白鷹地区に新たなそば屋がいくつか開店するようになり、それぞれの店主がそれぞれの味で楽しませてくれ、遠来からのお客様もクチコミで増えてきているそうです。私が伺ったくま屋さんも、雑誌での照会がその情報源でした。
白鷹地区のそばは、生粉打ち、細打ち、濃いタレが特徴ということになるそうです。最近では、「隠れ蕎麦屋の里」と呼ばれるようになったそうで、そば祭りも開催されているようです。
くま屋さんに着いたのが、11時を少し回ったところでした。秋の日差しがきれいな時で、店の前のカエデの紅葉と、緑とのコントラストがきれいです。
お店は、民家を改良しているそうです。店に入ると、左手にそば打ち台があります。今日もそばを打ったという痕跡を残しています。メニューは、モリそばと追加そばのみです。
ソバは、デワカオリを使用し、製粉は依頼しているそうです。そばを拝見すると、その色や麵の状態から、玄そばを挽きぐるみで、ほんの少しだけ粗目のそば粉も加えているように推察されます。
十割そば(生粉打ち)で打って、20年になるとのことでした。元は、リンゴを栽培されていたそうです。リンゴ栽培に関する表彰状が沢山ありました。
そばは、生粉打ちのザラットした喉越しとそばの香りを感じます。玄そば挽きぐるみですので、少しえぐみを感じますが、強力ではありません。少し、キレギレのそばや、切りぞろえに不揃いがあります。美味しいそばでした。
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