最初に超粗挽きそばを打って食べた際に、そば自体の主張が強いのでそれを活かすには、もっとシンプルでそばの味の邪魔をしない方法で食べるのが良いのではないかと考え始めたのです。辛汁に付けて食すと、汁の味が強いので、どんなそばでも喉を通った後に残るのは、そば汁の味覚です。
よって、あまり美味しく無いそば(語弊があるかもしれませんが)でも、そば汁が良ければそれなりに感じます。ほんの少し付けて食べても汁の味が残るので、そばを汁にドバッと付けて食べると、全てそば汁の味しか感じません。超粗挽きそばを活かすには、辛汁を用いないほうが良いのではないかと感じた次第です。
ドバッとそば汁に付けて食べる食し方を否定しません。そば汁に付けないと食べられないそばもたくさんありますし、そばよりそば汁を楽しむという人がいても、それを楽しんでいるのであれば良いと思います。そもそも、食は個人の感じ方です。好みや習慣で個々が感じる美味しいが、その方には美味しいのです。多くの方がその味を美味しいという場合は、より多くの方が好むので、その味が社会のコミュニティーで美味しいとなります。しかし、少数派の方が好む味はその方にとってはこの上なく美味しいのです。美味しいを求めて、自身以外の多くの方からも賛同されると仲間意識ができ、そのうちコミュニティーができ、輪が広がります。この弱いつながりを意思を持って繋ぐための理論は既に構築されています。アクターネットワークという理論です。食を扱うMarketing担当者は、SNSのこの時代には益々知っておいた方が良い基礎理論です。
話を戻しましょう。
先週、山形県の鶴岡市に伺いました。鶴岡市は山形県の庄内地方の町で、食文化を発信している街です。その中心人物の一人が、イタリアンレストランのアルケッチャーノ(一期匠の別ブログ;一期匠 Many JPN参照ください)のシェフ奥田さんです。彼がまた動き、鶴岡駅前に「ユネスコ食文化創造都市・鶴岡」の情報発信拠点{FOODEVER」ができました。ここには、庄内地区の、日本の、世界の食の一部が紹介されています。その中に、Oil、Salt、Soy-Sauceの代表例が展示販売されています。
この一覧を眺めながら、超粗挽きそばに合いそうだなと思いたちました。普通のそばだとOlive-Oilに負けそうですが、超粗挽きそばの雑穀感には、Olive-Oilと塩が合うのではないかと思います。
ここのアンテナショップでOlive-OilのLaudemioを購入しました。このOlive-Oilはフラントイオ・モライオロ・レッチイノの3種のオリーブを配合して作るようです。試したことが無いので、何が良いのか分かりません。お店の方に伺ったのですが、正確な回答が得られませんでした。そこで、お店の方が実際に使用しているオリーブオイルを教えてもらい、それを購入した次第です。ここで、無理に購入しなくても良かったのですが、事の流れで思わず買ってしまいました。
塩も良いのではと思います。塩にも色々な物があります。岩塩、海水と大きく2種類で、それぞれ様々な製法や工夫がなされています。この中でFeとCaを多く含んだ6億年前の海の化石でできている岩塩(Pahar Rock Salt)を購入しました。また、キプロスの海塩を燻製した塩(Fiocchi di Sale Affumicato)と、同じ塩にミントを加えた塩(Fiocchi di Sale Menta )も購入しました。もう一品は塩ではなく白醤油(ヤマシン, 愛媛県)です。
その他に、BALSAMO DIVINOというバルサミコ酢で、モデナ産のブドウのみで造り6年熟成のものです。最後に、あみ醤油は、庄内産のアミエビと塩でつけられた魚醤です。
何かがヒントになりそうかなと思います。
実はこの後に、前述の鶴岡のイタリアンレストランのアルケチャーノ(奥田シェフの店)に伺うことになっており、そこで、専門家の意見を聞いてからにしようと思ったので、Olive-Oilは取り敢えず1品のみの購入にしました。
アルケッチャーノで色々とOlive-Oilについて教えてもらいました。緑色の野菜に合うもの、黄色い野菜に合うものと使い分けをしているそうです。先ほど私が購入したLaudemioは、黄色系の野菜に合いそうです。
色々とお話しし、このレストランで用いているOlive-Oilを教えてもらい、最終的にこのレストランで使用している高価ですが美味しい2種類のOlive-Oilを分けていただくことにしました。
一つは、「Kiyoe」です。これは、緑色の野菜サラダに用いるより、ほかの料理に用いる場合が多いそうです。アルケッチャーノでは、魚料理や黄色の野菜に使用しているそうです。
Kiyoe HPより引用
- オリーブオイルは大きく3つに分けられます。オリーブ果実を搾っただけのオリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイル)と精製したオリーブオイル(ピュアオリーブオイル)、そしてオリーブの搾った残りかすを溶剤でさらに精製したオリーブオイル(ポマースオリーブオイル)です。
- オリーブオイルは果肉に含まれる油脂なので、これらのピュアとポーマスオリーブオイルは、弊社ではお勧めしておりません。
- エキストラバージンオリーブオイルですら品質差がある中で、キヨエはシェフ達が納得いく品質をノンフィルター製法&トランス脂肪酸ゼロで作り続けています。
- オリーブ木にはたくさんの品種があり、昔から地域で愛され続けるオリーブオイルの品種もあれば、遺伝子組み換えされたものもあります。オリーブ木の種類は歴史が深いので、その数は千種類以上とも言われますが、定かではありません。
- キヨエのオリーブオイルは、コロネイキ種のオリーブ木を使用しています。ギリシャ地域の昔ながらの在来種で、キヨエのシンプル製法でさらに美味しく仕上げました。
もう一品は、緑色の野菜サラダ等、Olive-Oilを感じてほしい時によく使われるMANZELLAのBiancolillaです。イタリア・シチリア島で、栽培法と品質が厳しく管理された有機栽培のオリーブを手摘みで収穫し搾油されています。新鮮なシトラスのようなすっきりとした香りと、苦味の少ないまろやかな味わいが特徴とのことです。
以下引用
- スペインで前衛的なオリーブ栽培をする名門オリーブ農園カサス・デ・ウアルドから、最高のバランスとハーモニーを追求したエクストラヴァージンオリーブオイル。
- エクストラヴァージンオリーブオイル 酸度 0.1
- 酸度はオリーブオイルの命とも言える鮮度を表す数値。0.1という数値は市場最良です。
- オレイン酸含有量 77.29% ポリフェノール値 637.2 p.p.m.
- フレッシュミントやハーブの爽やかさを感じさせ、柔らかなバナナの甘さも香る極めてフルーティーなオイル。スパイシーさもあり、アーティーチョークやグリーントマトの心地よいフレッシュな味わいが楽しめる。オレイン酸もポリフェノールの含有量も高く、日常生活を健やかに過ごすために理想的と言えるオリーブオイル。高い抗酸化作用が望めます。
Olive-Oilは、Biancolillaの方がOlive-Oil自体を感じます。KiyoeはOlive-Oilをあまり感じさせません。どちらもそばの雑味を弱めるが、そばの邪魔をしません。これは面白いです。
塩の燻製は燻製の美味しさがそばに合います。岩塩はあっさりですがそばが立ちます。白醤油は数滴で塩分だけでなく旨みがあり、そばに合います。
いずれも美味しいと思います。どれが最も良いという結論には至りませんでした。また、Olive-Oilと塩に何かを食えても良いかもしれません。この先の研究の楽しみが増えました。
用いたOlive-Oil2種類 |
左;燻製塩 中;岩塩 右;白醤油 |
2×3で6種にで比較検討 |
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