札幌そば研究センター

2018年2月18日日曜日

そば打ち記録(74) 石臼自家製紛粗びき粉の生粉打ち2回の比較

2月10日、17日の両日で、丸抜きを石臼手回し自家製粉を用いて、十割そばを打ちました。

10日は、昨年購入した牡丹そばの丸抜きを用いました。
少し茶色の実を含んでいました。
これを、1回石臼で挽いて、20メッシュ(18目)篩でふるい、残りを再度挽いて全てが20メッシュを通る状態にし、歩留まり100%の粉での十割そば打ちでした。
何とか繋がりましたが、少し置いたそばは切れやすくなります。
昼頃に打ち夜の段階で茹でると、半分以上が切れてしまします。殆ど触れない状態でも同様に切れます。
茹でたそばの味は、蘞味を感じます。やはり茶色がかったそばの実を含むだけで香りが落ちます。また、透明度も落ちます。ということで、少し残念な状況でした。


17日は新たに音威子府の加藤様より丸抜きを送っていただき、それを用いて石臼引きです。
挽いている段階でのそば粉の香りが違いました。良いそばの香りです。一度挽いた段階で20メッシュで篩った時に残る外皮80g(1kgの丸抜きに対して)は、二度挽きせずに捨てました。よって、この段階で92%の歩留まりです。これを打つ前に、同じ20メッシュで篩うと残る20gの外皮がまた出てきます。これも無理に篩わずに捨てました。よって、実際の歩留まりは90%です。


これで同じように打てました。茹でたそばの色は透明感のある薄い緑色で、10日の茶色いそばとは全く異なる表情でした。味も、蘞味を感じずに、そばの味を感じられます。切れ具合は、多少切れにくいですが、25cmをキープできるのは10%程度でやはり切れます。これは、最初にこのような粗びきそばを体験した「地水庵」でも切れることには触れており、どうしても切れやすいようです。

この切れやすいところを改善したのが、木曽の「ZCOBO時香忘」でオヤマボクチを使用されているようです。「超々粗挽そば」に「オヤマボクチ」をつなぎとして使用するか否かについては、賛否両論あると思います。

勿論、オヤマボクチが小麦粉によるつなぎとは異なり、小麦粉がそばに与える影響、すなわち、小麦粉臭と小麦粉の味が、そばの味を感じられなくすることは避けられるとは思います。しかし、実際にオヤマボクチがそばの香りと味にどのように影響するのかは、実際に使用したことが無いのでわかりません。オヤマボクチでのつなぎを一度試してみる価値はあるかもしれます。これは、喉越しに与える影響をどうとらえるかと同義と考えて良いのだと思います。

この超々粗びきそばがもう少し長くつながっている状態で食すとどんな影響があるのかがわかりません。つながる必要が無いのかもしれません。この立ち位置にいるのが、地水庵だと思われます。一方、これをつないで食す方が良いという立場にいるのが、時香忘だと思われます(ただし、時香忘の高田さんとは直接話をしていないので想像ですが)。

オヤマボクチ使用の可否の検討は今後のチャレンジ目標です。

10日の蕎麦


17日の蕎麦


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