札幌そば研究センター

2017年1月2日月曜日

(だし1) 2017年元旦 椀物 清し汁

2017年 元旦 お正月料理に 椀物清し汁を作りました。

昨年末に購入した、利尻昆布香深産蔵囲い12年物を用いて何を作ろうかと思案しました。そして、最もその違いを感じられると思われる一番だしを楽しむことにしました。だしを引き椀物を作りました。

椀にいれるものは特に用意していなかったので、お正月料理の中で癖のない物を使おうと、かまぼことタケノコを用いることにしました。ゆずと三つ葉もあったので香りづけに加えました。

だしを引くレシピは、お店の数ほどあるようです。またここで用いる利尻昆布香深産を手に入れた札幌の昆布専門店「佐吉屋」さんの教えていただいた、昆布と本枯節は同率配合で、1%から1.5%の対水濃度でだしを引くというレシピもあります。
迷いましたが、利尻昆布香深産蔵囲いと本枯節うす削りを用いてだしを引く詳細情報があるのが京都瓢亭の一番だしに関するもの(2006だしの基本と日本料理―うま味のもとを解きあかす 柴田書店編集)でしたので、これに習うことにしました。
水と昆布と本枯節うす削りの比率は、それぞれ2.6%と2.4%になります。
また、昆布の煮だし時間は1時間で、本枯節投入後20分静置でだしを引きました。

吸い物地の作り方は、このだしを用いて、つきぢ田村の作り方(2006 だしの基本と日本料理―うま味のもとを解きあかす 柴田書店編集)に習いました。
京都瓢亭のだしに、つきぢ田村の吸い物地の配合で塩、醤油、酒にて味を調整しました。何とも贅沢ですが。

この吸い物地を椀に準備した温かい種にかけ、ゆずと三つ葉を加えて、ラップをして出来上がりです。ラップをしたのは、椀を開けた時の香りがどうなるのかを確かめるためでした。ラップを外すと、三つ葉と香りが先に立ち、その後にゆずの香りがしてから、だしの香りが届きます。

出来上がった吸い物の味ですが、だしだけでこれほどの甘みを感じるのかと驚きでした。これが「うま味」なのだと、確認しました。
昆布とカツオの味や香りは全く感じません。余計なものは溶け出していないということがこのような旨味になるのだということも確認できました。
熱を加えすぎないということが、えぐ味を出させない重要な方法なのです。

だしの味と香りとの関係は、用いる昆布や節の質、それらの抽出時間と温度、両社の比率により、それぞれ変化があるのだと思います。それゆえ、お店の数だけ、だしの引き方があるのだということも納得できました。

だしの旅は、2017年1月1日がスタートです。今後どのような展開になるのかは、本人もよくわかりませんが、大変興味深い題材ですので、少しずつ試していきたいと思います。
ご近所に、佐吉屋さんという、旨味の良いアドバイザーも得ましたので、今後が楽しみです。



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