札幌そば研究センター

2017年5月28日日曜日

そばとわたし(10) そば打ち記録(66) そばの細さ 四つだしとストレス 水回し再考

そば打ちの実践中に気づいたことも、「そばとわたし」として保存していきます。
よって、そば打ち記録(66)はそばとわたし(10)との併設です。

2017年5月27日(土)
気温:18度
天候:雨

今日は、1.5kgにて友人に差し上げるための生粉打と、同様の目的で福島県山都地区宮古のそば店「大下さん」で分けていただいた、玄そばの全粒粉の60メッシュ篩のそば粉を湯ごねで打ち、最後は、上砂川生粉打そば打ち名人戦のそば粉に再々チャレンジです。

1回目
そば粉:札幌新川そばの会のそば粉(キタワセ)1.5kg
加水量:640ml
最初の加水で600ml加え、その後に20mlを2回に分けて加水。
水の量は問題ない。大変打ちやすい粉なので全く問題なく作業は進み、1.5kgはそば切りに変身でした。そばの厚さは1.4mmで目指した厚さになりました。

【そばの細さ】
札幌新川そばの会の皆さんは、もう少し細いそばを好みます。翁の高橋名人は二八そばで1.2mmが理想として、そのサイズのそばを提供しています。
私は、最近、生粉打そばを1.2mmで食すと、食感を感じにくいのではないかという考えになってきています。理由は、二八であれば1.2mmでもその噛み応えがありますし、そばののど越しもちょど良いと感じます。しかし、生粉打の1.2mmは、その噛み応えが足りないし、のど越しものどを通る際の刺激が物足りないのではないかと感じてきています。まだまだ、試行錯誤の段階ですが、他の方に差し上げるそばですので、あまり細すぎず生粉打の良さを知ってもらうためにも、1.4mm前後でチャレンジしました。超えても1.5位ですので問題は無いと。

2回目
そば粉:福島県喜多方市山都地区宮古のそば店「大下さん」で分けていただいた、玄そばの全粒粉の60メッシュ篩のそば粉

先日大下さんに訪問した際に、そば打ちを見せていただきました(別のブログにて報告済み)。湯ごねでないと、このそば粉はつながらないとおっしゃっていました。私自身は、前回訪問時に分けていただいたそば粉を、水でつなごうとチャレンジしましたが、うまく打つことができませんでした。やはり、湯を用いてそばのデンプンをアルファ化してつなぐ方法が、このそば粉には良いのだと思います。

【四つだしとストレス】
大下さんの教えの通りに、約50%の熱湯を加えて、種になる水を少しずつ加えて塊にし、まとめてそば球に。大下さんでは、これを5個くらいに分けて、1つずつを丸のしして、それを数枚重ねて切ります。
今日は、丸のしではなく江戸流で丸のし、四つだしと進めてみました。丸のしは問題ありませんが、四つだしを試みると、麵体に細かなひび割れが出てきます。これは、四つだしによる麵を伸ばす力が加わることで起こる現象です。四つだしはそこそこで止めて、そこからは普通にのして形を少し整えました。厚さ優先で形はどうでも良いと切りかえ、回しのしで引っ張らずに圧だけを少しずつかけてのしました。

出来上がったそばは、ボロボロに切れるそばではありませんが、四つだしで傷つけたところは切れやすいようです。大下さんで見せていただいたそばのように、しっかりつながったままのそばとはなりませんでした。やはり、圧のみで平らにしていく方法が、もっともストレスをかけずにのす方法だと、再認識しました。

3回目
そば粉:上砂川生粉打名人戦の練習粉1.5kg
加水量:870ml
数回チェレンジしましたが、またまたチャレンジです。
今日は、参謀にK先輩が隣で見てくださっています。最初に、粉を握り「これは、相当水が入るよ。」「ゆっくり水を加えていかないと、失敗する。」「札幌新川そばの会のそば粉のように水分量が高くないし、ドラムで挽いているかもしれないの、大変むつかしいよ。」ということで、そば打ち開始でした。

最初の加水は、700ml一気に加えて水回しです。2日目で100ml加え、まだまだ入るという先輩の助言により、20ml位ずつ数回加えました。ここまで、水を入れられたことが初めてでした。

【改めて、水回し再考】
これまでの失敗の時の水回しと今日の違いは、加水後に水を出すように圧を一切かけないということでした。圧をかけると粉に入った水が表面に出てきてテリが出てきます。これにより粉がまとまり易くなります。これにより時間を短縮して水回しができます。これを用いてはいけないのかもしれません。じっくりと、ゆっくりと水が粉に浸透するのを待つ。そのためには、加水直後のように相当長い時間をかけて、サラサラ状の粉の状態を維持したまま、水を加えて行く。そうしないと、水が回っていかないのかもしれません。そんな、思いに行きついた今日の水回しでした。

「こんなに、トロトロでよいのですか?」とK先輩に尋ねると、「あと、10ml水を加えても良かったかもしれない?!」とのことでした。5段用の生粉打ち粉もこんな粉のようだということでした。K先輩曰く「じっくり水回しをして、そこからは、細心の注意を払わないとそばが出来上がらない。」「少しでも、気を抜くとトロトロの麵体が仇となり、麵が切れたり、破れたり、できたと思ったら途端に麵をたたむ際に切れたり、打ち粉が足りないとくっついたりだ。」「こんな粉で、生粉打で練習していると、二八は楽になる。」とのことでした。K先輩、アドバイスありがとうございました。少しだけ、水回しの方法が見えてきたかもしれません。

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