札幌そば研究センター

2016年11月30日水曜日

そば紀行(16) 山形県村山市 あらきそば

山形のそば店で有名な老舗のそば屋「あらきそば」に伺いました。

あらきそばのHPでは次のように記載れています。(HPからの引用)


大正9年創業 太く、強いコシのある当店のそばは、噛めば噛むほどに、そば独特の香りが口の中へ広がります。
100年守り続けた、そば本来の力強さ。是非、体感なさってください。

山形県村山市でそば店を創業した、あらきそば初代、芦野勘三郎(写真上)は、その腕の良さから評判となり、昭和天皇弟(高松宮様)も、何度か彼のそばを食されました。
その後、2001年に文芸春秋より発刊された、「あらきそばの真髄 超極太生子打ちの秘伝を探る(里見真三著)」では、当店のそばの無骨さ、頑固さが語られております。
現在、創業約100年、そば打ち職人は4代目ですが、創業当時と変わらぬ建物、そばの作り方で、御来店をお待ちしております。



以前から一度は伺ってみたかったお店に、やっと行くことができました。
村山地区は、最近では日本酒「十四代」の蔵元(高木酒造)でも有名です。
この地区は、隣町の大石田地区の在来種とは異なり、デワカオリ等の最近のソバ種を使用しています。あらきそば店でも、デワカオリを使用しているそうです。

店は、茅葺屋根の民家で、店に入ると囲炉裏が迎えてくれます。
店内は、古民家の続きの広間にテーブルが並びます。

雪が降りました


メニューは板ソバのみでした。大変大きな板にそばが薄く盛られています。そば量は、相当あると思います。伺わなかったですが、300gは楽にあると思います。
店主に伺うと、現在はデワカオリの玄そばをロールで挽いて、2%程度のつなぎを加えて、水で加水して打っているそうです。十割との記載を何かで拝見しましたが、現在は上記のようだそうです。
麺は、大変太い蕎麦でした。山形の板そばというブランドの代表として存在しているのかな?と思うほどの堂々とした蕎麦です。

この蕎麦と、江戸で出されてきた蕎麦とは、同じ材料を使用し、そば切りという点で共通していますが、食仕方は異なる物です。
大きな違いは、「噛む」と云う作業を、しっかり行わせるのが板そばで、1-2回噛んだ後にすぐに喉を通すのが江戸での蕎麦(以後、江戸蕎麦とします)です。
それゆえ、山形の板そばは、ゆっくりじっくり噛んで蕎麦の香りと味を楽しむそばです。一方で、江戸蕎麦は、喉越しが先にあり、蕎麦の香りを楽しみながら、味は少しだけ楽しむという食仕方になると思います。

この違いは、実は何処から来たのか大変興味深いと感じました。蕎麦の歴史や文化を鑑みて、次のような仮説が立つのではと思います。

昔の山形での蕎麦は、食事の主役として主食として食されてきました。もっと昔には、田舎の蕎麦は、お祝いごとの際に振る舞われたものですが、その際にも、主食として食されています。
一方で、江戸蕎麦も、食事のために提供されてはいますが、間食としての提供です。江戸時代に発展した蕎麦文化は、大勢の江戸の働き手のファーストフードとして発展しています。今のスターバックスのケーキ・クッキーのような扱いです。あるいは、牛丼やハンバーガーのような扱いでも良いのかもしれません。元々は、田舎の太くて噛む蕎麦でしたが、江戸での顧客ニーズに合わせて、時間をかけずに作ることができて、食せるように、細く呑み込みやすい長さの江戸蕎麦に変化したのではないでしょうか。サーと食べて、仕事に戻ると人たちに人気になったのは、噛まずに呑み込んで食し、喉越しを重視するように開発されてきたのかもしれないという仮説が立つと思いました。この仮説に立つと、十割蕎麦から二八への変遷の一つの理由になるかなと思います。

板そば  です。

板底が見えますが、大きな板です。ボリューム満点。
割りばしの先の太さくらいです。

2016年11月26日土曜日

そば打ち記録(58) 札幌新川そばの会

2016年11月26日(土)

天候 : 晴れのち曇り
気温 : 1℃

そば打ち内容
今日は、先週と全く同様の内容でのそば打ちになりました。
先週は、埼玉の実家に蕎麦を送るために2kg打ち、全てを佐川急便の航空クール便で送りました。今週は、福岡の妹に蕎麦を送るために2kg打ち、全てを先週同様に佐川急便へ直行し、航空クール便で送りました。

現在、札幌から道外に、翌日に荷物が届くように送る方法は、佐川急便と日通航空のみです。他では、航空便の扱いが無くなったようです。両者の内で、冷蔵または冷凍で荷を送ることができるのは、佐川急便だけです。独占状態で、結構運送費は高額でした。そば代の倍くらいかかります。

1回目
音威子府加藤農産産 キタワセ
丸抜きの石臼挽きで、60メッシュ篩の粉
加水率 ; 45%
丁度良い加水量でした。
打ち時間は、40分で、まずまずです。

2回目
音威子府加藤農産産 キタワセ
丸抜きの石臼挽きで、30メッシュ篩の粉
加水率 ; 44%
丁度良い硬さです。
打ち時間は、途中で指導が入ったので不明でした(これも、先週同様でした)。

今週指導いただいたことは、
四つだしの際に、より角をきわだたせるように、最初の巻初めで角を出せるように、前後に回転させながら麺棒を巻いていくという方法でした。確かに、麺体が堅いので、単に巻いただけでは容易に角が出てきません。麺体の柔らかさを確認し、その状態に合わせて四つ出しをしないと、効率が悪いことを再確認しました。

四つ出し後の麺体の広げ方で、全体が台形の場合は、短い辺を遠いところに置き、長い辺を近いところに置くと、その後の肉分けがやりやすいということ。確かに、この状態であれば、遠いところは開きながら肉分けするので、実施しやすいことがわかりました。

麺を切る際に、包丁を手前から先に少しスライドさせるように切ると、切り終えた麺体が開くので、切り終て麺を開く手間が少し省けるということ。
この件は、私自身が誤った認識をしておりました。切り終えた麺は、元々の形を変えずに切れているのが良いと思っていました。それは、その後に麺を並べる際に、麺がほぐれないできれいに並べられるからでした。確かに、切りおえてから間開きをして、その後に並べので、間開きが効率的だと良いわけです。なるほどでした。

次回から、すこしチャレンジしてみます。タイミングがずれるので、少し練習しないとできないと思います。

今日は、写真撮るの忘れてました!!?!!


2016年11月20日日曜日

そば打ち記録(57) 札幌新川そばの会

2016年11月19日(土)

天候:曇り
気温:8℃
今日は久しぶりに温かい土曜日でした。

本日の蕎麦は、埼玉の実家に空輸で送られることになりました。
2家族分なので2kgは打たなければいけないので、1kgを2回打つことにしました。
そば粉は音威子府のキタワセ新そば60メッシュ篩の粉にします。

1回目
加水率 ; 46%
少し柔らかめでした。
打ち時間は、38分で、まずまずです。

2回目
加水率 ; 44%
丁度良い硬さです。
打ち時間は、途中でのしの講義になったので、測定不能となりました。
四だし後の肉分けから巾だしの工程をいかに効率よく、正しく行うかという視点での話が沢山ありました。四つ角を整える⇒横位置の真ん中をのして幅を出していくが、その際にそこが薄くなりやすいので注意が必要。手前と先の真ん中の肉をどこに出すのかを考えながら対応しないといけない。これは、1.5kgになると更にややこしくなる。

課題の丸のしは、こんな感じでした。

1回目
2回目
埼玉に届いた蕎麦と汁は、今晩食していただけたようです。
甥の感想が送られてきました。
「蕎麦の独特の匂いしないね❗これが本物なんだね😋」だそうです。
蕎麦の独特の匂いが何を指すのかが不明です。十割そばは、これまでの蕎麦とは違ったということのようです。

2016年11月12日土曜日

そば打ち記録(56) 粗挽き粉 湯ごね

2016年11月12日(土)

天候:晴れ
気温:7℃

今日は、湯ごねに挑戦です。

<1回目>
来迎寺在来種500g
お湯:250ml + 水30m

先週山形で分けていただいた、在来種の超粗挽き粉を湯ごねでそば打ちしてみます。
1回目は、山形県大石田のそば店そば切り源四郎さんから頂戴した、来迎寺在来種の超超粗挽き粉を湯ごねで打ちました。お湯の比率は、50%で良いということでしたので、その量を使用しました。
50%の湯を加えて1分間放置。これはそば切り源四郎の森さんの指示の通り。
・水回しに入るが、大きな水の粒が無くなると、サラサラな粉の状態になる。
・このまま水回しを継続、結構時間が経って、やっと少しだけ水が入った粉のように、ほんの少しのしっとり感を感じる。
・どんどん手を回して、水回し継続。次第にパン粉状態に突入。この段階から、圧をかけて水を出させる手に変更して、我慢して、増々手を回す。
・少しだけ、纏る気配が感じられたが、気配だけで多少の水が必要な感じなので、約20ml水を加えて、手を回す。圧はより強く、長くかけて水を出すように。
・纏ってきました、小さな粒ができてきました。
・手酌で1回水を加える(約10ml)
・やっとまとまりました。

粘りの水回しです。50%でいけるという話を聞いていなければ、ここまで粘れなかったかも知れません。



細麺になりました。
味と喉越しは抜群です。
麺は切れませんので、繋がってます。
もう少し、太い麺(1.5mm位)の方が合うかもしれません。



<2回目>
次年子在来種500g
お湯:250ml + 水20ml

同じ山形の大石田のそば座敷平吉さんで分けていただいた、次年子在来種のこれも、超超粗挽き粉を湯ごねで挑戦です。お店では湯ごねではなく、つなぎを2割入れて蕎麦にしています。つなぎの力を使わないと繋がらないというお話でした。できれば、湯ごねで繋げられればという思いで挑戦です。

こちらは、お店でもつなぎを使っているようなので、湯ごねでの経験値が無い粉です。しかし、1回目の来迎寺の粉に近いので、同様の方法でチャレンジしてみようと、そば打ち開始です。

水回しは、1回目と同様の経緯でした。




超細麺になりました。
500gでしたので、のし過ぎです。
味は良いです。
麺は切れませんので、繋がってます。
こちらも、1.5mm程度の麺の方が良いかもしれません。



<この2回のチャレンジと昨年の失敗から分かったこと。>

①粗挽き粉の水回しは、水が入るのに時間がかかる。
②水が入っているのに、粉は水を含んでいるというサインをすぐに出さない。
③②の状態で、焦って水を加えると、どんどん水を吸う。
④③の状態で、水を入れ過ぎると突然トロトロになる。
⑤③の状態で、水を入れないと、粉から水が出てこないで水をどんどん吸収する。
⑥⑤の状態で、水を加えないでこねても、割れる
⑦②の状態で、我慢して水まわしを行うと、水が入っていき一度含んだ水を吐き出させることができる。
⑧⑦の状態を継続すると、纏ってくる。
③から⑥の状態にすると、蕎麦にならない。

このように、回しながら、気長に待つことが重要なのだと思われます。
この経験を基に、来週は、どちらかの粉で水でやってみたいと思います。

2016年11月10日木曜日

そば紀行(15) 山形県大石田そば そば座敷平吉

2016年山形県大石田第3弾で、そば座敷平吉さんへ伺いました。

大石田地区でまだ行った事が無く、興味深いお店に行こうというこで、順番に連絡を取らせていただき、今日のソバ種、つなぎの使用の有無等を伺いました。今日紹介するそば座敷平吉はそんな中で出会ったお店です。

連絡をすると、次年子在来種を自家栽培し、製粉し、蕎麦にしているということです。次年子在来種は、この地域の来迎寺在来種同様に、昔から栽培された在来種です。この地のそば店の「手打ち次年子そば」のみが栽培して提供していると思っていました。しかし、「そば座敷平吉」でも、次年子在来種を自家栽培していたのです。ただし、提供している蕎麦はつなぎを使い二八で打っているということです。

次年子在来種を「手打ち次年子そば」で2年前にいただいた際に、玄ソバ挽きぐるみの外一で、そばが太く、不均一の太さで短い蕎麦でしたので、少し残念な経験をしました。そこで感じた次年子在来種ソバの味と香りは、あまりハッキリとしない蕎麦という印象でした。このような蕎麦でしたので、次年子在来種の蕎麦は、いつしか、頭から消えていました。

二八でも、蕎麦の香りや味は味わえますので、もう一度次年子在来種の蕎麦を確認しようということで、早速伺うことにしたのです。

やはり、オーダーは板そばです。出された蕎麦を見て、相当粗挽きのそば粉を使用していることが分かります。この粉は、十割で湯ごねでもつながらないのだろうなと思わせる蕎麦でした。つなぎは、少し邪魔をしますが、そばの味と香りは良く出た蕎麦でした。美味しいです。

次年子在来種は、私の中で、新たに見直されました。美味しいソバ種です。2回前に報告した、源四郎さんの来迎寺在来種の超粗挽き粉と、平吉さんの次年子在来種の超粗挽き粉は、それぞれ楽しい蕎麦を提供してくれます。この、大石田地区に通う価値が見いだせました。来年、この地に来ることができれば、最初にこの2軒を訪れることになるのだろうと思います。

付け合せは、きくらげと玉ねぎの天ぷらです。この、きくらげも大変おいしくいただきました。

こちらでは、次年子在来種を1haほど自家栽培しており、友人にも頼んで何とか提供できるほどのソバを確保しているそうです。

次年子在来種の丸抜きの超粗挽き粉だと思われるそば粉を分けてもらえないかと交渉し、少しだけ頂戴しました。見てびっくり、相当に粗い「そば粉」というより、そば「粒」です。このそば粒に微粉のそば粉を混合して、湯ごねで十割蕎麦を打ってみたいなという衝動が湧いてきました。








2016年11月9日水曜日

そば紀行(13) 山形県大石田そば そば切り 源四郎

2016年新そば巡りと言うほど大げさではありませんが、新そばの在来種を求めて、昨年に引き続き山形県大石田地区の在来種である来迎寺ソバの十割そばを求めに行ってきました。その第一弾です。

昨年、この地の在来種である来迎寺ソバ種による蕎麦は、この大石田地区でしか味わえない蕎麦です。元々、栽培面積が大きくなく(170ha、75トンの収量:村山総合支庁農業技術普及課)、その割にそば屋が多いので、他の地域へ回るソバが無いというのが正直なところのようです。

昨年訪問の際に、半日同行していただいた、地元のタクシーの運転手さんの話では、この大石田地区で、あるいは、隣町の村上の超有名店でも、一部の店では最上早生を提供しているそうです。この新そばの時期には、来迎寺在来種が味わえるが、その先、月数が進むと、それだけのソバがあるのか分からないというお話でした。全く異なるソバ種を用いて提供することは無いのでしょうが、ある程度他種を加えての提供になることはあるのではないか?と疑問に思うというお話をうかがいました。現在は、そば種を確認するお客さんも多いので、ブレンドであればそのように、一品種であればそのそば種を明らかにしているお店が多いとういう話をした記憶が蘇ります。

さて、新そばの来迎寺在来種を求めて、2016年最初に伺いたいのは、昨年伺ったそば切り源四郎です。
一週間ほど前に電話で、「昨年に引き続き、今年も十割そばをお願いしたいのですが?」と問い合わせると、快く「了解、急がずにゆっくり山まで来て!」という返事をいただきました。これで、来迎寺ソバ種の粗挽き粉十割蕎麦を今年も味わえます。

昨年、そば切り源四郎の森様を訪れた時のことを思い出します。大石田で蕎麦を食べようということで、Webや大石田町のそば街道の情報を基に、数店舗ピックアップし、来迎寺在来種のソバで十割そばを提供している店をピックアップしました。15-6店舗ある中で、この条件を満たすのは数軒でした。かつ、訪問した時に営業している店を探すと、なんと2店舗だけでした。最初に、最も有名なお店に行き、味わいました。この店では、来迎寺在来種を微粉に挽いたそば粉を用いた十割蕎麦で、大変おいしくいただきました。

その後に、もう一店舗伺うと、そこでは、今日は十割は無いということで、断念。どうしても、もう一軒行ってみたいということになり、電話攻撃で、「十割・・・十割・・・」と、聞いて回り、数件目でそば切り源四郎さんに電話したところ、「十割食べたいなら、今から打ってあげるから、30分後に来てください。」という、嬉しい返事でした。

訪問すると、そもそも十割そばを提供しようと、店を開ける準備をしていたそうで、それが、開店前になり、知り合いや家族やらと試し打ちをしていると、十割より二八が美味しいということになったそうです。ご主人は、二八での蕎麦を本意ではないが、回りの意見に沿い二八で商売を始めたそうです。しかし、そもそも提供したい十割蕎麦なので、店の片隅に「十割あります」と書いて、お客が求めれば打つということにしたそうです。そういえば、小さな紙に書いてあります。ということですので、店主としては「十割食べたい」というお話は、願ったり叶ったりということだそうで、「全然面倒ではない。」ということでした。

これは今年の店内、昨年より大きな「十割」の文字

十割蕎麦の美味しさを、理解してもらえないのが残念だという話でした。昨年、店主の森様と話しをしていて感じたのは、今時の方々は、そもそも、生まれた時からつなぎの入った蕎麦しか食べていないので、「二八で蕎麦と小麦の香りを感じ、ツルットしたつなぎ特有の喉越しが、美味しい蕎麦なのだ。」という認識をしてきたヒトが殆どなのではないだろうか。また、現在の日本では、米の主食に追随してパン食が多く、そういう私もパンが大好きで、ドイツパンに至っては目がありません。ドイツパンはライ麦文化でした。それはさておき、日本での小麦食は、当たり前の環境です。お菓子に至っては、古くからある日本の駄菓子や田舎の煎餅(南部せんべいが代表)等は小麦が原料です。それにバターを加えると、クッキーやケーキ等の洋菓子になります。どちらも、主原料は、小麦粉であり、そもそも、小麦が大好きな日本人であることを、この時、再確認しました。
そういえば、達磨の高橋さんのお店は、超人気店ですが、二八ですね。二八vs十割論争は、これからも延々と、私の中で続きそうです。

少なくとも、昨年、そば切り源四郎の森様と話していて、「十割蕎麦より二八蕎麦が美味しいと感じるこの頃のお客さんを、恨んでもしょうがないのではないか?」「二八より十割蕎麦と叫ぶ、私たちの方がおかしいのかもしれない???」という結論を、私なりの理解として持ち帰った記憶が蘇ります。

そば切り源四郎さんの蕎麦は、来迎寺ソバ種丸抜き粗挽きのそば粉を湯ごねで十割で打っています。このそば粉を、昨年分けていただき、水で打とうとチャレンジしましたが、跳ね返されたそば粉です。(今年も分けていただけたなら、湯ごねでそばを打ちたいと思います。)

さて・・・、、、 思い出話が長すぎました。ここまでは、訪問の前日に書いているのです。明日が楽しみで、余計なことを含めて、たくさん思い出してしまいました。

いよいよ、当日です。

来迎寺を求めて、いざ、源四郎へということで、仙台を発ちました。車中で、昨日再確認の連絡をしていないので、到着前に連絡しようかと考えているうちに山形に入り、大丈夫、用意してくれているはずと言い聞かせ大石田の次年子に到着です。昨年と変わらない店構えで、道路から少し高台に店があります。


暖簾をくぐり、店の中へ。挨拶早々に、「十割そばを予約していた者ですが?」と問いかけると。
「あれっ!!今日だっけ!!」という返事が全てを物語っていました。
良くないことへの直感は当たるもので、やはりでした。
しかし、リスクはチャンスへです。
「これから打っていただけますか?」と問い直しました。
「いま、打つから待ってて」ということに。
そこで、一押し、「打つところを見学しても良いですか??」
一間あって、「いいよ・・。。」
と言うことで、思いがけずに森様のそば打ち見学となりました。
これは面白かったです。お店の裏など滅多に見られることはありません。プロのプロとしての真剣なそば打ちを初めて観察させていただきました。

お客に乞われて粗挽き粉を分けるように挽いたそば粉と、店で出すそば粉は異なるようで、店のそば粉は、超粗挽き粉でした。この超粗挽きのそば粉は、一般の方が打っても蕎麦にならないので、少しだけ粗挽きの比率を落としたそば粉を提供しているそうです。昨年頂戴したそば粉は、この少しだけ粗さを抑えたそば粉だったようです。店主は、折角購入していただくそば粉なので、蕎麦になるようにとの計らいのようです。店で打って下さったそば粉と、提供しているそば粉は、ほんの少しだけ粗さが異なりました。

湯ごねの際に、湯を投入してすぐに混ぜるということはしないそうです。ゆっくり待って、自然とでんぷんが固化するのを待ってから、混ぜたほうが繋がりが良いということです。これは、毎日この粉で湯ごねしている方のご意見ですので、大変貴重な方法だと、心にとめてきました。

このようなやり取りをしながら、あっという間に蕎麦が打ちあがりました。15分で打ち終わりです。早い。




出てきた蕎麦は、昨年の蕎麦よりは一回り太目の蕎麦でしたが、大変おいしい蕎麦でした。
この蕎麦をいただいて、丸抜きの粗挽きそば粉による蕎麦の美味しい理由が少し見えてきました。粉の粒度分布が大きなポイントなのだと。

特別に、超粗挽きのそば粉を頂戴して帰宅です。
来年もまた伺いたいと、店を後にしました・・・。

2016年11月7日月曜日

そば紀行(14) 山形県大石田そば そば屋 昇

山形県大石田地区のそば紀行、2016年第2弾です。

「そば屋 昇」さんに伺いました。
こちらのお店は、大石田の商工会のホームページでは、「玄そばは地元産(来迎寺在来を中心に最上早生、出羽かおり)使用で雪室保存、石臼挽きです。そば粉だけ100%の手打ちそばです。」と紹介しているお店です。伺うのは、初めてでした。

店に入ると、店主の早坂様が、お一人で対応しておられ大変忙しそうです。早坂様のお薦めは、板そばです。ということで、板そばをお願いしました。
今日のそば粉は、最上早生の新そばだそうです。来迎寺の新そばは、来週であれば提供できるということでした。

自家製粉ではなく、業者にお願いして製粉してもらった粉を使用し、十割で打って提供しているそうです。多分ですが、玄ソバを挽きぐるみにした粉も入っていました。

一人でやっているので、そんなにたくさんは蕎麦を提供できないそうで、14時にはお店を終了するそうです。朝からそばを打って、店を開くのが11時から14時でしょうから、それは、大変です。十割にこだわって、山形産そば粉を用いて打っているそうです。

板そばをお願いして待っていると、漬物の他に、厚い油揚げの煮つけを、サービスですと出してくださり、これを摘まみながらそばを待ちました。
最上早生の新そばの香りと味は、まずまずでした。少しだけ残念なのは、蕎麦の繋がりが良くないので、ブツブツ切れることです。

早坂様の師匠は、東根の「十割そば あだち」だそうです。こちらのお店に伺ったことはありませんが、Webで確認すると、超極太そば(割りばしサイズで短いそば)で短い蕎麦を提供しているお店のようです。
そば屋昇の蕎麦は、師匠のお店の超太打ち蕎麦ではありませんが、少し太めで短い蕎麦でした。

漬物とイカげそ天に油揚げの煮物

トッピングに梅の花?のそばが!!








2016年11月5日土曜日

そば打ち記録(55) 札幌新川そばの会

2016年11月5日(土)
札幌新川そばの会で、3週間ぶりのそば打ちでした。
天候:雪
気温:2℃
11月初旬ですが、寒い1日で、雪やコンコンで積もってますが、融けてます。

本日、3回のそば打ち。いずれも、加藤農産の音威子府キタワセ新そばで、最初と2回目は、60メッシュで篩ったそば粉で、3回目は60メッシュと30メッシュの50:50の粉で、それぞれ1kgでのそば打ちでした。

課題は、30分以内でそばを打ち上げることと、地のしから丸のしの精度アップです。

<1回目>
打ち時間 : 49分
地のし  : Not Good
丸のし  : Not Good


<2回目>
打ち時間 : 55分
地のし  : Good
丸のし  : Good


<3回目>
打ち時間 : 時間計測外
地のし  : Good
丸のし  : Good

時間に関しては、それぞれの動作に無駄が多く、1回の動作で大きく前進するという課題が解決されないまま、3回が経過しました。水回しであれば、1回の手の動きでより効率的に粉を動かすことができれば良いのですが、回転数ばかり上がりますが、なかなか水回しが進んでいきません。
丸のしも時間がかかります。それを回避しようと1回の圧力を上げると、バラつきが出て丸くならなくなりますし、厚さも差がでます。力加減と効率との関係がチグハグです。
あまり力を加えずに行うには、回数が必要で、それで時間短縮をしていけばよいのか?それとも、現在チャレンジしている、1回の効率を上げるような工夫を考えていけばよいのか?迷いに迷ってます。
成長がピタッと止まっているように感じてますが、練習機会はなかなか取れないので、どうにもなりませんね?!他の練習方法を考えます。

時短 By 1作業の効率化 or 1作業のスピードアップ or 両方については、少し時間をかけて、両方のアプローチを試してみます。


3回目のまるのし