札幌そば研究センター

2016年12月31日土曜日

(記録)つゆ造り(9) 辛つゆ と 甘つゆ

2016年12月30日(金)

久々に、そば汁つくりの報告です。
前回の(8)回以降、1-2か月に1度は辛汁つくりをしてきましたが、ブログにはアップしてきませんでした。久しぶりの投稿です。

今回は、辛汁は最もオーソドックスに、本枯節のみを用いたそば汁にしました。
一方で、甘汁は滅多に作りませんが、年越しそば用の温かいおそば用に研究を重ねました。
柴田書店から出版されている「だし」と「日本料理店のだし図鑑 」を紐解き、これまでのそば店の甘汁のレシピを基にして試行錯誤しました。また、そば店では、昆布の使い方に神経を使っているお店がまだ少ないので、昆布の卸業で専門店である、札幌市円山の「佐吉屋」さんに伺い、色々とご教授いただきました。実は、佐吉屋様は、ご近所ですが平日のみの営業でなかなか伺えなかったお店でした。
昆布を使うと、その後節を入れた後に濁ることがあることや雑味が気になること等、これまでの失敗を基に、どうしたらよいのかを教えていただきました。

佐吉屋さんでは、主に大阪や京都、東京の料理屋に北海道産の真昆布を卸しているそうです。円山の店で小売りもやっているとのことでした。

大阪ではよく真昆布を使用するというお話を聞いたことがありましたが、やはり佐吉屋さんでも、大阪の料理屋さんへ真昆布を卸すことが多いそうです。大阪では、昆布が肉厚で大変良いだしが採れるので好まれるそうです。


また、京都の料理屋さんからは、利尻昆布を求められることが多いそうです。昔の北前船で敦賀から京都に利尻昆布は納入されてきましたが、最近では直接北海道から京都へ送ることもあるようです。お店には、利尻昆布は見当たらなかったので、伺ってみると、「香深産蔵囲い12年物」があるということで見せていただきました。2級品ですが白くマンニトールとアルギン酸が白く噴出していますし、乾燥に乾燥しているので軽い昆布です。浜には1級品もあるそうです。
京都の料亭の一番だしに用いられる昆布ですが、見たのは初めてでした。一度、これを使ってだしを引いてみたいなと思い1枚購入しました。ついでに、雄節の本枯節も用意しお正月の元日に一番だしを引いてお吸い物を作ってみようと思います。
利尻昆布香深産 2004年産(12年物)
白くマンニトールが噴出しています

昆布の産地と味の違い、1級品や2級品とその他の品との違い、天然物と養殖昆布の違い、昆布を上手に引く方法、昆布と節との配合比率、美味しいだしの引き方等々、突然お邪魔したにも関わらず1時間半ほどお付き合いいただきました。大変勉強になりました。
そば汁用に、真昆布の天然もの1級品を仕入れました。
真昆布1級
最終的に、次に報告するような内容の甘汁が完成しました。

  • 水                4000 ml
  • 真昆布(1級)    80
  • 本枯節 105
  • 宗田鰹節 53
  • 鯖節 53
  • ムロアジ 49
  • かえし    285 ml
  • 塩                   8
  • 133 ml
  • 味醂 125 ml
だしの効いた、甘汁が完成しました。

辛汁は、前述のように甘汁とは正反対にだしを隠した汁にしました。本枯節のみを用いただしを引き、かえしと調合しました。これは、すべてを抑えた良い辛汁になりました。

大晦日の年越しそばが楽しみです。

甘汁4リットル完成 どす。

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