札幌そば研究センター

2015年9月26日土曜日

2015/09/26-27 浦臼そば祭り 札幌新川そばの会 生粉打ち(十割)そばを提供

2015/09/26~27  「浦臼そば祭り」開催中です。

本日(9月26日)、初日を迎えた「浦臼そば祭り」が盛況のうちに、1日目を修了しました。

浦臼そば祭り 朝の開店前です
各店舗で急ピッチで準備中です


「札幌新川そばの会」では、毎年、「浦臼そば祭り」にのみ出店し
ています。
札幌新川そばの会は、生粉打ち(十割そばですので、つなぎを使用していない、そば粉100%です)のそば打ちに精進している会です。
浦臼そば祭りでも、生粉打ちで提供している数少ないお店です。
札幌新川そばの会 店頭
朝の開店準備中です
札幌新川そばの会では、
生粉打ちにこだわって、
そば打ちに精進しております

浦臼そば祭りでも、生粉打ちを提供します

 本日、500名程度のお客様に、「生粉打ちの浦臼産牡丹の新そば」を提供しました。
 朝10時から午後2時半まで多くのお客様が、店の前に列を作られ、生粉打ちそばを楽しまれました。同じ方が複数回ご来店いただいた方も居られたようです。

 札幌新川そばの会では、美味しいそばを求め、生粉打ちそばにこだわり、そば本来の香りや味を楽しんでいただくために、天ぷらの提供はいたしておりません。

新そばの香り、そば本来の味とのど越しを
お楽しみください。
札幌新川そばの会 売り場に列が!!
そば100%のそばを求めて
多くのお客様にご来店いただきました

ご来店、ありがとうございました
明日27日も、お待ちしております
明日(9月27日(日曜))も、開催していますので、是非、新そばの生粉打ちそばをお楽しみください。
会員一同、お待ちしています。

2015年9月21日月曜日

(記録)つゆ造り(5) 2015/09/20

 前回のつゆ造りで、本枯れ節によるだしを用いてのつゆ造りには、ある程度満足できた。

 今回は、本枯れ節だけでなく、その他の食材を加えてだしを引き、つゆを作り、本枯れ節のみのだしによるつゆとの比較検討を行うことを目的にした。前回のつゆの作成に用いたかえしが少し残っているので、同じかえしを用いて、異なるだしで作ったつゆとを比較検討してみたかったからである。

 本枯れ節のみで引いただしは、江戸時代から江戸のそばのつゆに用いられてきた。当時の物の物流により、江戸に送られた鰹節が、送られてくるまでに相当に時間を有したことや、途中での温度管理等により、自然発酵の鰹節が出来上がり、後に、それを商品とした本枯れ節は、当時の江戸という町では、だしを引くにはこれを用いるしかない環境であった。当時の「薮そば」に関する資料の中に、そのつゆが美味しくないと言う記述があるほどなので、当時のつゆは美味しくなかったのであろうと推察される。甘みを出す食材も限られていた時代である。甘みを出すには、経費も掛かったであろうし、その選択肢も少ないので、だしを上図に使いながら甘みを引き出したのだろうと推察できる。
 そんな時代環境で用いられた材料以外に、現代は、よりたくさんの食材がある。だしを引くにも、本枯れ節以外にも美味しさの元となる、アミノ酸を抽出できる食材は豊富である。醤油自体にも大量のアミノ酸が含まれ、その成分比は昔の醤油の成分比とは異なる。
 本枯れ節によるだしを用いたつゆを基本として、しかし、これに固執することなく、より豊富な食材を用いただしやつゆ造りにシフトしていこうと考える。より、現代の食材で、現代のヒトの舌に合うつゆ造りに舵を切って行きます。かえしと、だしの両方の造りに、現代の食材を用いて新たにチャレンジしていきます。
<検討できそうな食材>

ワインビネガー
蜂蜜

ワイン
宗田節
亀節
鯖節
ムロアジ
どんこ
昆布
醤油(無添加)
熟成醤油
白醤油
薄口醤油

岩塩
ミネラルウォーター
水素水
等々
さまざまなものが溢れています。

<今回のチャレンジ>
【だし】
鰹節  25g
宗田鰹節 25g
鯖節     25g
ムロアジ 20g
始の水量 1500 ml
上がり水量 1000 ml
歩留り 66.7%
鰹比率 9.5%
引き時間  35分

【つゆ】
上記だし       1000ml
前回同様のかえし 333ml
だしとかえしの比率は、前回のつゆと同様として作成した。

前回のつゆ(枯れ節つゆ;以下、枯れつゆ)と、今回のつゆ(以下、混ぜつゆ)の比較。
甘みと、塩気は全く同様に感じた。
①そばをつゆで食した際の感じ方
⇒枯れつゆは、すーっと味が切れていく。つゆの風味(これはだしによる)は、スーッと消えていく。後に残るのは、つゆの甘みと醤油である。
⇒混ぜつゆは、そばがのどを通った後も、風味が残る。少しであるが、風味が残りつゆの甘みと混然として、醤油をあまり感じさせない。

②そば湯で伸ばした際のつゆの味わい
⇒枯れつゆは、だしの元となるアミノ酸によるだしの風味と独特のうまみはスーッと消えていき、尾を引かない。切れがあるという表現が当てはまる。
⇒混ぜつゆは、だしによる風味と独特のうまみが後に残り、美味しさが持続する。後に尾を引く味わいである。ジュワーという感じで口腔内に幸せな感じが残る。

現代のヒトは、だしの味に慣れ、美味しいをすなわち風味や、口腔へのアミノ酸による旨みの広がりと捉えている可能性がある。そうであれば、混ぜつゆの方が好まれるのかもしれないと思えた。
今後は、甘みとのバランスもあるので、だしとかえし比率を変えながら少しずつ検討していきたい。

そば打ち記録(22) 札幌新川そばの会にて 2015/09/19

2015/09/19
札幌新川そばの会
天候:曇り
気温:20℃

ソバ:キタワセ 新そば

1.0kg生粉打ち
加水量:440ml
加水率:44.0%

新そばでした。
水回しの際のそばの香りを強く感じてのそば打ちです。
 今日の課題は、前回同様に水回しです。
前回同様に、水投入後ゆっくり、かつ、指をあまり突っ込まずに、水と粉が行き会うように静かに水を回しました。前回同様に、1回目の水回し後、だま状態は見られず、今までより水が回っているように感じます。会長曰く「今日は、元気ないね}と、しっかり指摘されました。その通りで、ガチガチ力いっぱいでやっていたのが、静かに水回しなので、そう見えると思います。流石に、皆の打ち方を、良くご覧になられています。
 2回目以降は、水を出しながら小さな粒を中心に手当てしていき、自然とまとまりました。まとまり前の状態で、粒々にテリが多少見られていたので、良いのではないかと思われます。
その後、丸のし、角だしと進みましたが、本日の失敗は、丸出しです。厚みが均一ではなく、丸みも少し歪んでいます。ここ数回、丸出しには自信が持てるようになってきていたので、大変残念です。
 その結果、その後の角だしがずれてしまい、肉分けと巾だしで苦労し、本のしでも形を整えるのにT4段のお力を借りることに。そのような状況なので、均一の麺体ではなく厚みが整いませんでした。 切りでは、切り巾が一定とは言いきれず、最後の方で巾が大きくなってしまいました。
そば打ちは、本当に難しいです。前回出来ても今回できないことはしょっちゅうで、ある程度できるようになったと油断をすると、また失敗してしまう。やはり、何度も練習して自然と出来るようになる必要があります。

2015年9月12日土曜日

そば打ち記録(21) 札幌新川そばの会にて 2015/09/12

2015/09/12
札幌新川そばの会
天候:晴れ時々曇り
気温:22℃

ソバ:雪中そば 幌加内沼田産

1.0kg生粉打ち
加水量:450ml
加水率:45.0%

水回しの問題点の改善に集中した。
水をいれ、回りの粉を水と交わらせながら、指は突っ込ますに、軽く麺体をなぞるように水を回してみる。麺鉢の底に粉がくっついているがこれも無視して。
第一段階で水が回り、指にもくっつかず、大きなだまにならず進んでいった。この段階で、指先を使い、麺鉢底の粉の塊に大きな粒をぶつけるようにしながら、底の粉に水を回しながら、かつ、だまをなくす作業を行う。これで、数分で1回目の加水後に、パン粉状の粉になった。
予定通りの水回しの状態が作れたと感じた。その後、2回目の水回しでは、手のひらも使いながら、水を引き出すようにし、半練を加えながら小さな粒を中心に圧を加えながらの水回しを行い、この状態から最後のまとめの状態に行きついた。最後の直前で、手のひらに0.5ml程度を水を含ませて調整を加えています。

のしで失敗があり、最後の切の段階で、麺体上部の一部が切れました。原因は、のしの際に引っ張りながらのしてしまったことが原因と思われます。前回も同様な失敗があるので、押しのしに戻っていないことが大きな原因です。二八で楽した際の圧のかけ方がなかなか治らない状況です。次回の課題は、完全押しのしです。

帰宅後、次の3種のそばの食べ比べができました。
①今日のそば(雪中蕎麦十割)
②幌加内産ほのみのり新そば十割
③空知さんきたわせ二八そば

②>①>③の順でした。このように比べてみると、幌加内産ほろみのりも美味しいということでした。

本日のそば粉 結構保水してます
1回目加水後

のし後(1)この段階ではまあまあに見えましたが?
のし後(2) 真ん中が少し薄かった(少し下がってます)

<食べ比べ>
①今日のそば(雪中蕎麦十割)
②幌加内産ほのみのり新そば十割

2015年9月6日日曜日

そば打ち記録(20) 空そば祭りにて

2015/09/06/San.

「空そば祭り」が昨日から、岩見沢市にて開催されています。
本日、朝早くに起きて、岩見沢に直行。名人の保住さんに会いにでかけました。
先週の幌加内そば祭りで、空そば祭りでそばを打ているので、見学してみればというお誘いにのり、厚かましくも伺いました。

空そば祭りのバックヤードでは、朝早くから、多くの方がそばを打っています。その中に保住さんは居られました。狭い部屋で大勢の方打っているので、その中で見ているのも気が引けるような状態でした。ここでゆっくり拝見し続けるのは難しいと判断し、ご挨拶だけと思い声をお掛けしました。
すると、この後体験そば教室の講師をするので、そこで教えていただけるという提案をいただきました。

1kgの二八でのそば打ちを開始です。

【篩での確認事項】
・篩に手を入れる際は、手のひらが上で、手の甲で残った塊をほぐすことは可であるが、決して手のひらを下にして、または、指先から入れてはいけない。

【水回しでの確認事項】
・水は「の」の字に加える。一か所に加えれば、その分水の塊が大きくなるので。
・水に対して、回りの粉をかけるようにする。
・力を加えず、指先で優しく混ぜる。この時、指を鉢の底に押しつけない。鉢の底の粉は、この作業の後に、その粉に対して水を加えていく作業の際に上手に使う。これは、ダマを作らないための方法である。ダマを作ってはいけない。
・最後にまとめの作業に入る前の段階で、大きくなった塊に「テリ」が出るようなコネかたをする。どのような状態でまとめに入るかは重要でチェックポイント。

【こねの確認事項】
・体の真下でこねると、力が伝わる。

【まるだしの確認事項】
・最初から力を加えてのして良い。洗濯板状に、手を震わせながらのしていく。
・丸を意識して、厚さを意識して。

【四つだしの確認事項】
・真ん中を押さえて、前に回す。
・肉分けを意識し、出したいところに手を置いて前に回す。その際にも、真ん中を常に意識し、真ん中と一方の出したいところに手を置きまわす。
・前後にこねてはいけない。あくまで、前に回す。


【肉分けと巾だしの確認】
・左なら左の上1/3⇒真ん中1/3⇒下1/3⇒一番下から一番上に⇒戻しながら上から下へ整えながら肉分けしつつ巾だし。その後、右側の上1/3から順に対応。

【巻のしの確認(初巻のし)】
・出したいところに手を置き、あとは四つだしの要領で、前に回転させる。
・出したいところは、厚いところ = 巻いた麺体の厚さを確認

【のしの確認】
・形を整える際に、山の頭から谷に向けて、山の頭の先から力を加え谷に滑らせる。

【打粉の播き方】
・普段の打粉の打ち方 ; 手のスナップを効かせ、外から内に播く。
・均等に、かつ、丁寧に播く。
・たたみの際には、均等にを重視。
・手で掃かない。

【切の確認】
・包丁がまな板に着いた後も、前に押し出すと、確実に切りきれる。

と、ご教授いただいたところの列挙ですが、次回打つ際に思い出しながら、できるようにしていきたいと思います。
 

会場入り口
上砂川手打ちそば愛好会の十割そば (美味しかったです)
上砂川手打ちそば愛子会

そば打ち記録(19) 自宅でそば打ち

2015/09/05/Sat.

自宅でそばを打ちました。
そば粉は、先週末に購入してきた、幌加内産の新そば1kgです。
新そば粉での生粉打ちです。

品種は、ホロミノリです。
ホロミノリは、幌加内町農業技術センターが育成したそばの品種です。
「ほろみのり」は、有限伸育性で、一斉に花が咲き、実をつけるので、収穫に適した実のみを収穫でき、実が落ちてしまうことも減るため、多くの収穫量が得られます。研究結果として、収穫量が1.3倍に増えたほか、品質のムラが少なったといわれています。
味は、香りや独特のえぐみが強い「キタワセソバ」と比べ、甘味があり、クセがなく上品な味と言われます。

ホロミノリ1kgを32メッシュで篩いました。少しだけですが、緑色の粉が篩に残りますが、ほぼ全量が落ちました。
1回目の加水は、400mlにて水回しを行い、2回目の加水では、まだ相当水が入ると思われたので、50mlを加えて回してみました。まだまだ、水が入る状況で、30mlを加えてまとまってきました。
水の総量は、粉1.0kgに対して、480ml(48%)で、久しぶりに水を入れたそばになりました。

その後、捏ね、のしと順調に進み、切は、同じく先週末に購入した、まな板にて切りました。
茹では、沸騰した湯に加えると、すぐに浮き上がってくる状態で、1回目は20秒、2回目は15秒で上げて食しました。
甘みや香りは、弱めで(これを癖が無くという表現なのかもしれません)、私のつゆでは、つゆが甘すぎて、麺と合わないようでした。別のつゆが必要なそばだと感じました。
キタワセの香りが好きな方には、物足りなさを感じるかもしれません。新そばで、この香りであれば、時間を経過した際にどんな香りになるのであろうと思いました。
そばの甘みを求める方、すなわち、良く茹で派で、そばは、そばの甘みと味が重要という方には良いそばなのかもしれません。そばの香りを求め、のど越し派の方、どちらかと言うと、早ゆで派の方には、物足りなさを感じるかもしれません。そのような品種なのかなと言う感想です。ホロミノリの評価には、他の方の打たれた、ホロミノリのそばの味を確認してみる必要がありそうです。
幌加内産ホロミノリ
ゆであがり 香り??

2015年9月2日水曜日

幌加内そば祭り紀行

幌加内そば祭りが、2015年8月29日30日で開催されました。

29日のお昼前に会場に到着できるように、札幌を9時に出発しました。砂川パーキングで一度休憩し幌加内のそば祭り会場に11時頃到着でした。休憩込みで2時間なので、思っていたよりは近いという印象でした。
高速道路から有料道路を抜けて地道に降りると、回りはソバ畑です。ここからそば祭り会場まで、ずーっとソバ畑が広がっています。収穫前のそばの花は、独特の白味が茶色くなりかけており、収穫を待っているようでした。それにしても、収穫前のソバ畑が広がっており、まだ収穫していないのではないかなと思った次第です。
幌加内のそば畑

【蕎麦会場に到着】
駐車場から会場まで、沢山の出店が迎えてくれました。そば関連のお店からお好み焼き屋さんまで、多種多様です。出店群を通り抜けると、蕎麦会場です。
最初に、約束していた北海道そば打ち名人の保住さんを尋ねました。幌加内でそばを打っているから、見においでというお誘いにのって伺ったのです。北海道そば研究会出店の店を訪ねると、保住さんが在られました。朝からそばを打ち、店の方が忙しくなったのでこちらを手伝っているとのことで、そば打ちはまた明朝から打つので、そのころ来ればよいということで、明日の午前中の再訪を約束して、最初の目的を達成です。
そば祭り会場
初日のメイン会場では、3段位認定会が開催されていました。出場者数60名ほどで、1回12名なので5回開催されるようです。まだ、そばをいただくには少し早いので、3段位認定会を見学しました。参加者の方の緊張感が伝わってくる会場で、張り詰めた空気の中で段位試験が行われています。さすがに3段位挑戦の方々なので、落ち着いています。水回しから始まりました。しかし、時間の経過とともに、結構焦りが出てくるようで、ばたばたされている方もおり、40分で1.5kgを打つのは大変だと、改めて感じました。来年はまだ2段位への挑戦なので、1.0kgのボリュームですが、時間制限下のそば打ちにも慣れておく必要があると、改めて思います。最後まで見届けていないので、どなたが合格したのかは分かりませんでした。
3段位試験  開始
さあ、新そばを食べようとまずは最初のお店にて、もりをいただきました。
エッ!!これ新そば??と心でつぶやくと、一緒に同行したそば打ちをしていないけど、そば好きのS君が、このそば、美味しくないですね。○○のそばよりひどいですね。とつぶやきました。
別の店で、もう一枚もりをいただきました。これも、一店目同様のそばでした。
さらに、三店目ももりを注文、これも余り大差が無い、新そばなのというお味です。
どうしようもないので、四店目、冷やぶっかけにしました。麺つゆの味は良くソバもこれまでよりは良いですが、新そばと言うには少し違うようです。最後に、かき揚げ天もりをいただきました。これは、そばだけでなく、天ぷらは生揚げで、粉が残る天ぷらでした。
ここで、あきらめました。お祭りにはお祭用のそばを提供していて、本当の新そばは蕎麦屋でなら食せるのだという、納得できる理由付けを勝手に行い、明日、蕎麦屋に行ってみようと、S君と合意しました。
いろんなそばが 
【宿泊施設に到着】
宿泊は、朱鞠内湖畔のレークハウス朱鞠内です。朱鞠内湖は初めてですが、静かできれいな湖です(人造湖)。表現がし難い静けさでした。夜には満月が湖面を照らし、幻想的で静けさが倍増するようです。なぜこんなに静かなんだろうと不思議に思っていると、波が起こっていないことに気付きました。阿寒湖でも、洞爺湖でも波がありますよね。湖では、海ほどではないけど波の音がします。朱鞠内湖は波が無い。音が無いので、静かだ。
ここは、心が洗われるようです。静けさを求めたい方には、お薦めの場所です。
朱鞠内湖は波が無い
もう一つの気付き、今日、札幌で高速に乗ってから、一度もコンビニを見かけませんでした。こんな日があること自体が不思議と感じるところが、もっと不思議ですが、本当に一軒もありませんでした。そんなことに気付くのも、この静けさのせいなのかもしれません。(この件は、翌日に札幌に戻る際に検証しました。やはりありませんでした。COOPが幌加内にあるだけで、お店が他にないということも確認しました。)(どうでもよいことかもしれませんが、コンビニがマーケティング出来ない地であることを再認識した次第です。一層の過疎化が心配です。でも、幌加内そば祭りの実行委員は若い人たち(後述)なので、期待が持てるかもです。)
朱鞠内湖の月
朱鞠内湖の朝
レークハウス朱鞠内では、美味しい夕食と朝食をいただきました。夕食のメインは、ダッチオーブン料理で、これが美味しいです。最後に出されたそばは、本日最も美味しかったそばでした。
翌朝、レークハウス朱鞠内の理事長の中野さんとお話をする機会がありました。そばの話をし、幌加内地区の製粉所の方で、素人の我儘に付き合って下さりそうな方が居ないかと言う質問を投げかけました。本当に幌加内さんのそばが、昨日食べたそばが限界なのか?美味しいと言われていたそばはどこにあるのか、美味しいそば粉を入手できないか等々、相談できそうな方を紹介してほしいという、身勝手なお願いをしてみたのです。それなら、町の観光課に聞いてみようということで、そば祭り会場で待ち合わせをし、観光課の方と相談する算段をしていただくことになり、今日の午後に、そば祭り会場でと言うことになりました。午前中は、朱鞠内湖のワカサギの漁に出るとのことでした。その理由が、朝青龍関が昨日から泊まっており、今から一緒に漁に出て、「いとう(幻の魚by釣りきち三平)」を見たいということです。そんな話をしていたら、隣に朝青龍関が立っていました。
ダッチオーブン料理ほか
【そば祭り2日目】
そば祭り会場二日目、最初に保住さんを訪ね、バックヤードでのそば打ちを見学させていただきました。そば打ちに無駄が無いのだろうなと感じたのと、動きに切れがあり、かつ、きれいです。札幌新川そばの会の能登さんが、彼女のそば打ちには華があるということを言われていましたが、その意味を何となく感じました。保住さんは、今から、私と同じ初段の方を指導するので、一緒に見てていいよと言ってくださり、間接的に指導してくださいました。この日のそばは、二八で、水は結構入っているのでその様な状況のそばを打つ方法として聞いてねと言うことで、状況で変わるということを踏まえてのことでした。丸出し時の、麺棒の使い方で、円周に沿っての麺棒の使い方は初めてのことでした。これまで学んできたことと同じことを言われていましたが、表現が異なるので、そこが面白いと思います。来週、「そらちそば祭り(岩見沢市)」で、またそばを打つので、自分の道具を持ってきたら、一緒に打つ機会がもてるかもと言うことで、来週のそらちそば祭りでの再会を約束して別れました。

メイン会場では、北海道名人戦が開催されていました。昨日の三段位認定試験とは異なる空気の中で、第一組目が開始です。皆さん、本当に落ち着いてます。粛々と進んでいき、麺が出来上がったという感じで、焦りとかは感じられません。出来上がったそばを拝見しましたが、きれいにそろったそばが並んでいました。使用したそば粉には粗挽き粉も混ざっているそうで、外一とのことでした。こちらも最終結果は分かりません。

さて、幌加内町の蕎麦屋を二つだけチョイスし、そこに行くことにしました。両店共に、パンフレットには十割そばと書いてあります。
一店目です。もりをお願いし待っていると、「できました」と声がかかり、セルフサービスで取りに行きます。一枚八〇〇円のもりそばです。一口いただき、これも新そばなの?と言う感想で、幌加内産のそばに対する疑念が湧いてきました。同行したS君も、同様の意見。
最後にもう一店に到着、こちらは、もり二枚と頼むと、「もう、何もないよ」と、「そばだけあればよいんだけど」と言い、「本当に何もないけど、まともじゃないそばならある」と言うことです。「そばなら、それでいいので、二枚お願い」といい、待合室で待っていました。
出されたそばを頂戴していると、店主が我々の前に現われ、無愛想な店主だなと思っていたら、そんなことはなく、いろいろと話し出されました。
そこで、意を決して尋ねてみました。「申し訳ないけど、これは新そばですか?」と尋ねてみました。すると店主は、
「そのそばは、ソバじゃないんだよね」
「そばは、もう売り切れて、それは余ったそば粉を混ぜて、自分が食べようと打ったもんだ」
「ひねのキタワセにあまっていたホロミノリを混ぜて打った。」
「そばはないよと言ったのに、何でもいいというので、自分の食べるのを茹でたんだ」
「おいしくないべ」「二時前に、新そばは終わった」
エェ!そういう意味だったのということで、頼んだ私たちも悪いのだと思いました。
「そうですよね、これは新そばと言えるものではないですよね」と納得しました。
昨日から、今日の一店目までの話をし、新そばを食しに来たのに、美味しい新そばにはありつけなかったことをお話ししました。
すると、「配給制なんだ、お祭り期間中は」「うちも、無くなったら終わりなんで」
「おいしいそばが食べたかったら、本格的に収穫が始まる九月中旬以降だ」というのです。
でも、このはなしを聞いて、ソバ畑がまだ白い花をつけていることを理解しました。そばの白い花が残っているこの時期には、まだ、大量の新そばは畑の中だということです。
一人550円ずつを支払うと、そのお金を大事に手にのせ、頂戴しては申し訳ないというように、そのお金をしまおうとせずに、手に握りしめたまま見送りに出てくださりました。時期が来れば、美味しいそばがあるのでと、車が出るまで見送ってくださりました。そういえば大将は、そろそろ店を閉めようかとも言っていました、大将の美味しい新そばを食べられなかったのが、少し残念でした。また、時期をずらして来てみたいと思いますが、なかなか来れないのが現実なので。
蕎麦屋の幌加内新そば?
このまま、幌加内さんのそばを評価することはできないので、美味しい幌加内さんのそば粉を入手できるように紹介してくださると言われていた、レークハウス朱鞠内理事長の中野さんに合うために、再度そば祭り会場に向かいました。中野さんを見つけ、製粉所の方を紹介してもらおうとしましたが、祭りで忙しく電話にも出ないということでした。そこで、町の観光協会の実務委員お方を紹介いただき、その方を通じて、製粉屋さんで色々と相談に乗ってくれそうな方を紹介してもらえるということで、後日コンタクトを取ることになりました。

【お土産の話】
沢山の出店が出ているということは、消費意欲に火がつくということです。頼まれていた新そば粉とさび止め材は早々にゲットしました。
そば道具のなかで、まだ揃っていないのが麺切り台(まな板)です。いいのがあれば買おうかな程度でしたが、あるお店に一枚板のまな板が立てかけられていました。片倉友蕎子曰く、「まな板に良いのは、自ら開発した、檜の柾目の木口を接いだまな板が良い」その理由として、目の詰んだ柾目の大きな一枚板でつくることは不可能に近いからということでした。でも、目の前に「ぼっこ柳」の柾目の一枚板の切台が現われました。檜も良いですが、ぼっこ柳のまな板は、最高級品という話もあります。値段は張りますが、交渉により18%引きまでは行けそうです。そもそも、このまな板ですが、全麺協の会長のオーダーで作成した際に、折角なので二品作成したのだそうです。その際に作成した一方の製品だそうです。品としては間違いない品で、かつ、思ったよりは価格も下げていただけそうです。迷っていると、同行したS君が、「一生ものはいいものを」とつぶやいたので、そうであった、「一生ものはいいものを」だ。「道具は、良い物を使うべき」であったことを思いだし、購入することになりました。