札幌そば研究センター

2017年3月28日火曜日

そば紀行(21) 地水庵 (2) 平泉


地水庵の第2弾です。

中尊寺から戻り、ふたたび地水庵さんへ伺いました。平泉訪問に関しては、一期匠Many JPNのブログに掲載しました。

そば2種はいただいたので、そばがきの善哉をいただこうと思っていました。店主から、善哉のそばがきと通常のそばがきは、使用している粉と作り方が異なるというお話を伺いました。普通のそばがきは、古代そばの粉を用いて作り、善哉のそばがきは、せいろのそば粉を用いて、もちもちフワットのそばがきに仕上げているそうです。
両者のそばがきは、食感、味、香りが異なるというのです。
これは食べ比べないわけにはいきません。フルで2つのそばがきは食べられるかどうか分からないので、少しずついただくことにしました。

最初に出されたのは、古代そばのそば粉である、超粗挽き粉をそばがきにしたものです。このそばがきの、そばの香りは凄いですし、食感はフワットしたなかにそばの粒を噛みながらいただくもので、先ほどのそば切り(麺)に比べて穀物をより強く感じる一品です。それがそば本来の持つ、美味しさなのだという事を確認しました。何もつけずに、そのまま。いただいてしまいました。
次の善哉に入るそばがきは、ふわふわです。かつ、口の中で溶けます。この溶けるそばがきと、優しく炊いた小豆が良い比率で椀に入っています。
そばがきは、こんなに変わるのだということをはじめて経験しました。
店主は、「そばがきは奥が深い。」「面白いよ。」とのことでした。たしかに、使用するそば粉の状態、そばがきの作り方で色々なそばがきが出来るかもしれません。

超粗びき粉(古典そばのそば粉)
超粗びき粉のそばがきの中
中粗びき粉のそばがきの善哉  フワトロです

その後は、様々なお話をいただきました。そばの栽培から、製粉、そばの打ち方等々、本当に幅広い専門的なお話を伺うことができました。
体調を崩してからは、栽培は自身の手を離れ、別の方にお願いしているそうです。
特別の栽培方法を農家の方を訪問してお願いして栽培収穫したものを仕入れておられます。また、仕入れた玄そばは、独自の管理方法で、保存しておられます。その後の製粉には細心の注意をしておられるようです。「もっとも重要なプロセスは製粉かもしれない。」と言われた一言が重いなと感じました。ものすごく粗びきの粉を、何も用いずに水でつないで提供する古典そばは、ものすごい工程を経て、そば切りになり、我々の前に出されているのだということ知りました。この値段では、安すぎますね。一度、このそばを試してみてください。究極の粗びきそばだと思います。
宿六さん、時香忘など、新たな取り組みで美味しいそばを提供されています。これらを総じて上回るそばではないかと思います。

そばそのものの美味しさをどのように表現するか?というところに集中している様子がうかがえ、本当に感銘しました。尽きないお話で、いつまでもお話していたかったです。


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